魔術探偵

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1章 魔術探偵誕生

7話

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富士谷家を後にした俺は、誰に聞き込みを行くか迷っていた。

一旦、事務所に帰えって情報の整理から始めよう。
とことこと帰っている時にコートのポケットにあるスマートフォンが鳴った。
誰だ、と思い、スマートフォンを手に取った。そこにはかつて共に俺と一緒に探偵をやっていた『高峰  孝太郎』の名前があった。

孝太郎とは、別に喧嘩をして別々になったわけではなく、ただ孝太郎が新しい職業に就いただけだったため、こうして孝太郎がやめた後でも、何度か連絡を取ることがよくあった。俺は今でもあいつのことは、良き同僚だと思っている。
彼も、探偵をやめたことが俺を裏切ってると思っているようで、それを気遣って連絡を取るらしいが、正直な所孝太郎がいてもいなくても、元々依頼が来ないから仕事量は変わらない。

「もしもし。どうした?孝太郎。」

『いきなりそれかよ!まあいいや、最近、『暇だから』って言ってよく掛けたのにそれがないから心配になってな』

孝太郎のいつもの少し鼻につく笑い声が聞こえた。
孝太郎は今、プロゲーマーとして活躍をしている。そのため大会とかではない限り電話に出てくれたため、俺の暇潰しによく電話を掛けていた。

「ああ、依頼があったからな」

『なにぃぃぃ!!お前のところに依頼が来たのか!!』

「おい、一応言っておくがお前もその事務所で働いていたんだぞ。」

電話をしてすぐに俺は、孝太郎にツッコミをいれてしまった。

『てか、まだ探偵を続けていたんだな。』

「しょうがないだろ。まだかおりはまだ目を覚ましてないんだ。事務所を放ったらかす訳には行かないだろ。」

『 そうなんだ。まだ覚ましていなかったのか・・・』

薫・・・立原  薫たちきはら  かおりは孝太郎と同じく俺の事務所のメンバーだが、とある依頼の途中事故に遭い現在も入院中である。
別に事件に巻き込まれたわけではなくただ薫の信号無視だったらしい。
そのため、彼女が目覚めた後彼女の居場所がないのは可愛そうだろうと思い俺は辞めない大きな理由でもあった。

「切っていいか?今こっちも忙しいんだ。」

『そうか。あ、あれだネットで調べたいことがあったこっちでやるぞ。お前の機械音痴はどうしようもないからな』

「違う!俺が使う物が簡単に壊れるのが悪い。」

『同じもんを使っていたのに壊れたのですが・・・』

「こ、根性が足りなかったんだ」

『機械に根性も糞もあるか!!』


実際、今も、スマートフォンは電話と写真を撮る事しかできず、俺が比較的新しいめの機械を触ると修理不可能な壊れかたをする。
そのため、孝太郎が居たときは事務的なことは、すべて任せていた。
孝太郎がいない今は、孝太郎がやめる前に、色々と教えてもらったが、結局壊れるため、今は全て手書きで行っている。

「そうだ。最近、魔方陣的な物が流行ってか?」

俺はつい、あの魔方陣のことについて言ってしまった。
でも、あの魔方陣が流行りのものだったら、俺よりは流行りに詳しいはず、なにか知ってるかも知れない。

『いや。そんなのはないと思う。てか、何でそんなことを聞くんだ。』

そりゃそうか。

「まあ、依頼だ」

『どんな依頼だよ。いや、待てよ。そういえば、俺のチームにオカルトが好きだったやつがいたな。そいつに聞いてみるか?』

「本当か」

『うん?あ、そいつから連絡きたよ。全然聞いてくれるってよ』

相変わらず仕事が早い。俺は断りきれず、生返事で答えてしまった。




今だから言えるが、ここの、一本の電話から、俺の後の人生、大きく変わっていたと思うと、人生ってもんは、不思議なものだな。
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