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四回目の回帰で攻めに転じた妻
しおりを挟む連載の更新待ちの間に、よろしければご覧くださいませ。😊
四千字足らずの短いお話です。
他にも短編集や完結済みのものを掲載しております。
よろしくお願い申し上げます。🙇♀️
ゆるゆる設定、ご都合主義はご勘弁ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私は回帰者だ。
三回とも同じ男と結婚し、白い結婚にも関わらず、何故か浮気したと嫉妬され殺された。
そして、今四回目の回帰。
過去の三回は自分で何とかしようとしても状況は変えられず、大失敗だったので、今回は最初から夫に全部ぶっちゃけることにした。
夫は、シヴィル・グレイル伯爵。
妻となった私は、ウェルツ男爵家のアーシャだ。
見目麗しいこの男、結婚初夜なのに流行りの暴言を吐き、その後も碌に話もしなかった。
私達が不仲だからと、侍女にも馬鹿にされ、夫は妻を顧みることはない。
そのくせ、妻以外の者の言うことはあっさり信じる。
私は会ったこともないキール子爵と浮気したことにされ、シヴィルと揉み合って、階段から落ちて死んだ。
過去三回ともそれだ。
どれだけ打ちどころが悪ければ、こうもあっさり死ねるのか、誰か教えて欲しい。
外出してませんよー、知らない男と密会なんかしてませんよーとアピールしても、結局は死ぬ。
四回目に回帰した時、もうジタバタするのは諦めた。
まず、白い結婚をやめよう。
どうせ死ぬなら、純潔を守る必要もない。
シヴィルは、性格はともかく、見た目は神の祝福でも受けたんかい?位に美しい。
だったら一発やってから死のう。
私は、完全に吹っ切れた最強の回帰者になることにした。
そして、初夜。
過去と同じく、シヴィルは日付けが変わる頃に寝室に来た。
「君を抱く気はない。この結婚は、白い結婚とし、二年後には離縁する。」
(またか…私、毎回半年で死ぬんだから好きにするわよ?)
私は、覚悟を決めた。
「そんなの嫌です!私はシヴィル様を愛しております。最初は一目惚れでしたが、今は心からお慕いしております!!」
嘘泣きだが、涙目で訴えると、シヴィルが驚いたような顔をする。
先程までの渋い顔から、一瞬で柔和な顔付きになる。
「えっ…そなたには想い人が居るのではないのか?」
「シヴィル様以外に想う方などおりません…初めてお会いした時から、シヴィル様を愛しております。だから、どうか私をあなたの本当の妻にしてください…」
四回目にして、シヴィルが微笑むのを初めて見た。
こんなにも優しく笑う人に、何故私は殺されたのか。
「そうか…そうなのか…君は俺を…」
嬉しそうに私を抱き寄せて、感激しているシヴィル。
こんなに簡単に人を信じるのか。
なら、回帰の話も信じてもらえるかも。
「先に、シヴィル様にお伝えしたいことがあります。私は過去三回死んで、今四回目を生きています。回帰者です。私に想い人が居るとシヴィル様に誤解され、階段の上で言い合いになり、揉み合っているうちに落ちて、最後は死ぬのです。今回こそは誤解を解いて、シヴィル様と添い遂げたくて、真実を話しました。」
「何!?俺は勘違いで君を死に至らしめるのか?」
「はい…毎回階段から落ちて、打ちどころが悪くて、私は死にます。」
「そんな…三回も…」
「シヴィル様を愛しております。同じ死ぬ運命なら、シヴィルを私が抱きたいです。」
「分かった。君を抱こう。そして、運命を変えてみたい。」
この男は勘違いしている。
愛する人の心に響く言葉で嬉しいが、今はそれじゃない。
「変えられるか分からない運命なんて信じない!何も出来なかった過去も踏まえて、死ぬ前提で、私は運命に抗ってみたいのです。だから、私がシヴィル様を抱きます!!」
「はっ!?え、ええーっ??」
私をシヴィルをベッドに押し倒した。
まるで、もう我慢出来ないとでもいうような性急さで。
貪るような深い口づけの後、シヴィルは苦しげに呟いた。
「俺も君を愛している。一目惚れだった。周りから、君は無理矢理俺と結婚させられたと聞いて、意固地になっていた…すまない。」
「いいんです。分かっていただけたのなら。過去には無かった今のこの瞬間を私は幸せに思います。だから、どうか私を受け入れてください。」
「ああ、愛してる。話してくれて、ありがとう。さっきの無礼を許してくれ。でも、俺が君を抱きたい…」
シヴィルの言葉を無視して、再び唇が触れ、絡み合う舌と吐息が熱を持つ。
嫌味や暴言しか吐かなかったシヴィルの唇が、今はこんなにも私を欲している。
「全て見せてくれ。君が回帰者でも構わない。アーシャ、愛している…ずっと伝えたかった…」
引き裂くように夜着を脱ぎ捨て、素肌に触れ合う二人は、大切なものを扱うように、時には奪うように、お互いを確かめ合う。
でも、主導権は渡せない。
今度こそ、この男を手に入れてやる。
私はそばにあった夜着の腰紐で、シヴィルの手を縛る。
「何をするんだ!?解きなさい!」
「じっとしていて。」
