夫に壁ドンされました 

keima

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完結

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友人と買い物に出かけようとしたときだった。 

----ドンッ。 

壁ドンされました。他でもない、私の夫・日埜ひのまことに。 

「まっ……誠さん。」

「…………」

アラッ、誠さんの顔色が青いわ。どうしたのかしら……? 


「あなた……誠さん。どうしたの?」

「こ………」

「こ……?」

「腰が痛い…………」

「ええっ!?」

「こんにちは~~ってなにやってんの!?

















おばあちゃんとおじいちゃん!! 」

ちょうどタイミング良く、孫娘の真純ますみちゃんがわが家にやって来た。 

「真純ちゃん、大変なの。おじいちゃん腰痛めたみたい。」

「ええっ!?」

「なお~ん。」

「あら、トラ。」

ウチで飼っている猫のトラがおじいさんの足元に来ると、ジッとおじいさんを見つめてしっぽとおしりをフリフリとふりはじめると、勢いよくジャンプしておじいさんの腰の上にのった。

「ぎゃああ~~~~!!!!」

「「おじ~~さ~ん(ちゃ~ん)!!!!」










「で、何でこんな事になったの?」

腰痛バンドを巻いて布団に横たわったおじいさんを挟んで真純ちゃんにことの経緯を話し始めた。 

「実は今日、お友達とお買い物に行く予定だったのよ。」

「あっ、そうなんだ。」

「でもその相手を教えたらおじいさんに壁ドンされちゃって。」

いきなりのことに最初は驚いてしまったけど、おじいさんのあまりの必死なその表情に一瞬だけドキッとしてしまったわ。

「おばあちゃん、誰と買い物行くつもりだったの?」

「三丁目の歳三さんよ。」

「……それはおばあちゃんが悪いわ。」

「そうだろう。真純もそう思うよな。」

「あら、何で?」

「だって、あの人しょっちゅう他の女の人と一緒にデートしてるんだよ。」


香純かすみ………ばあさんをあのエロじじいの毒牙にかかるわけにはいかない。」

「じじいって……おじいちゃんとそんなトシ変わらないでしょう。」

「ぐぬぅ~~………」

「でも、おじいちゃん本当にやるとはねぇ……」

「?どういう事なの?」

「あ~、ゴメンおばあちゃん。おじいちゃんに壁ドンの話したの私なの。」

「あら、そうなの。」

「うん。今こんなの流行っているからおばあちゃんにやってみたらほれ直すよ~って冗談で言ったんだけど……まさか本当に実行してぎっくり腰になるとはねぇ……」

「………格好つけるんじゃなかったわ。」

そう呟くとおじいさんは力無く項垂れた。 

「……おじいさん。」

「……なんじゃ?」

そっとおじいさんの右手を握りしめた。

「私を心配してくださったんですよね。ありがとうおじいさん。」

「………ふん。」

おじいさんはフィッと顔を背けてしまったけど、一瞬見えたその顔は少し赤くなっていた。


その後、息子夫婦とじゅん(真純ちゃんの弟)にもこの話をしたら

「「「それは母さん/お義母さん/おばあちゃんが悪い。」」」

と言われてしまった。何でかしら? 

おわり 

----------------------------------

 日埜家

元体育教師の夫・誠(76歳)と元看護師の妻・香純(73歳)と飼い猫トラの2人と1匹暮らし 
たまに近所に住む息子夫婦と孫の真純(高1)と純(小5)が遊びに来る。

三丁目の歳三さん

日埜夫婦の近所に住む老人
無類の女好き(特に20代から同年代)
最近はおばあさんに粉をかけようとしているため、おばあさん以外の日埜家のみんなから警戒されている。
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