壁があるこの世界で……。

怠惰な雪

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学園編

翌日

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「本当に一晩、質問されるとはなぁ。」

 俺は、散々ケイトに質問された翌日、あの通り抜けてきたトンネルを探していた。

「と、見つけたぞ。ここだ。」

 そのトンネルはグレンチェ学院のすぐ近くにあった。

 来る時は気が付かなかったが、トンネルは少し下に埋まるように掘られていて、まるで木や背の高い草で覆うように隠されていた。

 見つからないように工夫されてんなぁ。

「あ、ローゼン見つけた?」

 俺はトンネルの中を覗く。何処までも暗闇が広がっている。

「あの、これ。」

 そう言って、ケイトは一つのランタンを差し出した。

「貸します。」

 俺はそれを受け取る。

「貸しますか、じゃあ返しに来ないとね。そうだな、明日も用事ないからまたこっちに来てもいい?もう、道は覚えたから迷わないし。」

 ケイトは笑顔になって、

「じゃあランタンは一つだけ持ってきてくださいね。」

 と言った。

 俺は手を振るケイトに後ろにトンネルの中を歩いていった。
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