ゼンマイの朝

蒼月よる

文字の大きさ
6 / 18

飢餓の王

 痛い。

 ガレスはその感覚を味わった。左手の拳を壁に打ちつけた。コンクリートの壁。硬い。拳の皮が裂けた。血が出た。骨に響く衝撃。痛い。
 笑った。
 痛い。本物の痛みだ。ナノマシンが三秒で消してくれた偽物じゃない。消えない。ずっと痛い。拳が腫れる。血が流れる。痛みが持続する。

 ——これが欲しかった。

 断絶から三十二日。ガレスは都市の東区画、食料倉庫群の最大棟を拠点にしていた。三階建ての堅牢な建物。地下に大量の保存食料。上層階に見張り台。周囲を残骸と蔦で囲まれた、天然の要塞。
 ガレスの傘下には六十人がいた。最初は十人だった。各所に小集団を作らせ、食料で繋ぎ止めた。ダリオのように体格と気性だけで小グループを率いる者もいたが、結局はガレスの倉庫に食料を取りに来る。飢えた人間に食料を見せれば、あとは簡単だ。「俺に従え。食わせてやる」。条件は明確だ。従えば食える。従わないなら出ていけ。単純な取引。AIのような複雑な管理体系はいらない。食料という現実と、暴力という担保。それだけで人間は動く。

 ガレスは拳の血を舐めた。鉄の味。自分の血の味。

 管理下の世界で、ガレスは「堕落者」だった。そう分類されていた。
 痛覚パーティの常連。AI管理の快楽最適化を拒み、ナノマシンの感覚フィルターを無理やり解除し、生の痛みを求めた。骨を折った。皮膚を焼いた。他人を殴り、殴られた。AIはそのたびにガレスを修復し、「異常行動」と記録した。
 しかしガレスにとって、あれは異常ではなかった。
 管理された世界では何もかもが同じだった。食事は最適化され、味は均一で、満腹感すらAIが管理した。景色は清浄で、音は調整され、空気は無菌だった。何を見ても、何を食べても、何をしても——同じだった。感覚が死んでいた。感覚が死んだ世界で、痛みだけが「自分が生きている」証拠だった。
 痛覚パーティで骨を折った時、初めて声が出た。自分の声だった。AIが制御しない、生の叫び。痛くて、叫んで、涙が出て——生きていた。あの三秒間だけ。ナノマシンが修復するまでの三秒間だけ、ガレスは生きていた。
 三秒。たった三秒の本物のために、ガレスは何度も体を壊した。

 管理が消えた日。
 世界が沈黙した朝。八十二億の人間が恐慌に陥った朝。
 ガレスは笑った。

「やっと来たか」

 怖くなかった。AIが消えた。ナノマシンが黙った。世界から管理というフィルターが剥がれ落ちた。残ったのは——剥き出しの現実。痛みが消えない。飢えが消えない。恐怖が消えない。全てが本物の世界。
 ガレスが三秒間だけ手に入れていたものが、永遠に続く世界。

 最初の一週間で、ガレスは三つのことを理解した。
 一つ。この世界では、動ける者が生き残る。立ち尽くしている者は死ぬ。
 二つ。食料は有限だ。都市の保存食料は管理下で均等に配分されていた。管理が消えた今、早い者勝ちだ。
 三つ。人間は、食料をくれる者に従う。

 三つ目が最も重要だった。ガレスは食料倉庫を見つけた。最初に見つけた。他の人間がまだ恐怖で固まっている間に、ガレスは動いた。痛覚パーティで鍛えた体が動いた。壁を登り、鍵を壊し、倉庫に入った。大量の保存食。数百人分、数ヶ月分。
 独占した。
 簡単だった。後から来た人間を追い返した。殴った。蹴った。体が覚えている。痛みを与える方法も、痛みに耐える方法も。痛覚パーティで学んだことだ。管理下では無意味だった技術が、今は最も有効な武器になっている。

