232 / 399
恋の焼け痕
やすむ
しおりを挟む明くる朝、私はあれからほとんど睡眠を取れなかった自分に舌打ちをした。
おかげで頭の中は、モヤモヤと煙をまとったような不快感でいっぱいだ。
溜め息をまた1つ、2つ。
吐き過ぎて、呼吸困難になりそうだわ。
ふしゅ~、と萎んでいく風船を思いながら学校の支度をしていると、目覚めパッチリの凪が自室から出てきた。
「ふはぁ~。ひゃ~よく寝た!おはよ、お姉っ」
私の中のテンションというモノが、ガタガタに落ちていったのが分かった。
「おはよ」
「あれ~、いつにも増して寝起きサイアクじゃない?
ってか、クマ出来てるよ!?あ!お肌荒れてる!イヤ~!」
「あっそ」
「マジだよ、ほら鏡見なよっ。
も~、寝不足は美容の大敵なのよ?基本中の基本でしょー?
イヤ~もぉ~っ」
心底、その『イヤ~もぉ~っ』の意味が分からない。
それほど私に取って、美容は大した意味を持たないというコトだ。
しかし自分の片割れは、その美容とやらに生きているようなモノ。
土屋凪の脳内構造は、美容で埋め尽くされていると言っても過言では無い。
もうアレだ、全身美容整形疑惑のあるゴージャス姉妹の一員にでもしてもらえればイイ。
そんなコトをぼんやり考えながら、私は凪を堂々と無視する。
「ねー、ねー、私ぃ、今日、
やすむ!」
やすむ?何だソレ。
いつから2月14日は祝日になったのだろうか。
「ねーってば、別にイイでしょ?
もぉどーせ留年決定だしさー」
「は。マジで言ってんの?
親に泣いて謝れば?」
この親不孝者め。
しかしその後に加えられた凪の発言によって、私は尚更そう思うのだった。
「それにね、だってね、
バレンタインなんだからさ!」
だって、聞きました?
勉学に励む、全国の学生諸君に問いたい。
そんな理由で学校を休んでもイイ決まりがあるの?
それを知らないのは、時代遅れの私だけでしょうか。
目を点にして、浮かれはしゃいでいる不肖の妹を見つめながらそう思う。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる