双焔の黄昏(トワイライト)

リエルと愉快な作者佐伯リナセンセー

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幼少期編

6.嫌、結構です。

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ある日、久しぶりに家に帰って来た父ガレスが突然俺にこんなことを言ってくる。



「ソフィアは将来、何を目指したいんだ?」



将来について聞かれて考える俺。将来は特に考えていない。ただ今のところは魔法学士を目指そうと思っている。理由は簡単。闘わずに済むからと魔法について研究に興味があるから。



「私は.....まだわかんないかな。」



「そうか。じゃあ騎士なんてどうかな?ソフィアにはお似合いだと思うぞ。」



騎士を進めてくる父。嫌、騎士って女の子でもなれるものなのか?



「最近じゃ女騎士だって進出しているんだ。ソフィアの場合体力もあるし何とかいけるんじゃないか?」



何でこんなに進めてくるかな。騎士になったとしても闘わないと行けない。俺は断じてお断りしたい。



「どうしたのソフィア。」



母が乱入してくる。丁度良い所に、何とかしてお父様を止めてほしい。



「ソフィアの将来の話をしていたところだ。ティアもどう思う?」



父は一通りの事を母に説明する。それを聞いて納得した母は。



「確かにソフィアは将来有望な才能を持っている。一アストレア家としてこれは見逃さないと思う。だからねソフィア。闘わなければ行けないの。」



やはりアストレア家の長女として闘うことを望まれているのか。でも俺はこう言う。



「嫌、結構です。闘いたくありませんお母様。」



即答で断る。何で転生してまで第二の人生を迎えてまで戦場に行かなければ行けないんですか。



「あらあら。駄目みたいですね貴方。」



「そうだな.....ソフィアの言いたいこともわかるさ。戦場は危険だ。でも。」



「貴方、良いの。アストレア家の期待を裏切ってしまってもソフィアは戦場に行かせないわ。」



二人とも俺の言い分に同意してくれたようだ。元々、母も父も娘を戦場に行かせたくなかったらしいと言う。でも代々戦闘に特化されたアストレア家の上からの厚が強すぎるから従えない。ましてや才能のある存在である俺が欲しいのは何処行っても一緒。



「まあ何としても守ってやるからな。」



頭を撫でてくれる父。今日ばかりは素直に撫でられよう。



「明日ぐらいにお父様に連絡するね。何とか説得するから。」









次の日、説得出来なかったのである。アストレア家の現当主こと俺にとってはお爺様に当たるお方。ヴァン・アストレアとティアの兄、ユリウス・アストレアはとてもお堅い人物らしく反対させた。それを朝から聞かされ落ち込む俺。



「お嬢様、大丈夫ですか。そう気を落とさずにスマイルスマイル。」



「今この状況でスマイルなんて出来ないよぉ~リアーナ。」



落ち込んでいる俺を慰めようとしている気遣いは伝わる。でもどうしょうも無いなんて聞かされたら泣きたくなるわ。どうもこの体はまだ発達途中な幼児なので涙が出やすい。今だって涙目だ。



「はいはい、よしよし。泣かないの。出来るだけ頑張ってみますから。」



この後盛大に泣いたことを今となって恥ずかしい。泣き止んだところで考え始める。



さて、どうしたものか。このままでは戦場に駆り出される運命しかない。何としても阻止しなければならない。でも俺には何も出来ない。どう抗おうとあのお堅い二人には通用しない。どうしたものか.....。



「どうしたのソフィアちゃん?」



「え?アリアちゃん。」



考えに夢中していた俺はアリアが遊びに来ていたことを忘れていた。



「大丈夫?難しそうな顔してたけど。」



「ううん、大丈夫。ありがとう心配してくれて。」



本当に優しいし頼りになる。良い友達持ったなと感じる。俺も頑張ろう。ここで負けたら終わりだ。



「それより、今日も特訓しようよ。」



特訓、アリアは冒険者に為るためほぼ毎日戦闘技術をあげるため特訓している。頑張るのは良いけど無理はしないでほしい。またあの時見たい曰く、怪我をしても困る。それで何時も同行している。



待てよ...確かにアリアの夢は冒険者になることだったよな。冒険者は依頼をこなしたりする仕事。モンスターを狩ったり闘うこともあるが上手く利用すれば自由になれる?戦場に駆り出されるより余程マシだ。



「特訓頑張ろう!」



「?」



俺は冒険者を目指す決意し気合いを入れて特訓を開始する。大声で宣言した俺を見てアリアは不思議そうな顔をしていた。



特訓を開始してから二時間ぐらい経っただろう。流石に二時間もしていたらこの体では疲労するのが早い。何れだけ体力が異常でも持たない。休憩を取り今日はもう特訓をやめようと言い帰宅途中。



「何時もより頑張ってたねソフィアちゃん。」



「そうかな?」



普通通りにしていたと思うんだが。張り切りすぎちゃたか。これも仕方がないこと。闘わないために闘うセンスを磨く。矛盾しているがこれも冒険者になるため。家に近づいてきたところで「また明日、バイバイ。」と別れる。



「ただいま。」



「お帰りなさいソフィア。丁度良い所に帰って来て助かったわ。お客さんが来てるわよ。」



お客さん?誰だろう。見る感じだと俺に用が有るような気がする。お客がいる部屋へと向かうことにする。



「おお、お帰りソフィア。」



「ただいまお父様.....そちらの方がお客さん?」



向かい合って椅子に座っている父とお客。



「はじめましてかな?ソフィアちゃん。」



この人は俺に向けて挨拶してくる。見た目は年寄りのおじ様。立つことがキツいのか杖で支えている。



「どちら様?」



「名乗り遅れてすまないな。私はヴァン・アストレア。アストレア家の現当主だ。今日は直接話がしたくて出向いたぞ。私の可愛い孫よ」



まさかの現当主様が直々にご登場してきた。後、昔より老けていたので誰だったか名前を名乗るまで気付かなかった。俺が最狂戦士だった頃に良くお世話になったことを思い出す。



前より表情が柔らかくなりましたね。昔は厳つく何時もお怒りになってた方も年を取れば変わるものなんですね。



「で、話とは何でしょうかお父さん。」



俺が来たことに話を進め始める父。ガレスがこの方にお父さんって。何故か笑えてくる。



「ふむ、手短な話だ。ソフィア、孫を魔術師にさせたい。天才で将来有望な人材を私は欲しいのだ。無理を言ってすまないが現在、魔王軍の進行もつよーなっておる。」



魔王軍の動き。最近になって活発になり軍や兵士も減っていると言う。このままだと近い将来、沢山の国が侵略されるだろうと言われている。



正直言って魔王に何か興味ない。勝手に侵略でもしとけって思うぐらい。



「だから頼む。」



俺の答えは決まっている。最初からこの選択をしているのだから。



「嫌、結構です。魔術師に興味ありませんので。」



段々とこの言葉が好きになってきた。騎士じゃなく魔術師としての人生も楽しいかもしれない。この際、はっきり宣言しとこう。



「私は騎士でも魔術師でもなく冒険者になりたいの!」



この宣言でこの場にいる皆が固まる。



「え、今なんて」



「だから私は冒険者になりたい。」



「えぇぇぇぇぇぇー(全員)」



遂に俺の計画が第一段階成功出来た。進展して一人喜ぶ俺。この選択が果たして良かったのだろうか。結局のところ闘うことに関しては変わらない。これから色んな手段を使って自由を獲得できるのか、俺の闘いは始まりを迎える。

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