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スマホ越しの甘ツン王子
しおりを挟む朱乃くんとのやり取りは……何気に続いています!
「おはよ」
「おはよー!今日も頑張ろうね!」
「頑張るほどのことか?」
「そうだよ!今日、数学あるでしょ?」
「げ。当てられそうだわ、俺」
「だから、頑張ろうね!」
「ま、ほどほどに」
「じゃあ、学校でね!」
「おー」
何だか、付き合っているような錯覚に陥るやり取りが、今一番の私の幸せ……!
「ぐふふふ」
「朝から、なぁに?気持ち悪い笑い方して……」
「へっ!?」
「そんな変な笑い方だと、好きな人に嫌われちゃうわよ」
「き、嫌われる!?」
そうなの!?私のこの笑い方って、そんなに気持ち悪いのかな……!?(自分の笑い方を自覚していない為)
「ふふふ」
「そうそう、そんな笑い方だったら大丈夫よ」
「そっか……」
なるほど!「ふふふ」って感じね。
まさに漫画や小説で出てくる、ド定番なお嬢様のような笑い方!
笑い方に気を付けないと……残念な人には絶対になりたくない!(既に、残念な人に片足突っ込んでるようなもの)
「いってきまぁ~す!」
「いってらっしゃい」
ママに見送られながら、私は登校した。
「おっはよ~!」
「おはよー」
詩織と合流し、学校までの道のりを歩く。
「妃舞梨、何か良いことあった?」
「えっ」
「いや、何か……デレデレしてない?」
デッデレデレ!?
「してない!してない!」
「そぉ~?良いことあった!って顔してるけどな~」
「そんなことないよ……!いつも通りだよ」
「ふ~ん……そっか」
「うん!」
もし、詩織が私と朱乃くんがやり取りしてることを知ったら「一歩、前進だね!」って喜んでくれるんだろうけど、朱乃くんからすると勝手に話されて嫌だと思うし。
それに、普段とは違う朱乃くんを知られたくないって気持ちもあって……ごめんね、詩織。
別に隠そうとか、嘘つこうとか思ってないんだよ。
ただ、もう少しだけ独り占めさせて欲しいの。
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