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恋の矢印
傍観者
しおりを挟む「‥‥すごい。そんなに考えて、疲れないッスか?
それにそのナゾナゾの答えは、
必ずしも自分ひとりで解かなきゃいけないってルールも無いんスよ?出題者と、ゆっくり楽しみながら考えていってもイイじゃないッスか。」
「それは‥‥。」
「藤堂先輩なら、必ず、絶対、
アネゴが納得するまで一緒に考えてくれますよ。」
「それは、『鴨』じゃなくて?」
私は茶化しながら総大くんの真面目な話に水を差す。
「鴨じゃないッス。確信ッス。
オレが言うんだから、間違いない。藤堂先輩なら望むようにしてくれると思います。」
『と思います』‥‥憶測な言い回しだけど、何故かハッキリ断言したので、私は口を挟めなかった。
「っていうか、ただ単に、オレが藤堂先輩のこれからの行方を傍観していきたいだけなのかも。
超貴重だから、あの笑顔は。
こんな発言、失礼かもだけど、
本当に興味あるッス。
先輩の心をこんなにも変化させた理由が。」
そう言って、私をまじまじと見つめた。観察するかのように。
「‥‥勝手にしたら?
総大くんが思うような展開にはならないと思うケド。」
お生憎様。私は臆病なんだ。
「アネゴは、変わりたいとは思わないんスか?」
「‥‥それは思うよ?誰だって思うでしょ。
ネガティブな人間なら余計に。
私がそうだから。だから、願望止まり。
なかなか変われないよ?人間。」
「そうかなぁ~。」
「そうだよ。」
私達は真冬の外で、何を討論しているの?
これが私のドラマなら、即打ち切りだ。何て詰まらない。
早く主人公の相手とイチャつかせなきゃ、観客が飽きちゃうわ。
そんなことを考えながら、
藍色に濁った空を見上げる。
――千鶴は、もう帰ったかな
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