1 / 1
完結
しおりを挟む友人と買い物に出かけようとしたときだった。
----ドンッ。
壁ドンされました。他でもない、私の夫・日埜誠に。
「まっ……誠さん。」
「…………」
アラッ、誠さんの顔色が青いわ。どうしたのかしら……?
「あなた……誠さん。どうしたの?」
「こ………」
「こ……?」
「腰が痛い…………」
「ええっ!?」
「こんにちは~~ってなにやってんの!?
おばあちゃんとおじいちゃん!! 」
ちょうどタイミング良く、孫娘の真純ちゃんがわが家にやって来た。
「真純ちゃん、大変なの。おじいちゃん腰痛めたみたい。」
「ええっ!?」
「なお~ん。」
「あら、トラ。」
ウチで飼っている猫のトラがおじいさんの足元に来ると、ジッとおじいさんを見つめてしっぽとおしりをフリフリとふりはじめると、勢いよくジャンプしておじいさんの腰の上にのった。
「ぎゃああ~~~~!!!!」
「「おじ~~さ~ん(ちゃ~ん)!!!!」
「で、何でこんな事になったの?」
腰痛バンドを巻いて布団に横たわったおじいさんを挟んで真純ちゃんにことの経緯を話し始めた。
「実は今日、お友達とお買い物に行く予定だったのよ。」
「あっ、そうなんだ。」
「でもその相手を教えたらおじいさんに壁ドンされちゃって。」
いきなりのことに最初は驚いてしまったけど、おじいさんのあまりの必死なその表情に一瞬だけドキッとしてしまったわ。
「おばあちゃん、誰と買い物行くつもりだったの?」
「三丁目の歳三さんよ。」
「……それはおばあちゃんが悪いわ。」
「そうだろう。真純もそう思うよな。」
「あら、何で?」
「だって、あの人しょっちゅう他の女の人と一緒にデートしてるんだよ。」
「香純………ばあさんをあのエロじじいの毒牙にかかるわけにはいかない。」
「じじいって……おじいちゃんとそんなトシ変わらないでしょう。」
「ぐぬぅ~~………」
「でも、おじいちゃん本当にやるとはねぇ……」
「?どういう事なの?」
「あ~、ゴメンおばあちゃん。おじいちゃんに壁ドンの話したの私なの。」
「あら、そうなの。」
「うん。今こんなの流行っているからおばあちゃんにやってみたらほれ直すよ~って冗談で言ったんだけど……まさか本当に実行してぎっくり腰になるとはねぇ……」
「………格好つけるんじゃなかったわ。」
そう呟くとおじいさんは力無く項垂れた。
「……おじいさん。」
「……なんじゃ?」
そっとおじいさんの右手を握りしめた。
「私を心配してくださったんですよね。ありがとうおじいさん。」
「………ふん。」
おじいさんはフィッと顔を背けてしまったけど、一瞬見えたその顔は少し赤くなっていた。
その後、息子夫婦と純(真純ちゃんの弟)にもこの話をしたら
「「「それは母さん/お義母さん/おばあちゃんが悪い。」」」
と言われてしまった。何でかしら?
おわり
----------------------------------
日埜家
元体育教師の夫・誠(76歳)と元看護師の妻・香純(73歳)と飼い猫トラの2人と1匹暮らし
たまに近所に住む息子夫婦と孫の真純(高1)と純(小5)が遊びに来る。
三丁目の歳三さん
日埜夫婦の近所に住む老人
無類の女好き(特に20代から同年代)
最近はおばあさんに粉をかけようとしているため、おばあさん以外の日埜家のみんなから警戒されている。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ホストな彼と別れようとしたお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレ男子に捕まるお話です。
あるいは最終的にお互いに溺れていくお話です。
御都合主義のハッピーエンドのSSです。
小説家になろう様でも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる