Shadow★Man~変態イケメン御曹司に溺愛(ストーカー)されました~

美保馨

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恋は1対1

コタツの下で…

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「……きっ……!!」


私は両足に感じる感触に耐え切れず、キモイと言いかけた。
真面目に気持ち悪い。

いや、本来ならこんな美形とコタツの中でイチャコラしてたら、間違いなく照れるだろうけど……。


中身がコレだしなぁ。

千鶴だしなぁ。
変態だしなぁ。
藤堂千鶴だしなぁ。


あ、今2回同じ単語を思い浮かべちゃった。いや、3回か?
千鶴と変態は同義語だものね。


「……おい。」


「はい?」


「足!」


「え?」


「あしっ!!」


「足がどうかしましたか?」


う~ん。変態な上に天然ときたか。いや、それともとぼけているだけかも。
……どちらにしろ一筋縄ではいかないわね。

私は怒りの峠を通り越し、『冷静な対話』を何とか試みた。


「だから、足、止めてくれない?
アンタ、さっきから足絡めてるでしょ!」


ガスンガスンと千鶴の足を蹴りまくりながら私は言った。
なのでテーブルが少し浮いた。


「ああ、すみません。」


「ホントもういい加減にしてよね。」


「いやいや、まだ良い加減ではありませんよ。もう少ししたら大分良い感じになりますけど。」


ーーモソモソ


「う!」


この野郎……!

つま足で私のスエットの端を掴んで、脱がせようとしやがった……。

しかも、しれっとした顔して!


「何が良い感じだよ馬鹿野郎!」


ーーガスン!

ーーバコン!


「ぅぐしッ!」


とうとう私はそのセクハラにキレ出し、両手を勢い良くテーブルに叩き付けた。

するとその反動でテーブルはガスンと音を立てて跳ね上がり、バコンと千鶴のアゴに命中した。

アゴを両手で押さえながら千鶴はテーブルに顔を埋め、プルプルと体を震わせている。


「ねぇ、何で考えて行動しないのよ。私は昨日から嫌だって言ってるんだよ?
そんなに叩かれたいワケ?
もしかしてアンタ、M……?」


私はうずくまっている千鶴を覗き込み、観察するようにまじまじと見た。


「はい、愛を感じますね。」


そう言いながら千鶴は心なしか顔を輝かせ突然シャキッと上半身を起こしたので、私は驚いて煙草の灰をテーブルに落としてしまった。 


 
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