恋人の運命の人(笑)は、私の恩人

天歌

文字の大きさ
1 / 7

1.青天の霹靂

しおりを挟む


「僕は運命の人と出会ったんだ。だからエリス。僕と別れて欲しい」


まさに晴天の霹靂。
突然半年程付き合った恋人アルベルトから衝撃の告白をされてしまった。


「え…?運命の人ってどういう事!?待って?貴方は確か、私の恋人じゃなかった!?」

頭をフル回転しても、彼の言葉に理解が追いつかない。
正直にいうと、アルベルトの事を"運命の人!"と言う程情熱的なお付き合いではなかったかもしれないけれど、特に喧嘩もなく2人で穏やかに過ごしていたと思っていた。


「勿論、僕は君の恋人だった。ただ、運命の人では無かったみたいだ。でも大丈夫!悲観する事は無いさ!君と出逢えていなければ僕は運命の人と出逢う事が出来なかった。だから、僕と君との出逢いも必要な事だったんだよ」


…ん?更に訳が分からなくなってきたぞ…。
ただ、私がアルベルトの運命の人では無いと言う事は確かなようだ。そして私のお陰でその人に会うことができたと…。

「もしかして…浮気してたって事?」

「浮気だなんてそんな低俗なものじゃない!浮気だなんて失礼極まり無いじゃないか!」

そこは分かっているんだ。恋人に向かって運命の人ができた云々の方が失礼極まりないと思うけれど。

「運命の彼女に!!!」

いや、私にじゃないんかいっ!!

心の中で色々とつっこんでいると、ありがたい事に非常に冷静になってきた。


「彼女とは浮気とかそんな低俗なモノでは無い。彼女も僕の事を愛してくれて…そう。真実の愛なんだ」

「ナニソレ。ちなみに…その運命の方は誰なの??」

彼女も僕の事を愛してくれてってそれ一般的に言うと浮気ってやつなんだけど。
よくぞ聞いてくれました!と言わんばかりに目を輝かせるアルベルト。自分の気持ちがサーッと引いていくのがわかる。

「フルールさんだ」

「はあっ!!??フルールさんっ!?」

その名前を聞いて、思わず大きな声が出てしまう。
だってその人は…。

「そうだ。あんなに美人でお金持ちで凛としていて…もう何をとってもエリス、君は敵わない。だから、僕の事は諦めてくれ」

知っている、彼女はとても美人だし、芯があって、それでいて敏腕の経営者。
私なんて比べ物にならない。
元より張り合うつもりなんてサラサラ無いし、こんな頭のおかしいアルベルトに縋り付く程落ちぶれていない。


いやそれより、そんな事より!
なぜフルールさんがアルベルトの運命の人だなんて事になっているの??


フルールさんは、私の事を救ってくれた恩人なのに…!!








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

許して貰わなくても結構です

音爽(ネソウ)
恋愛
裏切った恋人、二度と会いたくないと彼女は思った。愛はいつしか憎悪になる。 そして懲りない男は今でも愛されていると思い込んでいて……

もう無理だ…婚約を解消して欲しい

山葵
恋愛
「アリアナ、すまない。私にはもう無理だ…。婚約を解消して欲しい」 突然のランセル様の呼び出しに、急いで訪ねてみれば、謝りの言葉からの婚約解消!?

短編 政略結婚して十年、夫と妹に裏切られたので離縁します

ヨルノソラ
恋愛
政略結婚して十年。夫との愛はなく、妹の訪問が増えるたびに胸がざわついていた。ある日、夫と妹の不倫を示す手紙を見つけたセレナは、静かに離縁を決意する。すべてを手放してでも、自分の人生を取り戻すために――これは、裏切りから始まる“再生”の物語。

6回目のさようなら

音爽(ネソウ)
恋愛
恋人ごっこのその先は……

完結 彼女の正体を知った時

音爽(ネソウ)
恋愛
久しぶりに会った友人同士、だが互いの恰好を見て彼女は……

どうぞお好きになさってください

みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。 婚約者の第一王子殿下は言った。 「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」 公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。 「好きになさればよろしいわ」

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる

椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。 その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。 ──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。 全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。 だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。 「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」 その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。 裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。

処理中です...