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4.驚きの提案
しおりを挟むにこやかに話し出したクリストファー殿下だが、その内容は驚くべき提案だった。
「一つ目、皇族の手を勝手に掴んだこと。」
「「はい…」」
「二つ目、皇族を勝手に婚約破棄の証人にしたこと。」
「「はい…」」
「三つ目、他人の情事を見せたこと。」
「「はい…」」
「普通は不敬罪だよな?」
「「はい…」」
私と父は、すでに顔面蒼白だろう。
「それを問わないから…」
「……から……?」
「俺をリーチェ嬢の婿にしてくれ。」
「「…………っ…はぁぁぁ!?」」
あまりの衝撃に、父も私もひっくり返りそうになる。
「俺は、第三皇子だけど庶子だろう?皇帝の継承権はないに等しい。となると、爵位を授かって地道に領地運営するか、どこかに婿入りしなきゃならない。俺をヴァーミリアン侯爵家で引き取ってくれないか?」
「っ、なっ!?」
「リーチェ嬢は、また婚約者探しをしなきゃならないなら、俺でもよくない?」
「………殿下は…私でいいのでしょうか?」
「うん、いいよ。俺、あんまり笑ったことなかったんだけど、リーチェ嬢と一緒だと毎日が面白そうだし。」
確かに、クリストファー第三皇子殿下は、亡くなった側室のシルヴィア様のお子で、他の皇子殿下とはあまり交流がないと聞いていた。
噂では、不遇の皇子と呼ばれている。
「面白いだけで、人生をお決めになっても宜しいのですか?」
「でもさ、リーチェ嬢は言っただろ?結婚は家の為だと。そこに面白さがプラスされたら、人生楽しいじゃないか。リーチェ嬢が何をしても、俺が傍で笑い飛ばすってのも、また面白くない?陛下から結婚を急かされていても、全然興味が湧かなかったけど、リーチェ嬢ならいいなぁと思ったんだ。リーチェ嬢は、俺のこと、好きになれそうにないか?顔は、まあまあ良いと思うんだけど。」
「お顔は完璧です!」
私が即答すると、クリストファー殿下は、ちょっと胸を張った。
「なら、決まり!陛下から皇命で結婚させてもらうね。」
ね、ってウィンクされても、隣で父が泡を吹きそうな顔をしている。
「ヴァーミリアン侯爵もいいかな?一応、俺、仕事は出来る方だよ?」
「リーチェが良いのなら…しかし、殿下の卓越した才能は、第一皇位継承者でも問題ないと言われています。だからこそ、我が侯爵家には勿体ないお方だと…」
「大丈夫、大丈夫!もしも皇帝にならなきゃいけない事態になったら、リーチェ嬢は皇后になればいいし、ヴァーミリアン侯爵家は、俺達の子が継げばいいだろう?」
「そこまで仰るなら…リーチェ、どうする?」
お口ぽかんの私は、急に話を振られ焦る。
しかし、まだ肝心な問題が片付いていないことを思い出した。
「良いお話だとは重々承知しておりますが、婚約破棄してからお返事しても宜しいでしょうか?」
「あ、そうだったね。今から、さくっと陛下にやってもらうから、待っててね!」
「「今から!?」」
爆弾発言をして、クリストファー殿下は帰って行った。
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