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神様からの贈り物
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ヒトは生まれ変わるたびに神様のもとを訪れ、神様からの「贈り物」を与えられる。
その「贈り物」を持ってヒトは生まれ変わるのだが……
「贈り物はいりません。」
その魂は、神様の前ではっきりとそう答えた。
「……………………理由を聞いてもいいですか?」
「はい。実は私、これまで5回も生まれ変わっているんです。」
最初に神様から与えられた贈り物は「知性」だった。
当時、本や書物が好きだった「私」は様々な本や書物を読んであらゆる知識をつけましたが、周りの人たちは「私」を疎んじられ、「ガリ勉」「つまらない女」と称され、最期は王子の想い人を暗殺しようとしたとして冤罪を着せられ処刑されました。
2回目に貰ったのは「魔力」でした。
「 私」は魔法のある世界で魔法を極めてその力を人々の役に立てようと努力してきましたが、謀反を疑われ魔力を奪われたうえその国の王太子と王太子妃によって処刑されました。
3回目の贈り物は「魅了」でした。
「私」は異性を魅了し、同性からは嫌われてしまいそれに嫉妬した方たちの罠に嵌り「悪女」と罰されました。
4回目の贈り物は「治癒」でした。
「私」は医師として病気やけがをした人たちに尽くしてきましたが、「化け物」「魔女」と蔑まれ殺されました。
5回目の贈り物は神様、貴方の「加護」でした。
しかし、その世界を統べる精霊王から自分が寵愛する令嬢に危害を加える存在と認識され、憎まれるようになり、精霊王に殺されました。
疲れたんです。人から疎まれ、嫉妬されあげくに罪人に仕立て上げられ殺される。
神様、あなたは私たち魂に平等に贈り物を与えていますが、わたしにとってあなたの贈り物は不幸以外のなにものでもないんです。
わたしはもう贈り物はいりません。
知性も治癒力も魅了も魔力も加護もいりません。お願いです、わたしを消して下さい。
その魂の話を黙って聴いていた神様は絶句した。
自分は他の魂たちに平等に贈り物を与えていたつもりだった。 しかし、自分の授けた贈り物のせいで目の前の魂が不幸な人生を送り、消えてしまいたいと思うほど追いつめられていたことにショックを隠しきれない。
「・・・・・・・わかりました。」
ハァッと深く息を吐くと、神様はその魂に向かって手を伸ばした。
「……………ーーってば、聞いてる!?」
オーイと自分を呼ぶ友人の声に彼女はハッと我に返り、ここがかつて教会だった建物を改修した美術館で、自分は学校の校外学習でここに来ているのだと思い出した。
「もうっ、私何回も呼んでたのにボーッとして。」
「あっ……ゴメン。」
腰に手を当て呆れた表情の友人に、彼女は申し訳なさそうにヘニャリと眉を下げた。
ーー何か、とても長い夢を見ていたような気がしたんだけど……気のせいかな?
「……………どうかしたの?」
「あっ!!ううん。何でもないよ。」
早く行こうと友人に促されて立ち去ろうとした瞬間
ーー元気でね。
どこか懐かしい柔らかな声に後ろを振り返ると、そこには油絵で神様とその周りに集まる光の集団ー魂たちの様子を描いた宗教画が飾られていた。
その絵に一瞬見とれていた彼女だったが、友人の声に気付き踵を返し、その絵から離れたいった。
立ち去る彼女の後ろには、その背中を見守るように絵の中の神様は微笑んでいた。
その「贈り物」を持ってヒトは生まれ変わるのだが……
「贈り物はいりません。」
その魂は、神様の前ではっきりとそう答えた。
「……………………理由を聞いてもいいですか?」
「はい。実は私、これまで5回も生まれ変わっているんです。」
最初に神様から与えられた贈り物は「知性」だった。
当時、本や書物が好きだった「私」は様々な本や書物を読んであらゆる知識をつけましたが、周りの人たちは「私」を疎んじられ、「ガリ勉」「つまらない女」と称され、最期は王子の想い人を暗殺しようとしたとして冤罪を着せられ処刑されました。
2回目に貰ったのは「魔力」でした。
「 私」は魔法のある世界で魔法を極めてその力を人々の役に立てようと努力してきましたが、謀反を疑われ魔力を奪われたうえその国の王太子と王太子妃によって処刑されました。
3回目の贈り物は「魅了」でした。
「私」は異性を魅了し、同性からは嫌われてしまいそれに嫉妬した方たちの罠に嵌り「悪女」と罰されました。
4回目の贈り物は「治癒」でした。
「私」は医師として病気やけがをした人たちに尽くしてきましたが、「化け物」「魔女」と蔑まれ殺されました。
5回目の贈り物は神様、貴方の「加護」でした。
しかし、その世界を統べる精霊王から自分が寵愛する令嬢に危害を加える存在と認識され、憎まれるようになり、精霊王に殺されました。
疲れたんです。人から疎まれ、嫉妬されあげくに罪人に仕立て上げられ殺される。
神様、あなたは私たち魂に平等に贈り物を与えていますが、わたしにとってあなたの贈り物は不幸以外のなにものでもないんです。
わたしはもう贈り物はいりません。
知性も治癒力も魅了も魔力も加護もいりません。お願いです、わたしを消して下さい。
その魂の話を黙って聴いていた神様は絶句した。
自分は他の魂たちに平等に贈り物を与えていたつもりだった。 しかし、自分の授けた贈り物のせいで目の前の魂が不幸な人生を送り、消えてしまいたいと思うほど追いつめられていたことにショックを隠しきれない。
「・・・・・・・わかりました。」
ハァッと深く息を吐くと、神様はその魂に向かって手を伸ばした。
「……………ーーってば、聞いてる!?」
オーイと自分を呼ぶ友人の声に彼女はハッと我に返り、ここがかつて教会だった建物を改修した美術館で、自分は学校の校外学習でここに来ているのだと思い出した。
「もうっ、私何回も呼んでたのにボーッとして。」
「あっ……ゴメン。」
腰に手を当て呆れた表情の友人に、彼女は申し訳なさそうにヘニャリと眉を下げた。
ーー何か、とても長い夢を見ていたような気がしたんだけど……気のせいかな?
「……………どうかしたの?」
「あっ!!ううん。何でもないよ。」
早く行こうと友人に促されて立ち去ろうとした瞬間
ーー元気でね。
どこか懐かしい柔らかな声に後ろを振り返ると、そこには油絵で神様とその周りに集まる光の集団ー魂たちの様子を描いた宗教画が飾られていた。
その絵に一瞬見とれていた彼女だったが、友人の声に気付き踵を返し、その絵から離れたいった。
立ち去る彼女の後ろには、その背中を見守るように絵の中の神様は微笑んでいた。
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