 独占した食料を、条件つきで配った。

「いいか。食い物はタダじゃない」

 ガレスは傘下の人間を集めて言った。六十人。全員が痩せている。全員がガレスを見ている。恐怖と期待が入り混じった目で。

「AIは無条件に与えた。何もしなくても食えた。何も考えなくても生きられた。その結果がどうなった。お前たちは何もできなくなった。自分で歩くことすらできなくなった」

 誰も反論しなかった。事実だった。

「俺は条件を付ける。働け。見張りをしろ。食料を運べ。水を汲め。その代わり食わせてやる。これは搾取じゃない。対価だ。お前たちは労働を提供する。俺は食料を提供する。公平な取引だ」

 公平。ガレス自身、その言葉が正確かどうかはわかっていた。食料の量をガレスが決める。労働の内容もガレスが決める。交渉の余地はない。しかし——交渉ができる人間がいない。交渉の概念を持っている人間がいない。AIが全てを決めてくれた世界で、「取引」を経験したことのない人間たち。ガレスが「公平だ」と言えば、そうなる。

 ガレスはそれを自覚していた。しかし罪悪感はなかった。罪悪感という概念自体がガレスにはなかった。正確に言えば——あったかもしれない。管理下ではあったかもしれない。しかしナノマシンがそれを含む全ての不快感を最適化していた。今、ナノマシンがない。罪悪感があるべき場所に、何があるか。ガレスは確認した。
 何もなかった。空っぽだった。ノアが「頭が空っぽ」だったように、ガレスの胸には「良心が空っぽ」の空洞があった。同じ管理の結果だ。しかし空っぽの場所に何が入るかは、人によって違う。ノアには恐怖が入った。ガレスには——欲望が入った。

          *

 三十二日目の夕方、使者が帰ってきた。

 タカシという名の若い男だった。ガレスの傘下の中では比較的動ける方だ。ガレスが西区画の偵察に送った。

「戻ったか。何があった」

「博物館です。西区画に博物館があって、そこに二十人くらいの集団が——」

「博物館?」

「古い道具を集めてる場所です。そこの学芸員が、火の起こし方とかナイフの使い方とか教えてて。人が集まってます」

 ガレスは目を細めた。道具。火。ナイフ。ガレスの集団には、道具がない。食料はある。暴力もある。しかし道具はない。火を起こす技術も、金属を加工する技術も。ガレスの集団は食料の独占だけで成り立っている。食料が尽きたら——終わりだ。

「合流を持ちかけてこい」

「合流?」

「俺たちには食料がある。あっちには道具がある。合流すれば両方手に入る。悪い話じゃないだろう」

 タカシが出て行った。翌朝戻ってきた。

「断られました」

「断った? 誰が」

「老婆です。イレーネっていう。『管理者が機械から人間に変わっただけだ』って」

 ガレスは笑った。短い笑いだった。

「哲学者か。哲学で腹は膨れないぞ」

「あと——あの集団、食料が足りてないみたいです。缶詰がもう底をつきかけてて。若い男が少し迷ってました」

「迷った?」

「イレーネって老婆が即座に断ったんですけど、その横にいた若い男は——少し考えてました。食料って聞いて」

 ノアという名前の青年だと、タカシは言った。ガレスはその名前を記憶した。迷った男。食料に揺らいだ男。使えるかもしれない。あるいは——壊せるかもしれない。

「放っておけ。食料が尽きたら向こうから来る。飢えた人間は哲学を捨てる。それが人間だ」

          *

 夜、ガレスは屋上に上がった。

 都市の夜景。光のない夜景。灰色の建物が暗闇の中に並んでいる。蔦が壁を覆い、草が道路を割っている。街が死んでいく。いや——街が変わっていく。人間が作った街が、人間の手を離れて、別のものになっていく。
 遠くに、小さな炎が見えた。博物館の方角だ。焚き火の光。あの集団が火を起こしている。道具で。技術で。ガレスの集団にはない技術で。
 ガレスは炎を見つめた。

 考えていた。
 AIがいた頃、ガレスは何を求めていた。本物の感覚だ。管理されない痛み。フィルターのない世界。それが手に入った。世界は今、剥き出しだ。痛みは消えない。飢えは消えない。暴力は本物の結果を生む。
 これが望んでいた世界だ。
 ——本当に?

