SEVEN TRIGGER

匿名BB

文字の大きさ
351 / 361
神々に魅入られし淑女《タイムレス ラヴ》

仲間と共に《Bet my soul》11

しおりを挟む
「────その言葉、ちょっと待ってもらうぜ」

 突撃命令を出すために振り下ろしかけた指先がピタリと止まる。
 頭上の位置から投げかけられた男の声。
 どこか聞き覚えのある懐かしい響き。
 ここにいる四人、そして周囲を取り巻く祝福者ブレッシングパーソンとも違うその声の方角へと皆の視線が集まる。

「あれは一体────」

 セイナが手で日傘を作りながら上空を見上げる。
 神々の争いセイナとオスカーによって大きく開けられた天窓から差し込む焼けるような暁の閃光。
 それを背にして五つの影が舞い降りてくる。

「おいおい、マジかよ……」

 予想がつかずに顔を顰める彩芽やオスカーとは別、ただ一人俺だけはその正体に気づいてしまった。
 いやこの場合、気づかない方がおかしい。
 なんせの見た目は、ここにいる連中と同じで良くも悪くも個性的だ。
 それに、あれと一年付き合ってきたこの俺が気付かない道理は無かった。
 影の一つが両手を広げるよう左右に振ると、落下の勢いを消す爆風が吹き荒れる。
 気を抜いたらどこかへ吹き飛ばされてしまいそうなほどの風圧。
 祝福者達の軍列の一部をなぎ倒すほどの風をクッションに、まるで爆撃機が着地したかのように俺達の間に舞い降りた五つの影。
 その内の三つは濃緑色のコートとフードを纏っていたが、残りの二つは素顔を晒していた。
 銀髪のツインテールと、鮮紅色の羽を指したマフラー。
 特徴的な少女達の姿に気づいたセイナがパッと表情に歓喜を表した。

「ロナ!アイリス!」

 通信機を破壊されて連絡出来なかった二人が同時に振り返る。

「いや~待たせちゃったねダーリン!セイナ!」

「色々と手こずった。だけど、どうにか間に合ったみたい」

 激しい戦闘を連想させる全身ボロボロの笑顔。
 それが今はとても眩しく、頼もしかった。

「────待たせたな、

 見慣れた濃緑コートを纏う男が呟く。
 セイナは誰?とまだ分かっていない様子で首を傾げているが、俺のことをそう呼称する人物は世界で六人しかいない。

「ようトリガー5、随分と遅い出社だな。それとも残業か?」

「いいや、休日出勤だバカヤロウ」

 全員がフードを乱暴に取り払う。
 ニヒルに口角を上げたその人物を見てセイナが目を丸くする。

「レクス・アンジェロ……さん!?てことはこの人達は────」

「あぁ、SEVENセブン TRIGGERトリガーの隊員、つまり俺の元部下達だ」

 懐かしくも頼りがいのある面々に口角が上がる。
 かつて最強と謡われた元部下達は、そんな俺の姿を見て各々が喜怒哀楽多種多様な表情を見せた。

「レクスに引っ張り出されてみれば何そのざまは?こっちは軍役やら国務やらで忙しいってのに……」

「んなこと言って、本当は居ても立っても居られず単身で突撃しようとしてたくせ────にゃにゃにゃにゃッ!!!!そんなつねられると痛いにゃリズリー!!!」

 相変わらず素直じゃないリズ・スカーレットトリガー4が、軽口でその本心をバラしたベルベット・トリガーアルヴィナ6の口を摘み上げる。
 敵地のど真ん中で諍いを始めた二人を見てやれやれとかぶりを振るロナトリガー3
 何とも懐かしい光景だが、そこにあるべき二人の姿が無いことだけが少し心寂しさを感じさせた。

「悪いなセイナ嬢、俺達はいつもこんな感じなんだ……」

 俺の言葉を代弁するようにぼやくレクス。
 アイリスの風撃で隊列を乱された祝福者ブレッシングパーソン達、並びにセイナ、オスカーはそれぞれ俺達の気が抜けるほどの余裕にただただ唖然としていた。

