双焔の黄昏(トワイライト)

リエルと愉快な作者佐伯リナセンセー

文字の大きさ
3 / 9
幼少期編

2.お出掛けです

しおりを挟む
はこの体になってから始めて親と同行せずにお出掛けしている。隣にはメイドのリアーナが居るから安心はする。今のこの体では以前見たいに闘うことはまだ出来ない。怪我をする可能性だってする。でも安心しろ。中身は大人だから。



「それでお嬢様、どちらに向かわれるのですか?」



リアーナにそう言われようやく気付く。そう言えばどこ行くのか教えていなかったな。図書館に行こうとしているのだ。図書館には魔法関連の本とか古代文字の本などが沢山置かれている場所。今から独学で勉強しこの国についても知りたいところ。今の世界は魔王に侵略されつつあり、崩壊しようとしている。まあ俺にとって魔王は興味もないし関係もない。



「図書館に行くの。ちょっと調べたいことがあってね。」



「そうですかお嬢様。お嬢様は本当に勉強が大好きですね。」



褒められて嬉しくなる俺。勉強は大好き。生前は学ぶことすら出来ないまま騎士団に入団しその後に最狂戦士の称号を貰えて勉強をする暇などなかった。この機会を上手く利用してもっとこの世界を知ろう。



「おっ!ソフィアちゃんじゃないか。」



武器屋のおじさんが挨拶してくる。



「おじちゃんこんにちは、今日もお仕事頑張ってね。」



おじさんにはこの前、お世話になったからお礼にスマイルをあげる。



「リアーナちゃん。ソフィアちゃんとお出掛けですか?」



今度は酒場の看板娘のお姉さんが聞いてくる。



「はい、そうです。お嬢様がお出掛けしたいと申し出がありましたので」



「まあ!そうなんですか。ソフィアちゃんも成長したんだね。」



お姉さんに頭を撫でられる。気持ちいいし嬉しくなっていく。お姉さんに「お姉ちゃんバイバイ!」と手をふってさよならする。 この体になって得したことは色んな人に褒められるし甘えてくれる。こんな楽な生活が生前は送れただろうか?



しかしこの国は賑やかだな。人が一杯で騎士団に冒険者、商売人に一国民が元気に活動している。この国の名前はアストラル王国と言ってアストラル家の王族が築き上げたとか。昔は小国だったが今では大都市とも呼べるほど。生前は一度も訪問した覚えがなかった。俺が向かっている図書館も有名どころで一般の人は入れてくれないらしい。それだけ重要な物でも取り扱っていると言う。



次いでに言うと今、俺が住んでいるところはクレセント海上都市と呼ばれる場所だ。



都市と言われてるが田舎見たいなところ。海の上に造られたから海上都市。アストラル王国の隣に位置する。



図書館にようやく着いたところで目の前にいる監視している騎士に入場書類を渡せば入れる。



「この場に入りたいのなら書類を渡してください。」



ちなみに書類など持ち合わせていない。必要が無いから。アストレア家の権限とも言える特権だ。



「すみませんが此方の図書館に入りたいとお嬢様が申しますので通らして宜しいでしょうか?」



「ん?書類を提示してくれるなら通してやる。ん?もしかしてアストレア家の長女ソフィア様ですか?これは失礼しました。ではどうぞ。」



ようやく通してもらえた。あの騎士の男、私がアストレア家だと言うことを知らなかったのか?まあ気にしないで置こう。



「お嬢様、それでどの本を読みになります?」



身長が低い俺は自分で本を取ることが出来ないからリアーナが変わりに取ってくれる。古代文字が書かれている本が読みたいから頼む。特に竜神の詳細が書かれているのを読みたい。



「お嬢様も不思議な本を読みになるのですね。竜神について知りたいとは。」



「良いんだもん。私はこれが知りたいんだから。」



そう、竜神について知りたい。俺を殺した奴の知識ぐらいは持っておきたいし、またいつ現れるかわからないので今の内に弱点とか把握しときたい。



「竜神ですか.....確か今から7年前にある村に久しぶりに姿を現しまた姿を消したと言う調査報告の資料があったと思います。」



ある村に7年前に現れた.....それってライザート村のことじゃん。いやいや超気になるんですけど。目を輝かせ始める。



「見たい見たい。リアーナ、その資料は何処にあるの?」



興味津々に問いかける。その資料を見れば村の安否がわかるかもしれないし何よりその後どうなったのか知ることが出来る。



「えっと...確かガレスお父様の仕事部屋にあるかと。以前、わたくしが紅茶をお持ちになりました際に机にそのような資料が置かれておりました。」



よりによってガレ...お父様の部屋にあると知ってシュンと落ち込む。俺はお父様事ガレスとは戦友の仲であった。



アイツとは仲が良いけど今のアイツはちょっぴり苦手です。お父様の事を思い浮かべる......。



「ソフィア、パパだぞ。ほーらソフィアが好きだったクマさんのぬいぐるみだ。」



クマさんのぬいぐるみは好きだが人前でプレゼントされた時は凄く恥ずかしかった。



時には。



「ソフィア~仕事で疲れたパパを癒してくれ!」



とぎゅーと抱きつかれたことも。そしてある日は。



「ソフィア、新しい服だぞ~。女の子なんだからスカートははかないとね。」



女の子だからと言っても中身は男である俺に無理やりスカートをはかされたことも。もっと沢山あるけどこれ以上思い出すとおぞましい。



だから俺はお父様が苦手である。部屋にも入りたくないほどの。折角竜神やライザート村の詳細を知ることが出来るのにお父様と言う存在がまた妨害してくる。俺はあることを思い付く。



「ねぇリアーナ。お父様を葬ってもいい?ふふっ」



「お嬢様!正気に戻ってください。駄目ですよ。」



「冗談だよ。」



お父様のことはこの際置いといて今のところは竜神と村の事は保留にしとこう。それに今日は新しい情報も得られたし家へと帰ることにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

処理中です...