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出した条件
しおりを挟む「私の出す条件がのめるなら、ちゃんと……考える」
言ってしまった……
でも、そう言わないとこの2人は懲りないだろう。
さて、イケメン双子はどう出るか……
「条件?」
「いいよ、どんな?」
「あの……えっと」
「まさか、口から出まかせじゃねーだろうな」
「そ、そんなんじゃないよ!」
私だって、馬鹿じゃないんだよ!?ちゃんと考えて言ってるのに。
やっぱり、大翔くんは酷いな。大和くんにしようかな。
大和くんなら、まだ傷付いたとしても優しいし、馬鹿にしない。
でも、大翔くんは傷付いたら落ちるとこまで落ちそうだ。
しかも怖いから、きっと怯えながらの毎日を過ごすんだろうな……そんなの嫌だ。
「やっぱり……大和くんに、しようかな」
「ホントに!?」
「あ゛ぁ?」
「ぴぇッ!」
ややや!怖いぃいい……!
大翔くんの睨みが、私の心と体に冷や汗をもたらす。本当に心臓に悪い。
「こら、大翔。明季ちゃんが怖がってるじゃないか」
「……チッ」
舌打ち!?やっぱり、大翔くんはナシナシ!!
「明季ちゃん?」
「やっぱり、大和くんにする!」
「オイ、明季」
「ヒッ!」
「大和より、俺の方が……お前のこと、幸せにする」
「えっ……?」
「大翔、顔真っ赤~!」
「るせぇ!」
本当だ……大翔くん、顔真っ赤。
私の為に、勇気出して……言ってくれたんだ。
何だか胸が、きゅうううってなった。
何だろう、この気持ち。
締め付けられるような、苦しいような───
「大丈夫?どうかした?」
「えっ、あ……だ、大丈夫!」
「そう?」
「うん……!」
この気持ちは、嫌じゃない……
暖かいとは違うけれど。心地よくもないけれど。
でも何だか、この気持ちは無くならないで欲しいと……少し、思ってしまった。
あれからというもの、一旦保留になり双子から迫られることも減ったけれど、私は毎日2人について相変わらず悩んでいた。
「どうしよう……」
大翔くんが私に対して言ってくれた言葉が時々、頭を過る。
「大和より、俺の方が……か」
何だか、かっこよく聴こえるのは気のせい、なのかな……?
うぅ……早く決めて楽になりたい反面、好きじゃないのに決めるのも……
悩めば悩むほど、私はどうすればいいのか分からなくなった。
2人が諦めてくれれば、私はこんなにも思い悩むことは無かったのに。
どうして私が、こんなに悩まなきゃいけないのよ!
私の平穏は、いつ来るの……?
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