SEVEN TRIGGER

匿名BB

文字の大きさ
93 / 361
揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》

揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》45

しおりを挟む
「やっと終わり?別にこっちは時間稼げるから文句言わないけど、茶番は他でやってくれないかしら……」
 黒髪女ではなく、隣でずっと黙っていた薄い水色ベビーブルーの髪の少女が見た目通りの幼女声でそう告げて……って、うわぁ……魔女娘か……
「……なんだその顔?」
 おそらく顔に出ていたのだろう。
 というのも、俺の嫌いな物ランキング上位に組み込まれているだ、その……魔女服を着た奴ってのが……、
 魔女娘が首を傾げて指摘してきたことに対し、俺はへの字に曲がっていった口をゆっくり開いた。
「その服装をしている奴って、ロクな奴がいないから嫌いなんだよ俺……」
 と正直に教えると、魔女娘はプルプルとセイナが起こった時のように拳を握りしめ、ムキー!と効果音でも付きそうな程に腕を上下させて激昂した。
「なんですって!?このッ……バカにして……!」
 どうやら向こうにもロアと同じくらい精神年齢が低い子がいるらしい……いや、見た目も中学生くらいだから歳相応と言うべきか……
「フォルテ……」
 魔女娘が地団駄を踏んでいる隙に、だいぶ調子を取り戻した様子のロアが小声で耳打ちしてきた。
「いま電車の制御と運転手を奴らに奪われている。あと五分で倒さないと次の大きなカーブでこの電車は横転する、あっちの魔女は氷魔術を使い、黒いドレスの女の能力は分からない……」
「あぁ、そっちの対策はもう済んでいるから大丈夫だ」
「えっ?」
 多分一番懸念していた部分だったのだろう。あっさりそう返されたロアは目をパチパチと瞬かせる。
 まぁ……それが普通の反応だよな。ぶっちゃけ正直俺も自信はない。なんせ対策と言っても、仮説を頼りにぶっつけ本番でやっていることだからな。上手くいく保障は何処にも無い。
 もしこの仮説が間違っていたら俺達は多分ここで死ぬだろう。だけど、今はそれに頼らざる得ない状況だ。それに、何よりその仮説を立ててくれた仲間のことを俺は信頼している。きっと上手くいくはずだ!
「とにかくロアは、いつも通り、に戦え。分かったか?」
 俺の言葉にロアは小さくコクリ……と頷いた。
「頭来たわッ!お前たちはこの大魔術師アルシェ様が殺してあげる!」
 アルシェが杖をくるりと回しながら半身の姿勢で構える。
「アイススピア!」
 杖の先に人魂ひとだまのような青白い光が灯り、その周りに無数のツララが空中に形成される。
「(ショットガンの)弾は!?」
「スラッグ5のみ!」
「任せろ!」
 短くロアのショットガンに装填されている弾薬を確認した俺が素早く一歩前に出た。
 12ゲージ弾だったら任せていたが、一発スラッグ弾では分が悪い……俺は村正改を右手で抜き、アルシェと同じよう左足を軽く前に出して半身に構える。
 悪魔の紅い瞳レッドデーモンアイは始めから全開の10倍、バキバキと全身の筋肉が音を立て、体中に力がみなぎってくるのを感じる。
「くらえ!」
 アルシェが杖を振り下ろし、射出された氷のツララがつり革や座席を貫きながら俺達に襲い掛かる。
 銃弾程の速度は無いが、威力はそれに匹敵する代物らしい────なら!
 俺は逆手に持った村正改を中段の位置に構えた。
 そのまま両足以外は脱力し、ツララを限界まで引き付ける。
 俺の後ろに隠れたロアが俺の様子を見て、思わず生唾を飲み込む音が聞こえてきたが、それ以外は何も発することは無かった。
 不安な気持ちがある中、それでも信頼してくれているロアの姿。それだけで今の俺には何倍もの力を授けてくれる。
 車両内のものをレンコンのように穴だらけにしながら、ツララが俺達のすぐ手前まで接近していた。
「はぁッ!!」
 俺は出していた左足をさらに前に突き出した勢いを、両足、両膝、両太腿、腰、上半身、両腕と下から上へ身体をねじり込むことで、右手に持った村正改に全エネルギーを集中させる。
 さらに今は身体能力を10倍まで高めてある。通常ではありえない力を溜め込んだその一撃が小さな小太刀一本に宿る。
 五ノ型の居合技「皐月」の派生技。
 ────月影一刀流、七ノ型……
文月ふみづき!」
 電車の照明に照らされ、ギラギラと光り輝いていた刀身が空中に扇形の一閃を走らせる。
 なにも斬ることなく、ただ横なぎに振り払われただけの一撃……だが。

