平凡雑音日記。

赤屋カル

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壊れた人形

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 人は愚かで泣き虫でそして脆い。

 私はどうらやら心がないらしい。

暖かな心を知らず,ぽっかりと空いた,
ピースの揃わないパズルをずっと持っていた。

そのピースを何度も何度もはめ込んで,
無くしてもまたはめ込んでくれる。

母親の愛をぼくはあまり知らない。


母親が怖いとさえ思う。


私にそんな愛をくれる人に,
私に心の底から泣けるのだ。


涙が止まらないのは失敗の悔しさ。

涙が止まらないのはその人の力になれないから。

自分が情けなく,脆いから。


ときにふっと雪のように消えてしまいたいと思うのは

私がまだ大人で子供で

そして他人を思う気持ちがまだ薄いから。


私が心が脆いから

私は自分が傷つかない方法を無意識に探して


前に進めない。


本当は周りは見てないのに


私は勝手に電車のホームで耳を塞ぎ

下を向き,

しゃがんで


光のような速さで消えていく人々のなかで

ぽつりと座って泣いてしまう。


そんな自分が今心の中にいるのだ。


きっと私は強くなる。


私が彼から離れない限り


彼が私から離れない限り


私の物語は終わらない。
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