「クソッ!!ロナやアイリスがここにいるってことは奴らしくじったってことかッ!?」

 その光景に唯一食いしばった犬歯が折れそうになるほど激情を震わせる彩芽。
 魔術防壁に対して何かしらの策を講じているとは思っていたが、ロナ達はそんな障害をものともしなかったかのようにVサインを示した。

「それにどうして解体されたはずのセブントリガーがここにいる?」

「あーそれなんだがよ────」

 ニヒルな表情のまま肩を竦めたレクスの頭上、くれないとばりを引き裂くように戦闘機群が飛翔する。
 ソ連系のMiG-29とは違う、ごく見慣れたボーイング社アメリカ製と判る着色カラーリング機影シルエットに彩芽は眦を見開いた。

「F-15Eだと!?どうしてアメリカ軍の戦闘機が悠々と飛行している!?今この戦場は中国側の国々が跋扈ばっこしていたはずだ。一体何をした!?」

 次々と訪れる変化に彩芽は激昂を露わにする。
 今となっては本当の意味で頼れる人物のいない彼女にとって、一番恐ろしいのは計画に無い事象が発生するということだ。
 もちろんそれはレクスや他の隊員達も理解しているのだろう。

「お、もう来たか。テイラー、始めちゃってくれ」

『承知した』

 たっぷり含みを持たせるよう無線越しにレクスがそう伝えると、F-15Eでかけるアレクシス・テイラー大佐が旋回を始める。
 そのまま上空で組んでいた編隊を散開させ、各々が爆撃を開始。
 激しい地鳴りを思わせる衝撃がボロボロとなった戦艦ヨトゥンヘイムに追い打ちをかける。
 ここまでならさっき中国軍達が攻撃していたのと何ら変わりないはずだが────その変化はすぐに訪れた。

「あれ、戦艦の速度が……」

「あぁ、落ちている」

 俺とセイナは顔を見合わせた。
 上部に映る空模様の速度がゆっくりとなっている。
 あれだけ爆撃されても何ともなかった戦艦が急に失速し始めた証拠だった。

「そんなバカな!?動力源は生きているというのに────まさか貴様達……っ!?」

「お前の思っている通りだ彩芽」

 レクスが俺とセイナにインカムを放り渡す。
 耳に付けてみるとそこには各国が共同戦線を繰り広げている音声が聞こえてきた。

「今の攻撃でこの戦艦の動力源を繋ぐライン、計十七カ所を全て断った。アメリカうちお抱えのヨトゥンヘイムこいつの構造全てを解明してくれたおかげでな。それと日本で起きていたクーデターについても全て鎮圧が完了した。死人を一人も出さずにな。そしてお前が全てを仕組んでいたことも『紫水晶の豹アメジストランパード』と名乗る乗組員が、さっき自らの身柄とベトナムで行方不明となっていた俺の部下達と引き換えに全て情報を開示してくれてな。おかげで他国との連携もスムーズに済んだよ」

 その結果が無線から聞こえる共同戦線これということらしい。
 要約するとアメリカ、日本、イギリス側が事情を説明して中国、韓国、北朝鮮側に停戦協定を提言。承諾。
 ロシア側に関してはまだ被害が出ていないことから撃墜を条件に黙認するとのことらしい。
 それにしても紫水晶の豹アメジストランパードとは。
 いつだかに聞いた名前だが、まさかそれがだったとは……

「とはいえ細かな条件に関しては先程締結したばかりでな、俺達はその前に大統領によって秘密裏に招集された先遣隊だが、時期に正式な軍隊が多数押し寄せてくる。ま、大人しく投降すれば悪いようにはしない」

