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酷い顔……そう思ったけれど私は沈黙のまま、冷ややかにエリスを見ていた。 手に握りしめた髪は不ぞろいな長さ、多くは切れなかったけれど、肩より短く切らなければ綺麗にそろえる事ができないでしょう。
女性は髪が長いのが当たり前、髪が短ければ何か問題があると世間は勝手に想像する。 私がかぶっているようなウィッグが普通に取引されているのだけど、注目を集めているエリスが姉に髪を切られたなんて、新聞がネタにしない訳がない。 よほど大金を支払わない限り……。
私は無意識に笑い。
エリスは悪鬼のような顔をして叫ぶ。
私達を中心に人は距離を置き、悲鳴、怒声、色んな声が混ざりあい、そして店の中からユーリが出てきて叫ぶエリスを抱きしめて私に怒鳴りつけた。
「どうしてこんな事をするんだ!! エリスはずっとお前を必要として、探していたのに!!」
「そう、探していたの……」
呟くように言い、私はハサミに引っかかった髪を解いた。
周囲の人間は怯えたもの、好奇心に目を輝かすもの、色んな感情が渦巻いている。
「セレナ、危ないから手をはなしてください」
私を抱きすくめたクレイは私の手からハサミをユックリとした動作で奪ったのだけど、私はクレイを振り返る事をせず……その腕の中のぬくもりに身を任せ……安堵していた。
いつの間にか、こんなに……クレイを信用するようになっていたのか……。 そう思えば、嬉しかったのだ。 私は腕の中で笑みを浮かべユーリの問いかけに応えた。
「ケリをつけなければいけないな。 そう思いましたの。 こうやって、髪でも切って私達を区別すれば、エリスのやった事を私がやった等と言われる事は無いでしょう? どうしても、私が悪い、私の責任だ、私がやったと言うなら……悪い方法ではないはずですわ」
「なら、お前の髪を切ればいい!!」
「だって……私が髪を切っても、エリスが髪を切って真似たらおしまいではありませんか。 お姉さまが女の命とも言える髪をお切りになるなんて!! きっと私がお姉さまを怒らせてしまったのですわ。 世間からの冷たい視線をお姉さま一人受けられるなんて不憫な、 私も……髪を切ってお姉さまをお救いしなければって」
何時もよりワントーン高めの声で、かわい子ぶった舌足らずな感じで私は言いながら肩を竦めて見せた。
「そんな事、する訳無いでしょ!! 」
「するのよ……だって、新聞に書かれていた悪行の数々は全部、私ではなくてエリスですもの。 本当、馬鹿にしてくれたわね。 私が何も言わないと思っていましたの? それとも本当に言い逃れができるとでも?」
私は、背後に控えていたメリーを呼べば、メリーは無言のまま私に一冊の手帳を手渡し、私はソレを受け取りひらひらと見せつけた。
「コレ、入れ替わりの間の業務日誌。 エリス、貴方が記憶にないだろう他人との関わりですわ。 好奇心旺盛な記者に貸し出せば、きっと、すぐにでも私の潔白が証明されるはずよ。 従業員に暴力をふるっていたのは誰か? 学園で恐喝をしていたのは誰か? 愛人を作っていた……いえ、貴方には婚約者はいないから恋人かしら? 恋人に貢ぐため、私の部屋にある金目の物を盗んでいた。 他にも色々盗んでいたかもしれないわね。 画家の彼だけど……家に火を放つ前に、大切なものを他に移しているかも……となれば、ねぇ? わかるでしょう??」
「ぁあああ、ユーリ、ユーリ!! あれを奪い取って!! 嘘を書き連ねたものでも……私達の幸福をねたむものの手に入れば、大変な事になるわ!! 私達の未来を台無しに、ぁ……」
周囲から向けられている視線に気づいたのですね……。
「お、お姉さま……」
「私達、生まれる前からずっと一緒でしたわよね。 私を最も理解しているのは、貴方……だと信じておりますわ」
優雅さを意識し微笑めば、エリスは息を飲んだ。
「クレイ……目的は果たしました。 帰りましょう」
「これで、良いんですか?」
「えぇ、此方に切り札があると分かった。 それだけで十分でしょう」
「甘いのではありませんか?」
「甘い……でしょうか?」
「ですが、そんな甘さも好きですよ」
「お姉さま!!」
エリスの叫びと共に、嘆くエリスを抱きしめていたユーリは一度エリスを強く抱きしめ、そしてコチラに向かってユックリと歩み寄ってきた。
「それを渡してもらおうか?」
あ~~。
私は考え込む……何しろ運動は余り得意ではありませんので……。 その点、ユーリは少々ヤンチャが過ぎると言うか、騎士に憧れて無駄に騎士道を学園で選択していた。
チラリとエリスを見れば、ニヤリと目が笑っている。
「お姉さま……もう、後が無いと向きになる気持ちは理解できなくもありません。 ですが……余りにも身勝手が過ぎれば、此方も許すわけにはいきませんのよ」
