パラレルにゃ~ルド

巴菜

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束の間の喜び

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リナは玄関扉を見つめながらさっき出掛けて行ったルカの言葉を思い返していた。(本当に元の姿に近い姿になれるのかなぁ?でも、どうやって?)と考えていると目の前の玄関扉が開きルカが入ってきて『そうそう、さっき言い忘れていたけどこれだけは絶対に守ってね!【外では人型になってはダメよ!勿論、他猫の前では特によ!】絶対よ!絶対守ってね!?』とルカは一方的に注意事項だけ伝えると『じゃあ』と言って慌ただしく玄関扉から出ていった。
リナは一瞬だけ呆然としたあと(ダメも何もそもそも人型になる変身の方法を聞いて無いんだけど…)と思いながら『やっぱり姉妹ねぇ。心配性な所がそっくり。』とリナはルナに似た姉猫のルカに少しだけ不安が紛れた。
(悩んでても解決はしないし、それに前から猫になってみたいと思ってたのよねぇ…まぁ、こんな状況で叶うとは思わなかったけど)とリナは苦笑いをした。
〘ぐぅ~…〙とリナのお腹から催促の音が鳴り
(どんな状況でもお腹は空くのね)とリナはキッチンに行き何か食べれそうな物を探した。
冷蔵庫には確かお水と牛乳パックはあったけど
〘リナが食べれそうな物〙は入っていなかった。
戸棚の中には猫缶が山の様に積んであった。リナは一瞬その猫缶に手が伸びかけて止めた。(幾ら猫になってしまったからって、私は人間だし流石にコレは食べない)リナは自身の猫の手が猫缶に伸びるのを理性で止めるのに格闘していた。と、そこへ…

ピンポーン♪
とインターホンがなったので、リナが玄関口に出ると
『ルカさんからのご注文の品を持ってきました~』と言ってレジ袋を渡され『ありがとうございました~』と言って帰ろうとする配達猫にリナは
『えっ?お金…』と言うと配達猫に
『お金?あぁ~、お代は貰ってるよ』と言って
にゃんスティックを1本見せた。
『では、また。ご贔屓に~』と言って配達猫は帰って行った。リナは受け取ったレジ袋の中身を見ると、有名な町のお弁当屋さんのロゴが入っていた。
(えっ?これって元の世界にあるお弁当屋さんと同じ名前。えっ?どーゆー事?この世界にもあるって事?それにしてもいい匂い)ぐるキュルキュル…と盛大な音でリナの胃袋が『早く食べさせろ』と言わんばかりに鳴った。『これって食べて良いのかなぁ?温かいし、冷めると折角のお弁当も美味しくなくなっちゃうし…』リナは誰も居ない玄関に立ったまま言い訳をしながら半分だけ食べる事にした。リナはキッチンにあるテーブルの上にさっき受け取ったレジ袋からお弁当を取り出した。お弁当にはご飯の上には大きい焼鮭と下にはおかかが敷き詰められていた。あとは竹輪天や鶏の唐揚げ、ポテサラにお漬物等…が入っていた。それを丁寧に半分にして戸棚から出したお皿に載せた。
『では、いただきます』と椅子に座りリナが両前脚を合わせ食べようとした、次の瞬間にリナの身体は猫獣人から【猫耳が生えた人間】の姿になった。
リナは急に合わせた前脚が元の見慣れた自分の手に変わったのでびっくりしたが、空腹に耐えきれなくて目の前にあるお弁当を食べた。
『ごちそうさま』とまた両手を合わせると、さっきまでちょっとの間だったけど【元の人間の手】だったのにまた猫獣人似元の姿に戻ってしまった。
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