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少女の恋
切符を購入しようとするが
しおりを挟む廊下に出ると少女は窓から中庭を眺めた。
雨が降りそうだ。
どんよりと憂鬱な灰色は、少女の心の片隅にあった不安を膨張させた。
「そういえば、どうやって会ったらいいんだろう。その子に」
ポツリとそう呟くとほぼ同時に、雨の音が院内中の窓を叩き始めた。
その雨が止む頃には少女の家族が現れると、家族は少女の入院生活で使用した荷物をたくさん持ち、少女は母親の手に引かれ部屋を離れた。
後ろ髪引かれる想いで皐月のいる部屋を振り返ったが、早足の母親はそれを待ってはくれず、次第に自動ドアの向こうへ消えて行った。
残りの五十羽を、今度はいつ届けられるだろうか。
学校に通えるようになってからも少女は鶴を折り続け、その日を願った。
少女が通っていた病院は自分が住む家から遠くにあったので、少女は交通手段を考えなくてはならなかった。
丁度その日は家庭訪問週間のため午前授業で終わった。
レジ袋に納まる山盛りになった折鶴を片手に、少女は内緒で忍ばせていた財布をランドセルから取り出すと、学校から徒歩5分の駅へ向かう。
しかし、問題があった。
駅まで辿り着いたはいいが、販売機の前で少女は立ち尽くしてしまった。
切符を購入しようとお金を入れた途端、たくさんのボタンが点滅した。
どれを押せば病院へ行けるのか、少女には検討も付かない。
『もっと調べてからにすれば良かった』
肩を落とし困ったように少女が立ち往生していると、それを見かねた駅員が話しかけてきた。
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