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泡立ちたいビールくん
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彼の名前はビール君。
最近サラリーマンに買われたばかりの新人ビールだ。
彼には夢がある。
それは泡立ったビールになる事だ。
彼は麦だった頃から自分がビールになって泡立った姿を想像しては悦に浸っていた。
そのくらい泡立ったビールに憧れていた。
そしてついに時は来た。
ビール君を買ったその男は缶の蓋を開け、ついにコップに注ぎ始めた。
こぽこぽこぽ…ぶびぃ~
ビール君は自分が注がれ泡立っていく音に耳を澄ませていた。
これが幸せの音なんだと。
さぁ後は僕を飲んでおくれ!極上の泡立ちを喉で感じてくれ!
そう思っていた。でもその男は普通じゃなかった。
何という事だろう。彼はコップに入れたままビール君を放置したのだ!
早く飲んでよ!気が抜けちゃうよ!泡が消えちゃうよ!
そんなビール君の叫びが聞こえるはずもなく。その男はビール君を放置してトイレで用を足した後寝てしまった。
ビール君は悲しかった。
そして夜が明けた。
土曜日の朝。その男はすっかり気の抜けたビール君をしばらく見つめた後ぐいっと飲み始めた。
10秒とかからず飲み干すとすぐにトイレに向かった。
なんで朝から飲むんだろう。なんで昨日の夜に飲んでくれなかったんだろう。もう気が抜けちゃったよ。泡立ってないよ。
ビール君はとても悲しかった。
泡立った自分を飲んで欲しかったのに。
一晩ですっかり気が抜けてしまったビール君は泡立つ事だけを夢に見ていた自分の人生の最期を振り返ると静かに胃袋に溶けていった。
男はビールを飲み干した後にトイレに向かうと便座に座りおしっこをした。
男は糖尿病だったのだ。
糖尿病はおしっこが泡立つのだ。
おしっこになったビール君は男の体外に排出されたその時ビールだった時よりもっと泡立っていた。
彼は最後の最後で自分の夢を叶える事ができたのだ。
めでたし
最近サラリーマンに買われたばかりの新人ビールだ。
彼には夢がある。
それは泡立ったビールになる事だ。
彼は麦だった頃から自分がビールになって泡立った姿を想像しては悦に浸っていた。
そのくらい泡立ったビールに憧れていた。
そしてついに時は来た。
ビール君を買ったその男は缶の蓋を開け、ついにコップに注ぎ始めた。
こぽこぽこぽ…ぶびぃ~
ビール君は自分が注がれ泡立っていく音に耳を澄ませていた。
これが幸せの音なんだと。
さぁ後は僕を飲んでおくれ!極上の泡立ちを喉で感じてくれ!
そう思っていた。でもその男は普通じゃなかった。
何という事だろう。彼はコップに入れたままビール君を放置したのだ!
早く飲んでよ!気が抜けちゃうよ!泡が消えちゃうよ!
そんなビール君の叫びが聞こえるはずもなく。その男はビール君を放置してトイレで用を足した後寝てしまった。
ビール君は悲しかった。
そして夜が明けた。
土曜日の朝。その男はすっかり気の抜けたビール君をしばらく見つめた後ぐいっと飲み始めた。
10秒とかからず飲み干すとすぐにトイレに向かった。
なんで朝から飲むんだろう。なんで昨日の夜に飲んでくれなかったんだろう。もう気が抜けちゃったよ。泡立ってないよ。
ビール君はとても悲しかった。
泡立った自分を飲んで欲しかったのに。
一晩ですっかり気が抜けてしまったビール君は泡立つ事だけを夢に見ていた自分の人生の最期を振り返ると静かに胃袋に溶けていった。
男はビールを飲み干した後にトイレに向かうと便座に座りおしっこをした。
男は糖尿病だったのだ。
糖尿病はおしっこが泡立つのだ。
おしっこになったビール君は男の体外に排出されたその時ビールだった時よりもっと泡立っていた。
彼は最後の最後で自分の夢を叶える事ができたのだ。
めでたし
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