「……そうね……クレイ、良い弁護士をご紹介いただけるかしら? ここから帰ったらですけど」
「嫌な言い方は止めて下さい」
「あと……」
「なんでしょうか? 非常に嫌な予感がするんですが……」
苦々しく抱きしめる私をクレイは見下ろす。
「私の事、愛しているって、本当?」
「本当ですが、こんなところではなくもっと良いところで語り合いたいですねぇ~」
「愛を証明してくれます?」
ニッコリ笑えば、クレイは軽く呻き軽い溜息と共に、
「お姫様の願いを叶えましょう」
「では、この手帳を守って」
私はニッコリ笑い言った後、軽く私を拘束する腕の中で、背伸びをしクレイの頬に口づけた。
「私って……単純ですよね……」
とほほとばかりにクレイは手帳を持ちながら、歩み寄るユーリから距離をとり、2人は追いかけっこをするかのように遠ざかって行った。
そして残された私達はと言えば……。
「お姉さま……自分の悪事がバレて自棄になる気持ちは、理解できないものではありませんが、私達は共に生まれ、共に生きておりました。 例え間違えがあっても……私達はお互いほどに理解をし、お互いほどに必要とする者等居ないと言うのに……例え、間違いがあっても、私は、お姉さまを見捨てたりはいたしませんわ!!」
そう言って歩み寄って来るエリス……と、後退る私。
「ねぇ……お姉さま。 どうして逃げますの?」
「では、立ち向かってみましょうか?」
細身の薄い銀の刃、宝石で装飾されたハンドル部を持つナイフを、私はスカート中から取り出した。 当主の証……として、亡くなったお爺様から受け取っていたもの。 それを手に持ち私はエリスに対峙した。
「それは……」
「何かしら?」
私は、笑う……。
これがあれば、血縁等関係なくてもロイド伯爵家の所有を主張できるもの。
「下がりなさい。 今度はハサミではないから……修正不能にしかねませんわ」
優雅に鷹揚に笑って見せ、私は自分の髪を一筋掴んで見せた。
「言う事を聞きなさい。 私が、当主よ」
「ふざけるな!! なんでもかんでも自分のものだって?!」
「目」
「へっ」
「世間体は大事よ?」
そう言って、ユーリとクレイが側にいない私達は、お互い対面した状態で睨みあう。
「大人しくなさい。 貴方が貴方の人生を送ると言うなら、私はもう貴方の前に現れるつもりはないわ。 全ての切り札がコチラにあると理解なさい」
「ふざけないで……私達は、ずっと一緒、2人で1人なのよ。 反省……いえ、私に逆らった事を後悔なさい」
そう言って、私に向かって突進してきた。
私はナイフを前につきだせば、それは弾き飛ばされ……私達はナイフに向かって飛び掛かりもみ合うようにナイフを……手にしたのは、
エリス……だった。
女性は髪が長いのが当たり前、髪が短ければ何か問題があると世間は勝手に想像する。 私がかぶっているようなウィッグが普通に取引されているのだけど、注目を集めているエリスが姉に髪を切られたなんて、新聞がネタにしない訳がない。 よほど大金を支払わない限り……。
私は無意識に笑い。
エリスは悪鬼のような顔をして叫ぶ。
私達を中心に人は距離を置き、悲鳴、怒声、色んな声が混ざりあい、そして店の中からユーリが出てきて叫ぶエリスを抱きしめて私に怒鳴りつけた。
「どうしてこんな事をするんだ!! エリスはずっとお前を必要として、探していたのに!!」
「そう、探していたの……」
呟くように言い、私はハサミに引っかかった髪を解いた。
周囲の人間は怯えたもの、好奇心に目を輝かすもの、色んな感情が渦巻いている。
「セレナ、危ないから手をはなしてください」
私を抱きすくめたクレイは私の手からハサミをユックリとした動作で奪ったのだけど、私はクレイを振り返る事をせず……その腕の中のぬくもりに身を任せ……安堵していた。
いつの間にか、こんなに……クレイを信用するようになっていたのか……。 そう思えば、嬉しかったのだ。 私は腕の中で笑みを浮かべユーリの問いかけに応えた。
「ケリをつけなければいけないな。 そう思いましたの。 こうやって、髪でも切って私達を区別すれば、エリスのやった事を私がやった等と言われる事は無いでしょう? どうしても、私が悪い、私の責任だ、私がやったと言うなら……悪い方法ではないはずですわ」
「なら、お前の髪を切ればいい!!」
「だって……私が髪を切っても、エリスが髪を切って真似たらおしまいではありませんか。 お姉さまが女の命とも言える髪をお切りになるなんて!! きっと私がお姉さまを怒らせてしまったのですわ。 世間からの冷たい視線をお姉さま一人受けられるなんて不憫な、 私も……髪を切ってお姉さまをお救いしなければって」
何時もよりワントーン高めの声で、かわい子ぶった舌足らずな感じで私は言いながら肩を竦めて見せた。
「そんな事、する訳無いでしょ!! 」
「するのよ……だって、新聞に書かれていた悪行の数々は全部、私ではなくてエリスですもの。 本当、馬鹿にしてくれたわね。 私が何も言わないと思っていましたの? それとも本当に言い逃れができるとでも?」
