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season2
83話:通販の結果
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「――ねぇ。ジェル子ちゃん、あなた細いし美人だし似合いそうよねぇ……アタシ、男の娘(こ)ってアリだと思うのよ」
――やっぱりそう言うと思った! そのドスケベ衣装をワタクシに着せる気ですか!
「嫌です! ワタクシは男の娘ではありませんし、そんな破廉恥な格好がネットに大公開なんて絶対に嫌です‼」
「お願いよジェル子ちゃぁ~ん!」
「嫌ですってば!」
確かにワタクシは骨格も華奢ですし女性に間違われることも多いですが、だからってこればかりは譲れません。全力で拒否しました。
「そんなの恥ずかしすぎて絶対無理です! ねぇ、アレクもなんとか言ってくださいよ⁉ ――あれ、アレク?」
気がつけば、さっきまで隣にいたはずのアレクの姿が見えません。
「あら……そういえば、いつの間にか居なくなってるわね」
「ハハハ! お兄ちゃんはここだ!」
その声と共に店と家を繋いでいる扉が勢いよく開いて、そこにはドスケベセクシートナカイの衣装に身を包んだアレクの姿がありました。
紐で調節して何とか着ていますが、見るに堪えない卑猥な姿で明らかに布面積が足りていなくて股間部分は見えてはいけないモノがはみ出し寸前です。
「可愛いジェルちゃんの恥ずかしい姿を全世界に晒すくらいなら、俺は喜んで犠牲になるっ!」
――そんなことを言っていますが、自分が着てみたかっただけなんじゃないでしょうか。
ワタクシとジンは冷たい視線で彼を見つめました。
「まぁ、着用イメージが無いよりはいいかしら……」
「サイズ調整ができるPRにはなるんじゃないですかね」
アレクは足を大きく開いたり四つんばいになって猫みたいなポーズをとったりと、グラビアのような仕草をしては、シャッターを押すように催促します。
「あぁ……ワタクシのスマホが汚れる。とてもつらい」
「なんだよ、もっと感謝しろよ。俺が着なかったらこの衣装、オマエが着ることになってたんだぞ」
確かにこれを自分が着ることになっていたらと思うとゾッとしたので、兄が変態でよかったと思い直し、言われるまま念入りに撮影しました。
その結果、出来上がった通販サイトにはアレクによる着用イメージの写真が10枚も掲載されたのです。
「いくらなんでもこんなにたくさん載せる必要は無かったんじゃ……」
「あらぁ、だっていっぱい撮影したからもったいないかなと思って。これでも厳選したのよぉ~?」
正直、商品の魅力はまったく伝わってこなくて、アレクが卑猥な格好をしていることしか印象に残らないのですが大丈夫なんでしょうか。
こんなの絶対売れないだろうなぁと思いつつも、ワタクシはなりゆきを見守っていました。
そして通販サイトが公開されてから数日後――
『なんで男が着てるんだよwwww』
『無理やり着てて草』
『イケメンの無駄遣いwww』
『なんでこんなにこいつ楽しそうなんだw』
こんな感じのコメント付きでアレクの写真が散々インターネットで弄られた結果。あっという間にドスケベセクシートナカイは完売してしまいました。
「目立ったもん勝ち、ということなんでしょうか。世の中というのはわからないものですねぇ……」
完売してホクホク顔のジンと俺のおかげだとふんぞり返るアレクを眺めながら、店のカウンターで紅茶を飲みつつワタクシはそんな感想を述べたのでした。
――やっぱりそう言うと思った! そのドスケベ衣装をワタクシに着せる気ですか!
「嫌です! ワタクシは男の娘ではありませんし、そんな破廉恥な格好がネットに大公開なんて絶対に嫌です‼」
「お願いよジェル子ちゃぁ~ん!」
「嫌ですってば!」
確かにワタクシは骨格も華奢ですし女性に間違われることも多いですが、だからってこればかりは譲れません。全力で拒否しました。
「そんなの恥ずかしすぎて絶対無理です! ねぇ、アレクもなんとか言ってくださいよ⁉ ――あれ、アレク?」
気がつけば、さっきまで隣にいたはずのアレクの姿が見えません。
「あら……そういえば、いつの間にか居なくなってるわね」
「ハハハ! お兄ちゃんはここだ!」
その声と共に店と家を繋いでいる扉が勢いよく開いて、そこにはドスケベセクシートナカイの衣装に身を包んだアレクの姿がありました。
紐で調節して何とか着ていますが、見るに堪えない卑猥な姿で明らかに布面積が足りていなくて股間部分は見えてはいけないモノがはみ出し寸前です。
「可愛いジェルちゃんの恥ずかしい姿を全世界に晒すくらいなら、俺は喜んで犠牲になるっ!」
――そんなことを言っていますが、自分が着てみたかっただけなんじゃないでしょうか。
ワタクシとジンは冷たい視線で彼を見つめました。
「まぁ、着用イメージが無いよりはいいかしら……」
「サイズ調整ができるPRにはなるんじゃないですかね」
アレクは足を大きく開いたり四つんばいになって猫みたいなポーズをとったりと、グラビアのような仕草をしては、シャッターを押すように催促します。
「あぁ……ワタクシのスマホが汚れる。とてもつらい」
「なんだよ、もっと感謝しろよ。俺が着なかったらこの衣装、オマエが着ることになってたんだぞ」
確かにこれを自分が着ることになっていたらと思うとゾッとしたので、兄が変態でよかったと思い直し、言われるまま念入りに撮影しました。
その結果、出来上がった通販サイトにはアレクによる着用イメージの写真が10枚も掲載されたのです。
「いくらなんでもこんなにたくさん載せる必要は無かったんじゃ……」
「あらぁ、だっていっぱい撮影したからもったいないかなと思って。これでも厳選したのよぉ~?」
正直、商品の魅力はまったく伝わってこなくて、アレクが卑猥な格好をしていることしか印象に残らないのですが大丈夫なんでしょうか。
こんなの絶対売れないだろうなぁと思いつつも、ワタクシはなりゆきを見守っていました。
そして通販サイトが公開されてから数日後――
『なんで男が着てるんだよwwww』
『無理やり着てて草』
『イケメンの無駄遣いwww』
『なんでこんなにこいつ楽しそうなんだw』
こんな感じのコメント付きでアレクの写真が散々インターネットで弄られた結果。あっという間にドスケベセクシートナカイは完売してしまいました。
「目立ったもん勝ち、ということなんでしょうか。世の中というのはわからないものですねぇ……」
完売してホクホク顔のジンと俺のおかげだとふんぞり返るアレクを眺めながら、店のカウンターで紅茶を飲みつつワタクシはそんな感想を述べたのでした。
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