 ────ピタ……

 俺達に向かって飛んできていた無数の氷のツララが突然動きを止めた。
「ッ!?」
 アルシェが驚く前で止まっていた氷のツララが電車の地面に力なく落ちる。
 さらに────
「きゃッ!?」
「ッ……!?」
 電車内に散った座席やつり革、ツララの残骸を乗せた突風がアルシェ達に襲い掛かり、アルシェの紫のフリルスカートと黒髪女の黒いドレスが舞い上がった。
 一瞬だけそれぞれが履いていた可愛いらしい水玉の紐パンツと黒いシースルーランジェリーが露わになるが、すぐに二人はそれぞれのスカートの裾を真下に抑え込んだ。
 文月は簡単に言うと斬撃を飛ばす技。本来は数メートルくらいの距離なら首すら落とせる技……なのだが、俺の文月は正直使えているのか微妙なラインで、人の薄皮くらいなら切れるのだが……今は突風が前から吹き付けているせいで威力が減少し、アルシェ達に直接ダメージを与えることすらできなかった。
 その代わり、俺の文月は通常と違い風圧を起こすことができる(ただの力任せで振るっているため)ので、いつも文月を飛来してきた物に対しての防衛手段として使っている。
黙示録の瞳アポカリプスアイを……なんて卑猥な使い方なのかしらッ……!」
 アルシェがスカートの裾をギュッと握りしめたまま、何故か若干涙目でこちらを睨みつけ、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で何かを呟いていた。
 ────あれ、なんか知らないけど思ったよりもダメージが入っている?
 外傷は見当たらないアルシェが、何故か少し狼狽えた様子を見せたことに少し手ごたえを感じた俺の背後から、何故かロアの深いため息が聞こえてきた。
 何だよ?そのため息は?
 なんて考えている余裕を与えないように、ゴミを見るような目でさっきから俺を見ていた黒髪女が二発の銃弾を発砲してきた。
「……!」
 身体をその場でくるりと一回転させ、着ていた八咫烏ヤタガラスを翼のように大きく広げる。そのまま心臓付近に飛んできた9㎜弾を長いコートの裾の先に当てながら弾道を変え、人体への着弾を防ぐ。
 左後方の窓に弾が着弾し、バリンッ!と車内にガラスの破片を撒き散らす音を背に、俺も左腕でHK45を引き抜いて発砲。

 ────シュン!