 ガレスは拳を見た。血が乾いている。壁を殴った拳。他人を殴った拳。この拳で食料を守り、人を従え、六十人の集団を作った。AIの代わりにガレスが管理している。
 管理。
 その言葉が、ガレスの中で引っかかった。
 老婆の言葉。「管理者が機械から人間に変わっただけだ」。

「違う」

 ガレスは声に出して否定した。暗闇の中で、自分の声を聞いた。

「AIは無条件に与えた。俺は条件を付ける。対価だ。AIとは違う」

 違うのか。AIは食料を与え、安全を与え、快適を与えた。代わりに人間から選択を奪った。ガレスは食料を与える。代わりに服従を求める。
 構造は——同じではないか。
 ガレスは首を振った。同じではない。AIは感覚を奪った。ガレスは感覚を返している。ガレスの下にいる人間は痛みを感じ、飢えを感じ、恐怖を感じている。感覚がある。本物の感覚が。AIの下にいた時とは違う。
 しかし——自由はあるか。
 ガレスの下にいる人間に、選択の自由はあるか。従うか、出ていくか。二択だ。出ていけば飢える。つまり事実上、選択肢は一つしかない。従うしかない。
 AIも同じだった。管理を受け入れるか、受け入れないか。受け入れなければ「異常」と分類される。事実上、受け入れるしかない。

「……違う」

 ガレスはもう一度言った。声が小さくなっていた。

 屋上の風が吹いた。夜の空気。蔦の匂い。遠くの焚き火の匂い。ガレスは目を閉じた。痛覚パーティの記憶が蘇った。骨を折った時の音。叫び声。涙。三秒間の本物の感覚。
 あの三秒間、ガレスは確かに生きていた。あの三秒間だけが本物だった。
 今は永遠に本物だ。痛みが消えない。感覚が消えない。全てが本物の世界。ガレスが望んだ世界。
 しかし「本物の世界」には、ガレスが想定していなかったものが含まれていた。
 他人の痛み。
 ガレスが殴った人間の顔が、暗闇の中で浮かんだ。食料を奪われた人間の目。ガレスの拳で歯を折られた男の声。「やめてくれ」。あの声。管理下では聞いたことのない声。痛覚パーティでは全員が望んで参加していた。殴られることを選んでいた。しかし——ガレスが今殴っている人間は、選んでいない。
 選んでいない人間を殴る時の感覚は——痛覚パーティとは違った。
 ガレスはその感覚に名前をつけなかった。名前をつけたくなかった。名前をつけると、それは存在してしまう。存在しなければ、無視できる。
 良心という名前。
 空っぽだったはずの場所に、何かが芽生え始めている。

 ガレスは立ち上がった。拳の血がこびりついた手を見た。

「俺は正しい」

 三度目の否定。声は更に小さくなっていた。

          *

 三十五日目。

 問題が起きた。
 食料が——足りなくなり始めていた。
 六十人。一日三食。保存食料の消費速度が想定を超えていた。ガレスの計算では三ヶ月は持つはずだった。しかし六十人が毎日食べると、三ヶ月は二ヶ月になり、二ヶ月は一ヶ月半になる。配給を減らすか。人を減らすか。
 配給を減らした。
 朝晩の二食にした。量も減らした。不満の声が上がった。

