【完結】 元婚約者の浮気相手の元婚約者が溺愛してくるってどういうことですか!?

紬あおい

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24.守るべき人達 Side カルロス

俺はカルロス。
ローザンヌ公爵家の護衛だ。
五年前の九歳の時、孤児院で虐められていたところを公爵夫妻の目に留まり、引き取られた。

最初は、金持ちの気紛れだと思っていたら、何故か気に入られて、剣の訓練をするようになった。
元々運動神経は良かったので、見る見るうちに上達していった。

メイナージュお嬢様の騎士となったのは、俺が十二歳の時だ。
四歳年上のお嬢様は、俺よりも無邪気でイタズラ好きな糞女だった。
真面目に護衛している俺に、ふざけて膝カックンしたのは数え切れない。
でも、卑しい身分の俺を蔑むこともなく接し、情に厚くて、嫌いになれないタイプだ。

そんなお嬢様が、突然婚約破棄となった直後に求婚され、イザーク様と親しくなった。
お嬢様が恋をしている姿が不思議だったり、微笑ましかったりした。

元婚約者のヒューベルクの時には見られなかった、恋する乙女なお嬢様が幸せになるといいなと思っていた。

だから、お嬢様が襲われた時、体中の血が沸騰するかと思った。
どうしてイザーク様は、お嬢様から離れたんだと怒りが湧いた。
でも、罠に嵌められた筈のイザーク様がいち早く気付き、最終的には助けてくれたし、お嬢様もケガはしたが無事だったので、ほっと胸を撫で下ろした。

その時、俺は決めた。
イザーク様が傍に居られない時は、俺が守ると。
決して男女の色恋ではない。
申し訳ないが、お嬢様では俺のちんこは勃たない。
イザーク様と真逆だ。

俺の使命は、ローザンヌ公爵夫妻、ジョルジュ様、メイナージュ様とイザーク様を守ることだ。
孤児だった俺を、家族のように優しく育ててくれた恩を返したいだけだ。

ローザンヌだけでなく、イザーク様も守る対象になったのは、イザーク様が俺を信頼してくれたからだ。
四歳年下とはいえ、メイナージュ様の傍に他の男を置くのは、本来なら嫌だろう。

しかし、イザーク様は俺をスヴェンセン公爵家の影として雇うと言ってくれた。
しかも、もし俺が愛する女性と出会ったら、それなりの地位を授けるという破格の待遇も約束してくれた。

お嬢様に襲撃事件のことを思い出させたくなくて、イザーク様は俺にいろいろ後片付けを頼んできた。
ティアリアが無事に変態加虐貴族に嫁いだとか、サイラスが売れっ子男娼になったとか、実行犯は尻の穴が決壊したとか、逐一報告している。
イザーク様とジョルジュ様は、絶対に敵に回してはいけないと、今回学んだ。

今では、お嬢様よりイザーク様と話している時間の方が多いかもしれない。
俺が動けば、イザーク様とお嬢様の二人の時間が増えるので、俺はきっちり仕事をするだけだ。
そこに嫉妬は一切ないので、イザーク様は俺にお嬢様を託せるのだろう。

一度、イザーク様に聞いてみた。
何故お嬢様だったのかと。
そしたら、イザーク様が真っ赤になったんだ。
「メイにしか勃たない」と。
いやいやいや、そこはぼかせよ。
「一目惚れだ」とか「素敵な人だ」で良かったんだよ。
誰がちんこ事情を打ち明けろと言った?

でも、それ以来、俺はイザーク様が大好きになった。
もちろん人間として。
流石、うちのお嬢様の夫になる人だ。
二人は、末永く良い夫婦になると確信している。
というか、イザーク様しか、うちのお嬢様は扱えない、かもしれない。
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