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6.建国祭のパーティ ①
しおりを挟む建国祭の当日、仕事があるからパーティに間に合うように迎えに来ると、ルディガーは言ってくれた。
「パートナーなんだから、ベルと一緒に行きたいし。」
ルディガーは、穏やかに頬を染めて微笑んだ。
建国祭そのものより、ルディガーと着飾って一緒に出掛けるのが楽しみだ。
約束の時間ちょうどに、馬車で迎えに来てくれた。
いつも時間に正確なのは、きちんとした性格故なのだろう。
馬車の中では隣同士で座る。
一瞬、え?って顔をされたけど、そこは譲らない。
「綺麗だ。ドレスも似合ってる。」
蕩けるような笑顔で言われると照れる。
私の瞳の色に似たドレスで、ルディガーの瞳に似たレースをあしらっている。
ルディガーの衣装も色味を似せている。
「ルディもカッコいいですよ?また好きが増しちゃいます。」
もう気持ちを隠さずにガンガン伝えることにした。
ルディガーが真っ赤な顔を手で隠す仕草が可愛くて堪らない。
「ベル、だんだん大胆になるな。」
「だって、他の女にルディを取られたら、大変ですもん。それにルディも、そんな私が気になるでしょう?」
体をすりすり寄せてみる。
「恥ずかしいから…もうやめてくれ…」
「ほっぺにチューさせてくれたらやめます!」
素直に顔をこちらに頬を向けるので、手でぐいっと向きを変えて、唇を奪ってやった。
ちょっとだけ舌を絡ませる。
「んんんっ!」
慌てるので、唇を甘噛みしてから離してあげた。
「心臓に悪いから、勘弁してください…」
ルディガーは物凄く動揺すると敬語になることに気付いた。新たな発見は嬉しいものだ。
それから会場に着くまでは、手を繋ぐことで許してあげた。
そして、馬車は皇宮に着いた。
華やかな場所に慣れていない私は、緊張してルディガーの手が離せない。
「腕を組んで行こうか。」
ルディガーは、私の腕と自分の腕を絡ませる。
「私がパートナーで大丈夫?好きな方とも話したり、ダンスをしたりしたいでしょう?私は大丈夫ですから。」
ずっと一緒に居たいけど、ルディガーには想い人が居るもの。
「そんな心配は要らない。大丈夫だ。今日はベルを婚約者として連れて来ている。後で皇太子殿下に紹介するから。ちょっと変な人だが、悪い人ではない。」
1年という括りはあれど、婚約者という立場を尊重してもらえるのは嬉しいと思う。
今日はプライベートではなく、皇宮に着いた途端、急に仕事モードの顔付きになっているから、凄く頼り甲斐もある。
想い人の居るルディガーを勝手に好きになってしまって、申し訳ない気持ちもある。
でも今は、先のことはまだ分からないけれど、もっとこの人のいろいろな面を知りたい。
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