【完結】 元婚約者の浮気相手の元婚約者が溺愛してくるってどういうことですか!?

紬あおい

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1.婚約者はお盛ん

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その日、約束通り、ソレント伯爵家の温室に行った。
その温室は、婚約者のヒューベルクと会う定番の場所だった。

「ああん、いいわ、ヒューさまっ!おっきぃ…もっと!!」

「はぁ、ジェニア、いいよ…そろそろ出すね…」

まさか約束の時間に、婚約者が情事に耽っているなど想像もしなかった。
んまあ、腰の動きが軽快だこと。
一緒に来ていた護衛のカルロスもドン引きだ。

「お嬢様、ここは一旦帰りましょう!」

カルロスは私の手を取ろうとしたが、振り放って前に歩き出す。
こんな現行犯チャンスをみすみす見逃すのは勿体ない。
私は浮気者二人の横に立つ。

「ヒューベルク様、随分とお盛んですのね。あら、そちらはジェニア・ヴェルニー伯爵令嬢ではありませんか。玉の輿の筈のイザーク・スヴェンセン公爵様を差し置いて、ヒューベルク様と愛し合っているのですか。」

私は至って平常心だったが、ヒューベルクとジェニアは驚いて膣痙攣を起こしたらしく、痛い痛いと騒ぎながら繋がっている。

「あらまぁ、大変!カルロス、誰か呼んできて。」

「御意!!」

走り出したカルロスは、きっとソレント伯爵か夫人を呼んでくるだろう。
私の可愛い可愛い出来る子カルロス。
私は次の展開をわくわくしながら、ヒューベルクが脱ぎ捨てたと思われる上着を二人に掛けてあげた。

「頼む…人は呼ばないでくれ…」

「お願いします!イザーク様には言わないで!!」

「あー、無理ですね。もうカルロスは走って行ったし。あ、カルロスって走るのが物凄く速いんです。私の護衛とかやってますけど、騎士団に入れば、きっと凄く活躍すると思うんですよね。でも、身寄りがなくて、お父様が引き取ったから、今は私の護衛で…」

「「今はそんな話、聞いてない!!」」

ヒューベルクとジェニアは息もピッタリなツッコミを入れてくる。
お似合いな二人に、私は笑顔で見下ろす。

「おい!ヒューベルク、お前、こんな恥晒しなっ!!」

ソレント伯爵が血相を変えて走ってきた。
カルロスに負けない位に速いなと感心している私。

「取り敢えず、この薄汚い奴らを何とかしろ!」

ソレント伯爵が連れてきた騎士達が、繋がった二人を運んでいく。
その姿があまりにも滑稽で、ソレント伯爵がお気の毒に思えた。

「こんな時にあれですけど、ヒューベルク様との婚約は破棄で。早々に父からご連絡しますわ。」

「愚息が大変失礼なことをしました。後日お詫びに伺わせてください…」

可哀想な位に憔悴するソレント伯爵を背にして、私はスキップしたい程の気持ちだった。
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