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恋の影
洗濯物を盗んだ犯人
しおりを挟む「……あと青いTシャツと、
黒地にピンクの薔薇がプリントされたブラ。これもまたお気に入りです」
千鶴さんは顔をポッと赤らめながら、恥ずかしそうにそう言った。
え……、
言ってる意味がよく分からない。
まさか……嘘でしょ……?
私は真意を確かめるために、
思い切って質問をした。
「あの、千鶴……さん。
それってもしかして……、
ベランダに干してあった洗濯物を盗んだってこと、ですか?」
私が自信なさ気にそう言いうと、
3秒ほど沈黙が流れた。
千鶴さんはポカンと呆気に取られた顔をした。
ヤバ!私ったら、何かの誤解か聞き間違いをしたんだわ……恥ずかしい。
「……あ、そんなワケないですよね!
私、何バカなこと言って……」
「ハイ、盗みました!
ふぅ……あまりにも良い匂いがしたもので、つい……」
その信じられない台詞が彼の口から放たれた瞬間、
私の脳天に雷が落ちてきた。
千鶴さん……いや、この男は……、
「変態……!!」
だったのだ。
「へんたぁぁぁああい!!」
私の雄叫びは星が瞬く夜空に響き渡り、その声に反応した野良犬達が遠吠えした。
「そんなに喜ばないで下さいよ、澪」
いきなり呼び捨て!?……って、喜んでない喜んでない喜んでないぃ!!
この人の感受性、絶対おかしい!
千鶴さんは怪しく笑いながら、遠ざかった私の側にゆっくりと近付いて来た。
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