【完結】 1年であなたを落としたいと婚約式で告げた結果

紬あおい

文字の大きさ
1 / 21

1.不安

しおりを挟む

私には13歳の時に婚約した人が居る。
もちろん親同士が決めたものだ。
2歳、歳上らしい。
それから3年、未だに顔もよく分からない。
幼い頃に会ったきりで、会う機会が無かったのだ。
黒髪で金色に近い瞳が綺麗な男の子だったような記憶はあるが、正直あやふやである。
そんな状況でも、今私が16歳、彼が18歳で、1年後には結婚する予定だ。

アルベール公爵家の次女の私ベルナは、双子の兄姉と歳が8歳も離れた末っ子なので、家族に溺愛されて育った。
13歳での婚約も、兄カイロと姉シエルが猛反対していた位だ。

「お父様!ベルナの婚約はまだまだ早過ぎますわ!!」

「そうだ!父上や母上に何かあっても、小公爵の僕や侯爵夫人のシエルが居るんだから!!」

カイロ兄様とシエル姉様は結婚しており、お互い二男二女の父であり母なのである。
兄姉の家柄がしっかりしているので、私の心配は要らないと言いたいのだろう。 
実際、結婚しなくても兄姉ならば私を養ってくれそうだ。

「しかし、たまたまお前達に良いご縁があったからと言って、ベルナにも同じようなご縁があるとは限らないだろう?父さんや母さんもベルナが心配なんだから。その点、あの子は大丈夫だと思うのだが…」

あの子とは、婚約者となったハインミュラー侯爵家の一人息子ルディガーのことだ。
私の両親ノーランとナタリー、ハインミュラー侯爵家のエドガー様やアマンダ夫人の4人は旧知の仲である為、お父様はその子どもなら大丈夫という刷り込みがあるのは仕方ない。
ただ、領地が離れている為、私とルディガーは滅多に会う機会がなく今に至る。

しかし、この春からルディガーが首都に来て、皇宮で皇太子の側近として働くこととなったので、そろそろ婚約式を取り行おうという話になったらしい。

「10日後にハインミュラー侯爵夫妻とルディガー殿を我が家にお迎えして、小ぢんまりと身内だけの婚約式をするから。」

お父様とお母様の中では決定事項だ。
3年も経ち、ルディガーの仕事振りや評判を聞いて、兄姉も今は反対していない。
寧ろ「なかなか良い青年みたいだ」と言うほどだ。

肝心の私は、相変わらずピンときていない。
兄姉にがっつりガードされて育ったので、男性と話す機会すらあまり無かった。
そんなんで婚約なんて大丈夫だろうか。
不安でいっぱいのまま、当日を迎えることとなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。

しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。 友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。 『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。 取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。 彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

【3話完結】 数多と唯一

紬あおい
恋愛
偉そうにしていた夫が実はチョロかったお話。

婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました

有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。 魔力が弱い私には、価値がないという現実。 泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。 そこで目覚めた彼は、私を見て言った。 「やっと見つけた。私の番よ」 彼の前でだけ、私の魔力は輝く。 奪われた尊厳、歪められた運命。 すべてを取り戻した先にあるのは……

【完結】 女に弄ばれた夫が妻を溺愛するまで

紬あおい
恋愛
亡き兄の恋人を愛し、二年後に側室に迎えようと政略結婚をした男。 それを知りつつ夫を愛し、捨てられないように公爵夫人の地位を確立しようと執務に励む女。 そんな二人が心を通わせるまでのお話。

処理中です...