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26.夫のトラウマと夢と希望と
しおりを挟む翌朝、目覚めた時も、まだレオリスと繋がっていた。
「レオ…少しは寝たの…?」
「ぅん…途中、少し…はぁ、はぁ、でも、足りなくて、朝だし、あぁ、また…」
何度したのか分からない位にシーツも濡れている。
(赤ちゃん、出来たらいいなぁ…)
「あぁ、リア、イくっ!」
ぼんやり考えていると、レオリスが達したようだ。
「一晩中、すまない…止められなかった…」
完全に脱力したレオリスが、私の上で息を荒げている。
その頭を撫でながら、私もまた眠った。
次に目を開けた時、レオリスはしゅんと反省中だったので、笑ってしまった。
「そんな顔しなくても。あはは。」
「やり過ぎた…すまない…」
「じゃあ、当分無しで…」
「だが、断る!」
「あはははっ、何、それ!?」
「リアに対しては仕方ないんだ。他の女には欲情しないからな。」
「そんなことないんじゃない?裸の美女が抱き付いてきたら…」
「いや、過去にそれで吐いた…気持ち悪かった…」
まさかのトラウマ告白に唖然とする。
「単独であちこち行ってた時の話な。言い寄ってくる女もいたけど無理…ギラギラした目で見られると、鳥肌が立つ…だから、出掛ける時は、マーティンやサミュエルやバトラーを連れて行くんだ。あいつらはただの御者や護衛騎士じゃないんだ。腕は立つけど、平民だからと騎士団にいても差別されてた奴らだ。アンからリアを守れなかったけど、本来は凄腕なんだよ。」
「そうだったの…揶揄ってごめんなさい…知らなかったわ…嫌な思いをしたのね…レオも剣の腕前が凄いってライナーが言ってたけど?」
「大丈夫さ。リアなら平気だし、寧ろガツガツいきたいし。くくっ。俺も剣はそこそこ強いぞ?でも、初めの頃は、女だと油断してたからね。いきなり斬る訳にもいかないし。それに、男を襲ってくる女なんて想定外でさ。別に俺、兄上と違ってモテないし。」
(この人は鏡を見ないのだろうか…ジュリウスが眉目秀麗だとしても、レオリスはそれに野生味を足した美男子なのに。)
「私の夫はカッコいいわよ?誰よりもね。私以外には女性を寄せ付けない雰囲気が更に素敵よ?」
「そ、そうか?リアにモテればいいだけの話だからな。他の女はお断りだ。リアも俺以外はダメだぞ?」
「当たり前です。あなたの妻ですからね。」
朝から何だ、このいちゃいちゃは、と思いながら、恋愛結婚ていいなと思った。
後日、この夫の美貌が原因で大変なことになるとも知らずに。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
いちゃいちゃダラダラしながらも、昼にはベッドを出て、食事を取り、今後について真面目に話し合った。
海辺のウィルシムに新しい邸を建てている間、旅行で泊まった宿に滞在し、工事中の邸を逐一確認する。
家具などは追々取り寄せる。
タウンハウスは、数日後には出る。
御者と護衛騎士は、同じメンバーをウィルシムに連れて行き、その他は後日選考の上で雇う。
海辺の宿の敷地に厩を造り、ロニエは早めに連れて来ると共に、レオリスの馬も購入する。
「工事業者は既に手配して、基礎工事中だけど、いざとなると、なかなか難しいなぁ。まあ、二人だし、宿でも暮らせるから、新居の物はのんびり揃えていこうか。」
「そうね。取り敢えず、ロニエが来てくれたら嬉しいし。早く乗れるように教えてね?」
「もちろん。ロニエは賢いから、きっとすぐに乗せてくれるさ。」
私とレオリスの新しい生活の為の計画は、まだまだ相談しながら続くのだ。
その作業を楽しいと思えることも、幸せの一つなのだろう。
夢も希望も、叶えるのはレオリスとだから。
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