私は、背後に控えていたメリーを呼べば、メリーは無言のまま私に一冊の手帳を手渡し、私はソレを受け取りひらひらと見せつけた。
「コレ、入れ替わりの間の業務日誌。 エリス、貴方が記憶にないだろう他人との関わりですわ。 好奇心旺盛な記者に貸し出せば、きっと、すぐにでも私の潔白が証明されるはずよ。 従業員に暴力をふるっていたのは誰か? 学園で恐喝をしていたのは誰か? 愛人を作っていた……いえ、貴方には婚約者はいないから恋人かしら? 恋人に貢ぐため、私の部屋にある金目の物を盗んでいた。 他にも色々盗んでいたかもしれないわね。 画家の彼だけど……家に火を放つ前に、大切なものを他に移しているかも……となれば、ねぇ? わかるでしょう??」
「ぁあああ、ユーリ、ユーリ!! あれを奪い取って!! 嘘を書き連ねたものでも……私達の幸福をねたむものの手に入れば、大変な事になるわ!! 私達の未来を台無しに、ぁ……」
周囲から向けられている視線に気づいたのですね……。
「お、お姉さま……」
「私達、生まれる前からずっと一緒でしたわよね。 私を最も理解しているのは、貴方……だと信じておりますわ」
優雅さを意識し微笑めば、エリスは息を飲んだ。
「クレイ……目的は果たしました。 帰りましょう」
「これで、良いんですか?」
「えぇ、此方に切り札があると分かった。 それだけで十分でしょう」
「甘いのではありませんか?」
「甘い……でしょうか?」
「ですが、そんな甘さも好きですよ」
「お姉さま!!」
エリスの叫びと共に、嘆くエリスを抱きしめていたユーリは一度エリスを強く抱きしめ、そしてコチラに向かってユックリと歩み寄ってきた。
「それを渡してもらおうか?」
あ~~。
私は考え込む……何しろ運動は余り得意ではありませんので……。 その点、ユーリは少々ヤンチャが過ぎると言うか、騎士に憧れて無駄に騎士道を学園で選択していた。
チラリとエリスを見れば、ニヤリと目が笑っている。
「お姉さま……もう、後が無いと向きになる気持ちは理解できなくもありません。 ですが……余りにも身勝手が過ぎれば、此方も許すわけにはいきませんのよ」
「……そうね……クレイ、良い弁護士をご紹介いただけるかしら? ここから帰ったらですけど」
「嫌な言い方は止めて下さい」
「あと……」
「なんでしょうか? 非常に嫌な予感がするんですが……」
苦々しく抱きしめる私をクレイは見下ろす。
「私の事、愛しているって、本当?」
「本当ですが、こんなところではなくもっと良いところで語り合いたいですねぇ~」
「愛を証明してくれます?」
ニッコリ笑えば、クレイは軽く呻き軽い溜息と共に、
「お姫様の願いを叶えましょう」
「では、この手帳を守って」
私はニッコリ笑い言った後、軽く私を拘束する腕の中で、背伸びをしクレイの頬に口づけた。
「私って……単純ですよね……」
とほほとばかりにクレイは手帳を持ちながら、歩み寄るユーリから距離をとり、2人は追いかけっこをするかのように遠ざかって行った。
そして残された私達はと言えば……。
「お姉さま……自分の悪事がバレて自棄になる気持ちは、理解できないものではありませんが、私達は共に生まれ、共に生きておりました。 例え間違えがあっても……私達はお互いほどに理解をし、お互いほどに必要とする者等居ないと言うのに……例え、間違いがあっても、私は、お姉さまを見捨てたりはいたしませんわ!!」
そう言って歩み寄って来るエリス……と、後退る私。
「ねぇ……お姉さま。 どうして逃げますの?」
「では、立ち向かってみましょうか?」
細身の薄い銀の刃、宝石で装飾されたハンドル部を持つナイフを、私はスカート中から取り出した。 当主の証……として、亡くなったお爺様から受け取っていたもの。 それを手に持ち私はエリスに対峙した。
「それは……」
「何かしら?」
私は、笑う……。
これがあれば、血縁等関係なくてもロイド伯爵家の所有を主張できるもの。
「下がりなさい。 今度はハサミではないから……修正不能にしかねませんわ」
優雅に鷹揚に笑って見せ、私は自分の髪を一筋掴んで見せた。
「言う事を聞きなさい。 私が、当主よ」
「ふざけるな!! なんでもかんでも自分のものだって?!」
「目」
「へっ」
「世間体は大事よ?」
そう言って、ユーリとクレイが側にいない私達は、お互い対面した状態で睨みあう。
「大人しくなさい。 貴方が貴方の人生を送ると言うなら、私はもう貴方の前に現れるつもりはないわ。 全ての切り札がコチラにあると理解なさい」
「ふざけないで……私達は、ずっと一緒、2人で1人なのよ。 反省……いえ、私に逆らった事を後悔なさい」
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