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また恋に堕ちる
度肝を抜かされる膝枕
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何かの合図を受けたようにして、私の瞼は開かれた。
頭が痛い。吐き気がする。
体中が硬直している。
私は棒のようになり果てた体を起こそうとした。
「!?」
目が合った。
「……~!?」
ああ、もう、何もかも思い出したよ。
頭の中でモヤを作っていた巨大なプールは、目の前の人物の目を見たことによって俄かに消えていった。
私の中に残るのは、かつてないほどのリアルな現実だけ。
……いや、前言撤回。
これ、現実ですか。
こともあろうに目覚めた私の体は教会の長椅子に横たわっていて、なんと、火傷の男——紫伸さんの膝の上に頭を置いていたのだ。
目が合うっていうか、もう。
見下ろされてるっていうか。
思わず条件反射的にその場から飛び退いてしまった。
「あ、これ……?」
その時気付いたのだが、上半身には上着が被せられていた。
私はその男物の、明らかに目の前の人物の物である上着を手繰り寄せながら眉間に皺を寄せる。
何コレ。
お礼とか言った方がイイわけ?
突然押し倒されて、服破かれて、それじゃ寒いからって上着を被せられて、椅子じゃ固いからって膝枕をさせられて。
記憶が正しければ、前半と後半では扱われ方が天と地ほども差があるのですが。
この場合でも、お礼はしなければいけないのでしょうか。
そんなことを警戒しながら思っていると、薄着の紫伸さんが口を開いた。
「そのまま寝てれば良かったのに」
ドアホ。
散々酷いことを晒しておいて、何じゃその生ぬるい発言は。
「上着、ありがとうございます」
ふんぞり返って、皮肉たっぷりの礼で返事を返した。
「……うなされていた」
「ええ、そうでしょうとも!」
あんなことをされた後じゃね。
人が変わったように強気な私に、紫伸さんは訝しげな眼差しを寄越してきた。
一方の自分は何故か更に気が大きくなってしまい、鼻でフン!と鳴らす始末だった。
驚き。
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