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恋はさざ波に似て
どうしてここが分かった
しおりを挟む……ん?先生、いつの間にそんな低い声になったんだ?
なんて頭をよぎらせた瞬間に、探知機のごとく声の主を察知出来た自分が恨めしい。
こともあろうか、いまだに私は夢の中にいるらしいのだ。
あの男がここにいるはずないんだから。
……ん、いや待てよ。
……いる……いる!
いますよ!襖を背にした変態が!
バッチリ私の方に流し目寄こしながら、流れる髪を掻き分けてポーズ決めてますから!
この旅館どうなってんの!
害虫湧いてるから!
「あ、アナタは!?いつの間に!
この部屋に、どうして!誰なの!?」
先生のおっしゃる通り。
それは私も知りたいところだ。
「……いいえ、そんなことはこの際どうでも良いわ!
名前を教えて下さいな!あ、あと電話番号もね!!」
え、えええ。
「まあ落ち着いて下さい。
それは後にしませんか?
それより先にお礼を言わせて下さい。僕の恋人を助けて下さって……何と申し上げたら良いのか……心より感謝を捧げます、マダム」
「ひゃっ、まっ!
なんて……マダムだなんて、この人ったらもぉ~!
土屋さんの彼氏なのね!?
もぉ~マダムだなんて……困りますわぁ」
開いた口が塞がらねぇ。どうしてオマエがここにいるんだよ。
それにしても女を虜にしてしまう早さが尋常ではない。
不審者と思わせる前に、その美貌で一目惚れさせてしまうんだから。
明らかに、不審者なのにね!ね!?
絶対怪しいじゃん!
……まあ、何でもイイけど。
とりあえず、
恒例のコレだけは言わせて?
何で私がこの旅館に来てるって
知ってるのよ!!
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