【完結・外伝更新】 「貴様との婚約は破棄する」から始まった私達

紬あおい

文字の大きさ
41 / 61

41.挙式後の策略


先に控え室に戻った私とクリストファーは、親族の退場を待っていた。

「クリストファー、リーチェ、おめでとう。良い式だったな。」

「リーチェ、やっぱりドレスが似合ってるわ。」

「「ありがとうございます!」」
 
披露パーティには出席しないミスリム皇帝陛下とビオレータ皇后陛下は、真っ先に控え室に入ってきた。

「しかし、クリストファーからの提案とは言え、本当に家族だけの式で良かったのか?」

陛下は少し寂しそうにクリストファーに話し掛けた。

「このまま私は、庶子で不遇の皇子だった存在を貫きたいと思います。
そうすれば、今までのように、私を利用して利益を得ようとする、帝国の不穏分子を炙り出すことが出来るでしょう。
もちろん、リーチェを危険な目に遭わせることなく。」

きっぱり言い切るクリストファー。

「もっと楽に生きなさい、クリストファー。
今まで私の気付かぬ所で、よくやってくれた。
これからは、リーチェとヴァーミリアン侯爵夫妻と、あたたかく面白い家庭を築きなさい。」

「そうよ、クリストファー。カリストもコンラートも居るわ。たまには頼ってちょうだいね?」

「はい。」

陛下と皇后陛下が帰ると、カリスト殿下とコンラート殿下が近寄ってきた。

「末っ子が先に結婚するなんてなぁ。カリスト殿下には、婚約者にしたい令嬢が居るとして、俺はどうしたらいいかな…」

コンラート殿下がぶつぶつ呟く。

「コンラート殿下にはお慕いする令嬢はいらっしゃらないのですか?」

「コンラートは面食いなんだよ、意外とシャイなくせに。」

カリスト殿下が笑う。

ひねくれると書いてシャイと読むのですねぇ…」

「ちょっ、リーチェ、また口から出てる!」

クリストファーが焦って私の口を塞ぐと、コンラート殿下は不満そうだ。

「ほんっとに、リーチェは阿呆だな。普通、思っても言わないぞ?弟の嫁だから許すけど、不敬罪だからな?」

「ぁい、すみません…」

「あははは、クリストファー、これは退屈しないな!」

「確かに!あはははっ!!」

カリスト殿下が大笑いすると、コンラート殿下も笑い出す。

その時、私は閃いた。

「コンラート殿下にぴったりの令嬢がいるかも!美しいけど、ちょっと思い込みが激しくて一途な人!!」

「リーチェ、まさか…」

クリストファーはピンと来たようだ。

「リーチェ、どこの令嬢だ?」

コンラート殿下も興味津々だ。

「ナディエ・アランカス公爵令嬢です!」

「あ…あの令嬢か…」

一瞬、コンラート殿下が頬を染めた。

(これは、イケるかもしれないわ。クリストファーに執着される位なら、コンラート殿下を押し付けちゃえば…ふふふ…)

「アランカス公爵家にも披露パーティの招待状を出してある筈なので、後で声を掛けてみましょう。」

私は、捻くれ皇子と勘違い令嬢は、結構お似合いなのでは?と楽しくなってきた。
感想 43

あなたにおすすめの小説

(完結)「君を愛することはない」と言われて……

青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら? この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。 主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。 以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。 ※カクヨム。なろうにも時差投稿します。 ※作者独自の世界です。

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

(完結)あなたの愛は諦めました (全5話)

青空一夏
恋愛
私はライラ・エト伯爵夫人と呼ばれるようになって3年経つ。子供は女の子が一人いる。子育てをナニーに任せっきりにする貴族も多いけれど、私は違う。はじめての子育ては夫と協力してしたかった。けれど、夫のエト伯爵は私の相談には全く乗ってくれない。彼は他人の相談に乗るので忙しいからよ。 これは自分の家庭を顧みず、他人にいい顔だけをしようとする男の末路を描いた作品です。 ショートショートの予定。 ゆるふわ設定。ご都合主義です。タグが増えるかもしれません。

(完)なにも死ぬことないでしょう?

青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。 悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。 若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。 『亭主、元気で留守がいい』ということを。 だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。 ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。 昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。

【完結】旦那様、契約妻の私は放っておいてくださいませ

青空一夏
恋愛
※愛犬家おすすめ! こちらは以前書いたもののリメイク版です。「続きを書いて」と、希望する声があったので、いっそのこと最初から書き直すことにしました。アルファポリスの規約により旧作は非公開にします。  私はエルナン男爵家の長女のアイビーです。両親は人が良いだけで友人の保証人になって大借金を背負うお人好しです。今回もお父様は親友の保証人になってしまい大借金をつくりました。どうしたら良いもにかと悩んでいると、格上貴族が訪ねてきて私に契約を持ちかけるのでした。いわゆる契約妻というお仕事のお話でした。お金の為ですもの。私、頑張りますね!    これはお金が大好きで、綺麗な男性が苦手なヒロインが契約妻の仕事を引き受ける物語です。  ありがちなストーリーのコメディーです。    ※作者独自の異世界恋愛物語。  ※コメディです。  ※途中でタグの変更・追加の可能性あり。  ※最終話に子犬が登場します。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

(完結)だったら、そちらと結婚したらいいでしょう?

青空一夏
恋愛
エレノアは美しく気高い公爵令嬢。彼女が婚約者に選んだのは、誰もが驚く相手――冴えない平民のデラノだった。太っていて吹き出物だらけ、クラスメイトにバカにされるような彼だったが、エレノアはそんなデラノに同情し、彼を変えようと決意する。 エレノアの尽力により、デラノは見違えるほど格好良く変身し、学園の女子たちから憧れの存在となる。彼女の用意した特別な食事や、励ましの言葉に支えられ、自信をつけたデラノ。しかし、彼の心は次第に傲慢に変わっていく・・・・・・ エレノアの献身を忘れ、身分の差にあぐらをかきはじめるデラノ。そんな彼に待っていたのは・・・・・・ ※異世界、ゆるふわ設定。

『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい

歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、 裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会 ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った 全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。 辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。