 相変わらず弾は黒髪女に当たらず、後方にあるトンネルの暗闇……というより黒髪女が後方に展開している、黒い陽炎のようなオーラの中に吸い込まれていく。
 ────やっぱ当たらねーか……
「アイスシールド!」
 思った通り遠距離の攻撃が通用しないことを再度確認した俺が、接近戦に持ち込もうとした矢先にアルシェが電車の真ん中の通路を塞ぐように半透明な氷の盾を展開していた。
「させない!」
 アルシェが氷の盾を展開している間を狙って、ロアが俺の背後から飛び出てきて、持っていたショットガンを発砲しようとしたが────
 バンッ!バンッ!とロアと俺を妨害する形で、氷の盾から躍り出た黒髪女が再び二発の銃弾を発砲してきた。
「チッ」
 ロアの舌打ちと共に俺達は後方にバックステップしながら銃弾を回避する。
「クソ……!ただでさえ時間が無いってのに……!」
 攻めきれなかったことに焦るロアが渋い表情でそう吐き捨てた。
「落ち着け、必ず勝機は来る。あと、そうやって可愛い顔にしわ寄せていると、あとでロナが怒るぞ?」
「んなこと知るか!大体フォルテ、アンタも時間が無いって時に自分の欲望を優先させる奴があるか?」
「はぁ?欲望?」
 よく分からんことを言ってきたロアの方に俺が顔を向ける。
 ────な、なんだよ……そのジト目は……?
「確かにアンタは男だからそういうことが気になるのは分かるけどよ……せめてその……時と場所くらい考えてくれ……」
「だから何の話だよ!」
 いつも物をストレートで言うコイツにしては珍しく、やけに遠回しな言い方に思わず口調が強くなる。
 ロアは何故かそれに対し、少しだけ頬を赤くして俺から顔を背けた。
 そして何故か恥ずかしそうな様子でもじもじしながら、チラチラとこちらの様子を伺っていた。
 ────お前ホントにロアか?
 時折ロナが俺に見せる、何考えているのかよく分かんない時の反応をしているぞ?お前……
「いや、その……女性の……下着が気になるのは分かるけどよ……こんな時にそんな力技使ってまで見たいか普通……それに、左は年齢的にギリセーフでも、右の幼女の方が気になるのは流石に犯罪だぜ?」
「は、はぁ!?な、なな、何言ってんだよお前!?」
 ツララから守ってやった攻撃のことを、ロアはスカート捲りの技と勘違いされたらしい……
 確かにはたから見たら本来の綺麗な型と違って、俺のはただ力任せに振るっているだけ(実際そうなので何とも言えないが)のようにしか見えないので、必死に風を起こしているだけにしか見えないかもしれいが、それにしたって不本意すぎる……
「そんなに見たければ、私のあとで見せてやるから……そういうの今は我慢してくれ……」
「今でもあとでも見ねーよ!って、いま捲って確かめなくていいから!?」
 ロアが「そう言えば何履いてたっけ?」と言いながら、右肩の血が着いた白いショートパンツを引っ張って、下着を確認していたので俺がすかさず止めに入る。
 ロアを落ち着かせようとしていたはずが、気づいたら俺が取り乱してしまっていた。
 ────って、こらこら、お前らもそんな目で俺を見るんじゃねーよ。
 俺達のやり取りを見て、前にいた黒髪女はがゴミ以下、汚物でも見るような蔑んだ瞳で、そしてアルシェは何故かさっきと同じようにプルプルと拳を震わせ、こちらを(主に俺を)見ていた。
「……と、とにかく、を使える準備だけはしておけよ……?」
 銀のツインテールを縛っているリボンと同じ、アメジスト色のランジェリーから目を逸らした俺が、ロアにさりげなく耳打ちする。
「大丈夫、もう準備できてる」
 ロアはそれに対し、前の二人にバレないくらい小さな声で頷く。
 ────よし、これで連中を倒す準備は整った。
「さっきから黙って聞いていれば……魔女はろくでなしとか、幼女、幼女、って私のこと好き放題に言って……」
 半透明の氷のシールドの向こうで、アルシェがぐぬぬ……と歯を食いしばっていた。
「そんなに死に急ぎたいなら見せてあげるわ……私のような魔術師にしか扱うことのできないとっておき魔術────詠唱魔術えいしょうまじゅつで逝かせてあげる」
「な、なんだと?詠唱魔術だと!?」
 通常、魔術は術の難度や術者の経験、技術によって、無詠唱か短い言葉、または魔術の技命に自分の魔力を乗せることで発動する。詠唱魔術は簡単に言うとその上位版。長い言葉に魔力を大量に込めることで、現実離れした現象を起こすことのできる魔術の一種だ。言葉が長い分魔力を乗せるのが難しく、さらに全ての言葉の意味を全て正しく理解していないと発動することのできない高等魔術なため、その存在は知っていても、俺は見たことがほとんどないおとぎ話のような魔術だ。
 アルシェは氷の盾の前で杖を地面に付き、目を閉じる。
 そして、杖の先端に灯った青白い光に、詠唱に乗せた魔術を注ぎ込むようにして、静かに詠唱を始めた。
「四大元素の一つにしてラーグの生まれ変わり、イスよ」
 ────こんなに若い娘が本当に詠唱魔術扱うのか!?
「ロア!」
「あぁ!」
 詠唱魔術は発動まで時間が掛かる。
 その前に俺とロアが距離を詰めようとした瞬間────

 バン!バン!

 氷の盾から手だけを出して、黒髪女が俺達を牽制する。
 ────クソ、迂闊に近づけねぇ……!
 銃弾を避けながら応戦するが、黒髪女は絶妙なタイミングで氷の盾の裏に引っ込んだり、隙を見てさらに牽制加えてくる。
 そうしているうちにも、アルシェはまるで神様に祈りを捧げるかの如く、幼女声に乗せた詠唱を杖に捧げる。
ハガル舞う空の下、この大地に、不可能奇跡の花を咲かせて見せろ……」
 全ての詠唱を終え、青白い光が星の瞬きのようにパァッ……と光の奔流を見せる。
 見る見るうちに光を杖が、電車内や地下鉄全体を照らす光と化し、俺達の足元を身震いするような冷気が包み込んだ瞬間────アルシェはその魔術を唱えた。
咲き誇れブルーム奇跡の花アイスローズ!!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?

あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】全60話 完結しました。読者の皆様ありがとうございます! 世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。 「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。 ・神話級ドラゴン  ⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺) ・深淵の邪神  ⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決) ・次元の裂け目  ⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い) 「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」 本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……? 「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー! 【免責事項】 この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。

処理中です...