 俺は美人には優しいからな。
 緊張感なくそう締め括ったドヤ顔のレクスの後頭部をリズが引っぱたいた。

「この死にぞこないの屑共が……ッ!どいつもこいつも私の計画を邪魔して」

 自らが追い込まれた全容を知った彩芽が天に向かって叫ぶ。
 その見上げた上空すらも徐々に高度を落としていく。
 動力を失った戦艦が落下を始めたらしい。

「そうまでして私を阻むのかこの世界は!!この幼気いたいけな少女の意志ふくしゅうすら認めてくれないような世界なのか……ッ!」

「彩芽……」

 嗚咽交じりの嘆き声。
 痛ましい姿は敵ながら同情すら誘うほどの哀愁を漂わせている。

「────その件だが彩芽、

「なんだと?」

 レクスの言葉に彩芽が涙目とは思えないキロリとした殺気を飛ばす。
 彼女にとってその殺気動機を否定される行為は今一番聞きたくない言葉なのだろう。
 その覚悟が鈍ってしまうから。
 だからそれを耳にした途端に少女としての側面は霧散、内に秘められたロキの部分が表出した。

「この私の意志ふくしゅうに思い違いなどない!!私以外の全てが敵なんだ!家族を奪い、自由を奪い、私から何もかもを奪っていった敵。貴様達はそういう存在なんだ!!」

 もはや脅迫観念といって差し支えない慟哭。
 元より言葉で説得できるくらいなら全世界を敵になど回さないだろう。

「レクス無駄だ。彩芽の意志は他人がとやかく言ってどうこうなるものじゃない。力ずくでも止めるしかない」

「らしいな……まあそのために派遣された俺達だ。いつもと同じように使ってくれ」

 いつもと同じように……か。
 口角が弾む響きだ。
 セイナを含め、頼もしい仲間達が元隊長に向ける視線に応えるべく俺は大きく息を吸う。

「加藤彩芽を止めるために俺に力を貸してくれ、みんな」

 頷くと同時に全員がそれぞれの得物えものを構える。
 たったそれだけの行為だけで、この場の何百といった強者達を圧倒するほどのプレッシャーを放っていた。

「止めるだと?たかが二人が七人になったからといって、この人数を相手にできると本気で思っているのか?」

 涙目のまま嗤う少女は再び右手を天へと差し、それに合わせて祝福者ブレッシングパーソン達が構える。

「それにまだ私は敗けていない。ここで仇である貴様達を倒し、そのあとに魔科学弾頭さえ放てれば宿願は成就される。そうすれば私の勝ちだ」

 振り下ろした右手を合図に、ヨルムンガンドとの最後の戦いの火蓋が切られた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

「ただの経費削減ですが?」 銀河最弱の補給艦隊が、俺の「在庫管理」で最強になったようです

空木 架
SF
日本の企業で総務として働く星野明日虎(32歳)は、ある日突然、見知らぬ宇宙の帝国へと転移してしまう。彼が配属されたのは、整理整頓もままならない「銀河最弱」の補給艦隊だった! ひょんなことから戦艦の艦長に任命されてしまった明日虎だが、宇宙の戦い方など全く分からない。そこで彼が武器にしたのは、長年の社畜生活で培った「経費削減」と「在庫管理」のスキルだった。 「弾薬の無駄遣い禁止!」「エンジンはこまめに切れ!」――ただ徹底的なコストカットと業務効率化を推し進めただけなのに、それがなぜか「天才的な軍事戦略」として周囲に大勘違いされていく。 個性豊かな仲間たちと共に、最弱だった倉庫部門を最強の組織へと育て上げる、痛快・お仕事&成り上がりSFファンタジー! ※この作品は、「小説家になろう」「カクヨム」でも連載しています

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

時渡りの姫巫女

真麻一花
恋愛
リィナは村の祭りで、主役である「姫巫女」役に選ばれた。舞の相手は騎士として活躍しているヴォルフ。  あこがれの彼との舞を喜んでいたのもつかの間、リィナは本物の姫巫女へと祭り上げられ神殿に囚われる事となる。  嘆く彼女に救いの手を差し伸べたのは、出会ったばかりの騎士、ヴォルフだった。 (表紙絵は、りょおさんからいただきました)

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...