シヴィルの唆り立つペニスに口づけると、熱くて血管が更に浮き出て来る。
亀頭を唇で喰み、縦筋に舌を捩じ込むと、シヴィルが呻く。
「ア、アーシャ…君がそんなこと…ああ…」
手で扱きながら、ペニスに執拗に舌を這わせて扱く。
やり方なんて習ったことない。
今目の前に居る獲物を仕留めたいだけ。
ずちゅ、ずちゅ、じゅるっ、じゅる。
耳でも感じて。全身を集中させて。
揺れる腰や、縛り付けてお腹に置いたシヴィルの両手がもどかしげに動くと、私も昂る。
「アーシャ!ダメだ、やめろ!!」
その声は制止にはならず、益々私の舌を狂暴にさせるだけだ。
不快感を感じさせる筈の喉奥までの抽送さえ、今は気にならない。
「ア、アーシャ…ほんとにダメだ…このままでは…うっ、くうぅー、あああー出るっ!」
シヴィルの青臭い汁を全て吸い上げても、私はまだ口を離さない。
「イったから!もう、やめてくれ!!イった後は更に敏感なんだ…アーシャ、お願いだ、やめて…」
過去に願い事なんてされたことない。
私の願いなんて聞いてもらえなかった。
だから、知らない。好きにする。
私は、シヴィルのペニスを刺激し続けた。
正直な体は、またもや反応し、シヴィルのペニスは大きさを増していく。
そこで私は口を離し、シヴィルの手を引き体を起こす。
ほっとしたシヴィルに跨り、唇を奪うと切なげにシヴィルの舌が絡んでくる。
私は腰を揺らし、シヴィルのペニスにぬるぬると刺激を与える。
深い口づけとシヴィルの喘ぎに、私はどんどん夢中になり、腰を揺する。
「挿れるわ。欲しいの、シヴィル様が…」
初めての痛みより、何度もこの男を失った痛みの方が大きい。
私は自重でシヴィルのペニスを押し込んだ。
シヴィルは諦めたのか、されるがままになっている。
根元までペニスが入ると、シヴィルは見たことの無い紅潮した顔をしている。
「アーシャ、君は無茶苦茶だ…痛いだろ?」
「あなたがずっと好きだったの。四回も結婚出来たのに、一つも思い出がないなんて嫌だもの。体より心の痛みの方が耐え難いわ。今だけでもいいから、シヴィル様を私にください…」
「分かったから、手を解いて?アーシャの好きにしていいから。」
シヴィルの手を解くと、ゆらゆらと蠢く私の腰を掴み、下から突き上げてくる。
破瓜の痛みは、じきに快感となって私の膣内を締め付ける。
「ああ、アーシャ…凄くいい…」
「シヴィル様、私もです…溶けそうです…」
「そろそろイきそうだから、口づけたい。アーシャ、舌出して?」
しがみ付く腕、絡まる舌、突き上げる腰。
どれも私が欲しくて欲しくて堪らなかったもの。
「んんっ、シヴィルさまっ、イっちゃうかも…」
「ああ、いぃ…アーシャ、俺もだ。一緒にイこう…」
「んはっ、ああんっ、イ、イくっ!」
「アーシャ、出、出るっ!出すぞ、受け止めろっっ!!」
最奥で爆ぜるペニスに、下りて来た子宮口が絡み付く。
上の口も下の口も、シヴィルに吸い付いて離さない。
私の名を呼び、シヴィルは最後に強くペニスを最奥に押し付けてから、後ろに倒れ込んだ。
しばらくシヴィルに抱き締められたまま、私は気を失っていたようだ。
気付くと、シヴィルは私を見つめていた。
「アーシャ、気は済んだか?」
「はい。思い残すことはありません。シヴィル様、愛しています。もう充分です。」
私がにこやかに笑うと、シヴィルが顔を顰める。
何故だろう。まさか、この男はこの期に及んで、まだ何か文句でもあるのだろうか。
「君は…死ぬ前提で話し行動している。俺は君を諦めないぞ?覚悟するんだな。」
シヴィルの意図が分からないまま、翌日の昼まで抱き潰された。
そして、半年後。
今度は死ななかった私。
その時やっとシヴィルが真相を語った。
「アーシャを三度生き返らせたのは俺だ。我が家に伝わる聖物の短剣で、俺の心臓を刺し、記憶と引き換えに、アーシャを蘇らせた。アーシャには記憶があり、俺には無かった為に過去三回は上手くいかなかったんだろう。今回はアーシャが過去とは違う行動に出たから、成功した気がする。」
私はシヴィルの話に驚いた。
私を生き返らせる為に三度も死んだのだ。
「シヴィルは、どうしてそれが分かるの?記憶を失くしていたのでしょう?」
「アーシャが死ななかったから、全て思い出したんだと思う。初夜の日は、断片的に頭に浮かんだんだ。だから、あの日、俺は君が死なないと、何となく思った。過去に君が酷い待遇を受けていたこと、死ぬ瞬間、俺の気持ち。全て今は思い出せる。俺は、階段から落ちて死んでから、君への愛を自覚したんだ…愚かな俺で、すまない…」
私の知らないところで、シヴィルは苦しんでいた。
私だけじゃなかったんだ。
胸がいっぱいになり、涙が溢れてきた。
「私達、やっと想いが通じたんですよね?」
「ああ。愛してるよ、アーシャ。遅くなったけど、幸せにする。」
「はい。一緒に幸せになりましょう。遅くなった分、きっと愛が重いですよ?」
「上等だ。」
シヴィルが不敵に笑う姿が美しくて、私はまた胸が熱くなった。
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