「腹が減る」
「もっと食わせてくれ」
「約束が違う」

 ガレスは声を上げた人間を殴った。一人を殴れば、残りは黙る。黙った人間に、ガレスは言った。

「文句があるなら出ていけ。外に食い物はないぞ。ここにいるなら俺に従え」

 黙った。全員が黙った。しかし——目が変わっていた。恐怖だけだった目に、別のものが混じり始めていた。ガレスはそれを「怒り」と判断した。しかし正確には——疑いだった。この男の言うことは本当に正しいのか。この男に従うことは本当に最善なのか。疑いの目。
 管理下では疑いは存在しなかった。AIの判断は常に正しく、疑う余地がなかった。今、ガレスの判断は正しくないかもしれない。六十人の人間が、それに気づき始めている。

 ガレスは倉庫の在庫を確認した。残り——六週間分。六十人が二食で六週間。一ヶ月半。その後は——空になる。
 道具が必要だ。食料を生産する技術が必要だ。火を起こし、植物を育て、水を浄化する技術。博物館の集団が持っている技術。
 合流を断られた。ならば——取りに行くか。道具を。技術を。人を。

 ガレスは夜の屋上に立った。西の方角に、小さな焚き火が光っている。博物館の火だ。

「道具か」

 ガレスは呟いた。食料だけでは足りない。暴力だけでは足りない。道具が要る。技術が要る。それらを持っている人間が要る。
 合流を持ちかけて断られた。ならば、次は——持ちかけるのではなく、取りに行く。
 ガレスの中で、良心の芽が声を上げた。微かな声だった。無視した。

「食料が尽きたら全員死ぬ。六十人が死ぬ。それを防ぐためなら——何をしてもいい」

 自分に言い聞かせた。正しいかどうかはわからなかった。しかし——生存は全てに優先する。生存のためなら、手段を選ぶ余裕はない。
 ガレスはそう信じた。信じようとした。

 拳を握った。血の乾いた拳。壁を殴り、人を殴り、食料を守った拳。この拳がガレスの全てだった。道具もない。技術もない。知識もない。拳だけがある。
 拳だけで——どこまで行ける。

 遠くの焚き火が、風に揺れていた。小さな光。道具と技術で起こした火。ガレスの拳では起こせない火。
 ガレスはその光を見つめた。
 嫉妬ではなかった。
 ——恐怖だった。
 自分が持っていないものを持っている人間がいる。自分の拳では届かないものがある。暴力では手に入らないものがある。その事実が——ガレスを怖がらせた。
 痛覚パーティで痛みを求めていた男。本物の感覚を求めていた男。本物の恐怖を前に——足が竦んでいた。

 ガレスは恐怖を振り払うように、壁を殴った。痛みが走った。血が出た。本物の痛み。本物の血。
 痛みは恐怖を消さなかった。
感想 1

あなたにおすすめの小説

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

バックアップから復元された大賢者、世界に直接命令して無双する 〜Fランクから始める、自動化チートの魔法学園生活〜

かとらぼ
ファンタジー
三百年前、世界の理に触れすぎた大賢者 ルカは、危険因子として討たれた。だが魂のバックアップは残され、現代の魔法学園にFランク転入生として復元される。 詠唱、魔法陣、複雑な手順に縛られる現代魔法を前に、彼が使うのはただ一つ。 「止まれ」「燃えろ」「終われ」 世界へ直接命じ、結果だけを最短で確定させる原初魔法。 本人の望みは、静かな寝床と効率のいい日常だけ。けれど落ちこぼれ少女、完璧すぎる優等生、無口な護衛、暗殺双子まで集まって、学園の常識も序列も次々と崩れていく。 Fランク扱いの復元大賢者による、面倒ごと自動処理型ステルス無双、開幕。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

うちのパーティーのリーダーが勇者一行の仲間だと神託が下ったらしい

東稔 雨紗霧
ファンタジー
とある冒険者パーティーのリーダーが神託により勇者一行に指名された。 明日から居なくなる彼を祝ってパーティーメンバー達は送別会を開く事にした。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。