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4.驚きの提案
「はいっ!言われた通りカルロ様と私が愛し合っている証拠をかき集めて来たわ!これで離婚してくれるわよねっ!?」
そう言ってメリッサさんは目を輝かせている。
その姿に呆気に取られそうになったが、首を振り我を取り戻す。
「そうね、まずは確認させて頂いても良いですか?」
「勿論!いくらでも!まずはこれ!カルロ様が私に送ってくださった恋文よ!ほら!」
そう言って差し出されたメモは確かに夫の筆跡だが、何とも内容が素っ気無い。
これは本当に夫はメリッサさんを愛していたのだろうか…?
『3月9日〇〇カフェの前で待つ』
『3月12日3時に〇〇へ来るように』
『3月18日自宅へ来い。但し誰にも見られるな』
って…自宅にまで連れ込んでいたの!?
確かにこの日は使用人が休みを取っていた。
なるべく家の事もできる事は自分でしていたので、我が家には使用人は1人しかいない。
私が必死に仕事をしてる間に自宅に女を連れ込み楽しんでいたなんて怒りが増長された。
「なるほど、夫の筆跡ですね。他にもありますか?」
「はい!これはカルロ様が私の家に忘れたハンカチです!それとカルロ様がくださったネックレスです~!高そうでしょ!?さすがブティックフリージアのネックレス!」
そう言って見せられたネックレスは、まだ新婚だった頃カルロと二人でランチへ行った際ビンゴ大会をしていてその時に貰った参加賞のおもちゃのネックレスだ…。
どこから引っ張り出してきたのだろうか…。
そしてなんと言って渡したのだろうか…。
何よりもこんなおもちゃを我が店のものと偽る所が何よりも腹立たしい…。
「素敵ですね、しかしそのネックレスは、フリージアの物ではありませんわ」
ここは何としても否定しておきたい。
「えぇ!カルロ様はここのものだと言ってくれたのに!まぁ良いわ!もうこれで私がカルロ様に愛されている事が分かったでしょう!?」
呼び出しのメモに、ハンカチ、そしておもちゃのネックレス…。
これだけでは証拠としては不十分すぎる…。
「そうね…ごめんなさい、まだこれだけでは信じられないわ…」
「えー!!せっかく集めてきたのに!あ!そうだわ!カルロ様から3日後に私の家に行くって恋文を貰った所なの!ちょっとフルールさんには酷かもしれないけれど…私とカルロ様が愛し合っている所を見に来る!?そしたらさすがに諦めがつくでしょう!?」
これは…驚いた。
正直全く見たくないが、これで不定の証拠としては充分だ。
この馬鹿げた提案に乗る事にした。
「確かに、二人が愛し合う所を見せられたらさすがに諦めがつくわ」
「ふふ!じゃあ決まりね!あ、ここが私の自宅よ!3時にカルロ様が来る予定よ」
なんと!何も努力せず、不倫相手の住所を手に入れた!
「ありがとうございます。ではこっそりお伺いしますね。あ、夫にはサプライズにしたいから私が行く事は秘密にしておいてくださる?」
不定の証拠を手に入れる前に逃げられたら困る。
「サプライズ!?素敵ね!私もサプライズは好きよ!分かったわ!」
「それにしてもメリッサさんはお仕事をされているのですか?」
こんなにも頻繁なカルロの誘いに応じることができるなんて。
「何言ってるのよ!私はもうすぐこの店の女主人よ?仕事なんて辞めちゃったわ!フルールさんこそ今の内にお仕事探しておいた方が良いんじゃない!?」
仕事を辞めた!?
例え私とカルロが離婚しても、この店がカルロの物になるわけが無いし、ましてやこの店の女主人がメリッサさんになる事はあり得ない…。
夫を信じて仕事まで辞めた彼女に同情さえ湧いてくる。
「………ご忠告ありがとう。では、また3日後に」
私がそう言うと、メリッサさんは私に手を振りスキップして店を出て行った。
すると、またすぐに店の扉が開いた。
そこにいたのは…。
「エーリク様…」
気まずそうな表情をしたエーリク様だった。
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