平凡雑音日記。

赤屋カル

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太ったよ。

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 最近腹が出てきて,体重も増えた。
多分秋のせいだろう。

食欲の秋と言われる肌を透き通る風が増えてきた。

私の身体も,たまに水玉模様を浮かべ,この季節を堪能しているらしい。

お腹のぽっこりさと肉つきは,多分,この後来る寒さを凌ぐための盾のようなもので

去年と同じような体験はしたくないと
身体がエネルギーを蓄えてるに違いない。

そう考えると,「別にいっか」と,
今の体型も体重も受け入れられてしまう。

多分それは私の甘っちょろい考えの一部が起こしている思考だろう。

もちろん,「あー,痩せなきゃ」って思う時はあるけど

口いっぱいに広がるほろ苦いコーヒー味のチョコは

私の気持ちを和らげる

それに

真っ白くてかった豚まんも

ほんのり焼けたお肉も

湯気が立って,黄色の財宝が輝きを増す
秋の食べ物も

私の穴をスッと埋めてくれる

もちろん,長くは続かないけど,

「美味しかった」と言う味と,

その味が体に染み付くなら

別にいっか,って受け流しちゃう時も必要だろう。

この淡い青と,うっすらプールの後の唇のような色,そして心温まるオレンジ色が,この世界を包んでいる時

私は少し幸せになる。


私は少し寂しくなる。

私は少し穏やかになる。

私は少し,大人になって,

「まぁ、いいか、。」と些細やなことを受け流してしまうのだ。

ああ,この後何食べよう。

半分かじったチョコを片手に私はゆっくりと歩いていく。

冷たくなり始めたアスファルトは
また一つ,新たな季節に移り変わっていくことを物語る。
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