13 / 15
コンパで事件
しおりを挟む
「へえ、莉緒ちゃんっていうんだ。名前まで可愛いね」
「いえ、そんな……、あの、圭介さん、ですよね?」
「え、俺のこと知ってんの?」
「知ってるも何も。圭介さん、有名ですから」
「そんな有名でもねえけど。けど莉緒ちゃんに名前知っててもらえたのは嬉しいな」
「は、はい……」
「ん? 俺の顔になんかついてる?」
「あ、……い、いえ……」
せっかく莉緒ちゃんの隣を確保したのに、圭介と莉緒ちゃんがコンパが始まって早々いいムードになっちゃって、俺は完全無視。いつになく口説きモードの圭介に、莉緒ちゃんは顔を真っ赤にして恥じらっている。
二人の間に挟まれた俺の立場は?!
てか圭介の野郎、俺が莉緒ちゃん狙ってるって言ったのに!
「俺、ちょっとトイレ」
なんだか馬鹿らしくなって、行きたくもないトイレを理由に席を外してみたけど、二人とも俺のことなんて気にもしない。畜生め。
「あー、なんかもやもやするー」
気分転換になるかと思ってトイレで顔を洗っていると、スーツ姿のガタイのいい若い男が入ってきた。それはいいんだけど……、なぜか俺のことをじろじろ見ている気がする。鏡越しにチラチラ様子を覗っていると、男は用を足すでもなく、俺の方に近づいてくるではないか。
「君……、この間地下鉄に乗ってたよね?」
「は?」
この間っていつの話だよ。
てか東京住んでりゃ誰だって地下鉄乗るだろうよ。
変なやつには関わらないに限る。男のことは無視してさっさとトイレを出て行こうとしたら腕を掴まれた。
「彼氏に乳首弄られて気持ちよさそうに喘いでた子だよね?」
「な、」
さーっと血の気が引いて行く。まさかアレを見られてたなんて……
「それともただの痴漢だったのかな?」
「ちが、離せよっ」
「強引にされるのが好きなの?」
「や、ヤダっ」
「俺に力で敵うわけないだろ?」
俺は抵抗するすべもなく羽交い絞めにされ、個室に閉じ込められた。
「ヤダ、触んな、離せよっ」
「嫌がるふりなんてしなくてもいいって。好きなんだろ? こういうの」
「や、やめっ」
Tシャツの上から乳首をまさぐられて悪寒が走る。
「可愛いね、びくびくしちゃって。気持ちいい?」
「男に乳首弄られて気持ちよくなるわけねえだろっ」
「地下鉄で凄く気持ちよさそうにしてたよね?」
「あれは……」
あれは圭介だったからだ。
圭介以外の男に触られたって気持ち悪いだけに決まってる。
畜生、圭介の野郎、俺がこんなとこで酷い目に合ってるってのに。
「う、ぐっ……」
「はは、泣くほど感じちゃった?」
どうせ可愛い女の子のがいいだろうよ。
圭介なんて一生女といちゃいちゃしてろ!
「いえ、そんな……、あの、圭介さん、ですよね?」
「え、俺のこと知ってんの?」
「知ってるも何も。圭介さん、有名ですから」
「そんな有名でもねえけど。けど莉緒ちゃんに名前知っててもらえたのは嬉しいな」
「は、はい……」
「ん? 俺の顔になんかついてる?」
「あ、……い、いえ……」
せっかく莉緒ちゃんの隣を確保したのに、圭介と莉緒ちゃんがコンパが始まって早々いいムードになっちゃって、俺は完全無視。いつになく口説きモードの圭介に、莉緒ちゃんは顔を真っ赤にして恥じらっている。
二人の間に挟まれた俺の立場は?!
てか圭介の野郎、俺が莉緒ちゃん狙ってるって言ったのに!
「俺、ちょっとトイレ」
なんだか馬鹿らしくなって、行きたくもないトイレを理由に席を外してみたけど、二人とも俺のことなんて気にもしない。畜生め。
「あー、なんかもやもやするー」
気分転換になるかと思ってトイレで顔を洗っていると、スーツ姿のガタイのいい若い男が入ってきた。それはいいんだけど……、なぜか俺のことをじろじろ見ている気がする。鏡越しにチラチラ様子を覗っていると、男は用を足すでもなく、俺の方に近づいてくるではないか。
「君……、この間地下鉄に乗ってたよね?」
「は?」
この間っていつの話だよ。
てか東京住んでりゃ誰だって地下鉄乗るだろうよ。
変なやつには関わらないに限る。男のことは無視してさっさとトイレを出て行こうとしたら腕を掴まれた。
「彼氏に乳首弄られて気持ちよさそうに喘いでた子だよね?」
「な、」
さーっと血の気が引いて行く。まさかアレを見られてたなんて……
「それともただの痴漢だったのかな?」
「ちが、離せよっ」
「強引にされるのが好きなの?」
「や、ヤダっ」
「俺に力で敵うわけないだろ?」
俺は抵抗するすべもなく羽交い絞めにされ、個室に閉じ込められた。
「ヤダ、触んな、離せよっ」
「嫌がるふりなんてしなくてもいいって。好きなんだろ? こういうの」
「や、やめっ」
Tシャツの上から乳首をまさぐられて悪寒が走る。
「可愛いね、びくびくしちゃって。気持ちいい?」
「男に乳首弄られて気持ちよくなるわけねえだろっ」
「地下鉄で凄く気持ちよさそうにしてたよね?」
「あれは……」
あれは圭介だったからだ。
圭介以外の男に触られたって気持ち悪いだけに決まってる。
畜生、圭介の野郎、俺がこんなとこで酷い目に合ってるってのに。
「う、ぐっ……」
「はは、泣くほど感じちゃった?」
どうせ可愛い女の子のがいいだろうよ。
圭介なんて一生女といちゃいちゃしてろ!
0
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる