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ここは何処
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目が覚めたら知らない天井が目に映る。夢だと思ったから寝返りをうって二度寝を決め込もうともう一度意識を手放した。
「…くだ、さい」
「んー…」
「起きてください」
「もうちょっと…」
知らない人の声がする。私昨日は、家で1人飲んでほろ酔い気分だった。そのまま寝たはず…なんで知らない人の声がするんだろう。重たい瞼を開けると夢で見た天井とイケメン。
「あ、目が覚めましたか?」
「…だ、誰ですか?」
これは夢の続きなんだろうか、シーツの下を覗けばいつも家で着ているキャミソールショートパンツ。肌触りがいいお気に入りの奴だ。恐る恐るイケメンの方を見ると微笑まれた。金髪に碧眼どこぞの王子様って感じだし、心なしか周りのものが高級感に溢れてる。
「僕はクラレンスと申します。貴方の名前を伺ってもいいですか?」
「玲美、です」
「レミですか良い名前ですね。」
「はぁ…あのここはどこですか?」
「僕の家です。」
「あなたの家…、私、家に帰らないと。貴方は私をどうやってここへ連れてきたのですか?」
「道端で行き倒れていました。この国は治安がいいとはいえ、その格好のままでは危ないので連れてきました。」
「それはお手数おかけしました。家に帰ります。」
「その格好で帰るのですか?」
とても不思議そうな顔をされた。確かにキャミソールに短パンじゃ、露出多いけど夏だしさっさと帰れば済む話じゃないのか。
「今はこれ以外の服がないので、そうなりますね。」
「そう、ですか…」
ふと窓の方へ目線を投げると、知らない街並みがあった。こんなヨーロッパっぽい街並み私の住んでいた周辺にはない。おかしい、これはおかしい。家から出た記憶もないし、私の住んでいた国でもない。そりゃあこんな格好でいたら不思議な顔をされるわ。
「夢、これは夢だわ…」
「え?」
ポツリと出た言葉を聞かれてしまった。口元を抑えたけど既に遅い気がする。
「いえ何でもありません、お気になさらないで下さい。わざわざ泊めていただいて助かりました。
」
とりあえずここを出て衣食住を確保しないといけない。慣れてきたら自分の家に戻る方法を探そう。
「もう出ていきますので、出口を教えていただけますか?」
シーツをめくって立ち上がる。もちろん私は裸足なわけで絨毯の感触がもろに伝わる。予想はしてたけど高級なやつだわ、これ。案内してもらおうとクラレンスさんを見ると固まってた。
「クラレンスさん?あの-、出口を教えていただけますか?」
「っ…!」
声をかけただけで一歩下がられた。うーんこれは嫌われてるっぽい。せめて方向だけでも教えてくれれば出て行くんだけどなぁ。扉の近くで控えていたメイドさんがクラレンスさんに声をかけた。
「クラレンス様、流石に女性をあの様な姿のまま外に追い出してはなりません。」
「…ああ、では彼女が外に出られるよう仕度を整えてくれ。リリー頼んだぞ」
「かしこまりました。」
リリーという名前らしいメイドさんに案内されあれよあれよと身支度を整えられてしまった。こんなおもてなしをされるなんてやはり夢オチな展開になるのだろうか。言葉が通じる時点でおかしいし、この世界観だって二次元過ぎる。
「…くだ、さい」
「んー…」
「起きてください」
「もうちょっと…」
知らない人の声がする。私昨日は、家で1人飲んでほろ酔い気分だった。そのまま寝たはず…なんで知らない人の声がするんだろう。重たい瞼を開けると夢で見た天井とイケメン。
「あ、目が覚めましたか?」
「…だ、誰ですか?」
これは夢の続きなんだろうか、シーツの下を覗けばいつも家で着ているキャミソールショートパンツ。肌触りがいいお気に入りの奴だ。恐る恐るイケメンの方を見ると微笑まれた。金髪に碧眼どこぞの王子様って感じだし、心なしか周りのものが高級感に溢れてる。
「僕はクラレンスと申します。貴方の名前を伺ってもいいですか?」
「玲美、です」
「レミですか良い名前ですね。」
「はぁ…あのここはどこですか?」
「僕の家です。」
「あなたの家…、私、家に帰らないと。貴方は私をどうやってここへ連れてきたのですか?」
「道端で行き倒れていました。この国は治安がいいとはいえ、その格好のままでは危ないので連れてきました。」
「それはお手数おかけしました。家に帰ります。」
「その格好で帰るのですか?」
とても不思議そうな顔をされた。確かにキャミソールに短パンじゃ、露出多いけど夏だしさっさと帰れば済む話じゃないのか。
「今はこれ以外の服がないので、そうなりますね。」
「そう、ですか…」
ふと窓の方へ目線を投げると、知らない街並みがあった。こんなヨーロッパっぽい街並み私の住んでいた周辺にはない。おかしい、これはおかしい。家から出た記憶もないし、私の住んでいた国でもない。そりゃあこんな格好でいたら不思議な顔をされるわ。
「夢、これは夢だわ…」
「え?」
ポツリと出た言葉を聞かれてしまった。口元を抑えたけど既に遅い気がする。
「いえ何でもありません、お気になさらないで下さい。わざわざ泊めていただいて助かりました。
」
とりあえずここを出て衣食住を確保しないといけない。慣れてきたら自分の家に戻る方法を探そう。
「もう出ていきますので、出口を教えていただけますか?」
シーツをめくって立ち上がる。もちろん私は裸足なわけで絨毯の感触がもろに伝わる。予想はしてたけど高級なやつだわ、これ。案内してもらおうとクラレンスさんを見ると固まってた。
「クラレンスさん?あの-、出口を教えていただけますか?」
「っ…!」
声をかけただけで一歩下がられた。うーんこれは嫌われてるっぽい。せめて方向だけでも教えてくれれば出て行くんだけどなぁ。扉の近くで控えていたメイドさんがクラレンスさんに声をかけた。
「クラレンス様、流石に女性をあの様な姿のまま外に追い出してはなりません。」
「…ああ、では彼女が外に出られるよう仕度を整えてくれ。リリー頼んだぞ」
「かしこまりました。」
リリーという名前らしいメイドさんに案内されあれよあれよと身支度を整えられてしまった。こんなおもてなしをされるなんてやはり夢オチな展開になるのだろうか。言葉が通じる時点でおかしいし、この世界観だって二次元過ぎる。
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