竜と姫と悪の教団

ダイヤのT

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終章:真の平和を求めて

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 教祖が燃え尽きた後、アレサ、マーガレットと義兄弟たちはただ蒼ざめ、立ち尽くしていた。そんな彼らを更なる絶望が襲う。
 神殿が揺れ動き、暗黒のエネルギーが放たれたのだ。
「まさか…これが魔王復活の兆しなのか?」
 神殿の崩壊を乗り越え、アレサたちは外に出た。しかし、彼らの勝利の余韻に浸る暇はなかった。突如、空が暗雲に覆われ、地面が揺れ始める。
 そこに現れたのは、教団の背後に潜む黒幕、魔王だった。
 魔王の姿は、暗黒の雲に包まれた高い城の頂上に立つ威厳ある存在。身にまとった漆黒の甲冑は、赤い宝石が散りばめられ、冷たい月光を反射して不気味に輝いている。顔は鋭い特徴を持ち、目は燃えるような赤色で、見る 者の心に恐怖を与える。長い黒髪が風に揺れ、背後には巨大な翼が広がっている。
「手こずらせてくれたな人間ども!お前を殺した後は、すべての人を暗黒へ葬り去ってやる。そしてこの地は全て私のものになるのだ!」
 魔王は大地を揺るがす声で叫んだ。その圧倒的な存在感に、仲間たちは思わず息を飲んだが、アレサだけは一歩前に進み出た。
「私たちは諦めない!真の平和を取り戻すために、立ち向かう!」
 その叫びは、仲間たちの心に火を灯す。
「行くぞ!」
 アレサの掛け声と共に、仲間たちが一斉に魔王に飛びかかった。魔王の剣と強力な魔法の激突が巻き起こり、地面を抉る。マーガレットと義兄弟たちも集結し、強力な陣形を組んで魔王に立ち向かう。マーガレットは強力な呪文を唱えてアレサを救い、ジョバンニは闇を切り裂く剣を手に魔王に立ち向かった。
「貴様らに何ができる?」
 魔王は嘲笑し、手をかざす。周囲の魔力が一斉に集まり、彼の身の回りで邪悪なエネルギーが渦巻いていく。
 彼女は剣を握り締め、巨大な魔法の刃を振るいながら叫び続ける。
「もう誰も悲しむ人を作らせない!私たちが変えるんだ!」
 やがて、戦いの中で一瞬の隙が生まれる。魔王は狂気に満ちた表情を浮かべ、魔法攻撃を浴びせ始める。
 そんな中、アレサたちは、互いの力を信じて団結した。
 マーガレットが魔法の盾を展開し、テレジアが前線で攻撃を受け止め、キルエリッヒは仲間に魔法を注ぎ込み、力を引き出していく。ジョバンニと義兄弟たちは二人一組で行動し、敵を分断しながら的確に攻撃を仕掛けた。アレサは一歩引いて戦況を見守りながらも、その目は希望で燃えていた。
「今だ!」
 仲間たちが魔王の注意を引き付けている隙に、アレサは最後の一撃を放つ。剣から放たれた光の刃が魔王に直撃し、激しい衝撃と閃光が周囲を包む。煙が晴れて見えたのは、いかにお前らの攻撃は通じないとでも言いたげな魔王が、冷たい眼差しで彼女らを見下ろす姿。
「なんとも小賢しい人間どもよ……。で、これがなんだというのだ?」
 魔王は嘲笑を浮かべ、指をパチンと鳴らす。すると、復活した教団の魔導兵器が再び活動を開始し、彼女らに迫る。アレサは仲間たちに指示を飛ばし、魔導兵器と魔王に立ち向かう。しかし、圧倒的な力の前になす術なく追い詰められていく。
「ここまでか……!?」
 絶望に打ちひしがれるアレサたち。
しかし、その時、遠くの方から声が聞こえた。
「諦めないで!」
その声は紛れもなく、信じていたもの――マーガレットだった。彼女は旅の中で少しずつ勇者の資質を開花させ、遂には仲間をサポートする強力な魔法を操ることができるまでになっていた。彼女の放った魔法の矢が魔導兵器を貫き、その動きを止める。その隙にアレサたちは態勢を立て直す。
 そして再び、魔王との決戦に挑むのだった!
「この程度か? 人間どもよ。」
 魔王は嘲笑し、その背後から再び巨大な漆黒の爪を現した。アレサはその攻撃を防御するも、地面がひび割れる。仲間たちもその猛烈な攻撃を受け止めていた。しかし、もう時間は残されていなかった。テレジアの顔には疲労の色が見え始め、マーガレットも魔力の限界が近かった。ジョバンニは剣を振るいながら、「このままでは……」と呟く。
「諦めちゃだめ!」とアレサは叫び続ける。
「私たちが変えるんだ!この闇から、みんなを救い出してみせる!」
 彼女は残された力を振り絞り、剣技を繰り出した。大地は激しく揺れ動き、仲間たちも必死に戦う。
 魔王は嘲笑し、「その程度では私は倒せない」と言い放つ。その最中、ついにアレサの剣が魔王の体を貫く! 魔王は痛みと屈辱で顔を歪める。
「貴様……余計なことを!」
 激しい戦いの中で、勇者たちは果敢に立ち向かった。
マーガレットは一人一人の心に力を与えるため、彼女に特別な魔力を供給し続けた。仲間たちは集中力を高め、心を一つにして戦った。そして遂に、アレサは再び立ち上がる。
「今です、姫様!一緒に力を合わせましょう!」
 マーガレットの声が響く。
 アレサは仲間たちの力を感じ取り、決意を新たにした。彼らはそれぞれの魔法を集結させ、壮大な魔法陣を描く。アレサはその中心に立ち、仲間たちの力を受け入れた。
「私たちの願いを込めて、全力を尽くす!」
 魔法陣が光り輝き、魔王に向かって放たれると、彼の周囲の魔力が一瞬揺らいだ。
「なんという力だ…!」
 魔王は驚愕の表情を浮かべて叫ぶ。光の束が魔王に直撃し、彼は一瞬後退した。しかし、魔王はすぐに立ち直り、怒りの表情で反撃を開始する。
「それがどうした。貴様らの力など、私には通じぬ!」
 魔王の爪が襲いかかる。ジョバンニとテレジアはそれを防御し、マーガレットが遠くから魔法攻撃で援護する。しかし、その力は拮抗していた。マーガレットは焦りながらも、必死に呪文を唱え続けた。
「まだです、姫様!もっと力を!」
 アレサは目を閉じ、心を一つにして集中した。仲間たちの力が彼女に流れ込み、彼女の剣に光が集まる。
「今だ!」
 アレサは剣を振り下ろす。その一撃は巨大な稲妻となって魔王に直撃し、辺りを照らす。空を覆う邪悪なエネルギーがかき消され、激しい光が遺跡を包み込む。そのすさまじい威力に、仲間たちも目を見張った。
「なぜだ……!人間がこれほどまでの力を!?」
 魔王は苦悶の声を上げる。
 光に包まれた遺跡で、アレサは膝をつく。額に汗を流しながらも、「終わりにしよう……」と呟いた。
「おのれ……!」
 魔王は怒りの声を上げ、最後の力をふり絞るかのように、その巨大な爪をアレサに振り下ろす。しかし、アレサはその一撃を受け止め、仲間たちも一斉に攻撃を始める。激しい戦いが繰り広げられる中、アレサの剣が魔王の体を切り裂く。魔王はよろめきながらも、「人間ごときが……!」と叫ぶ。
「私たちは諦めない!この闇から、みんなを救うんだ!」
 アレサの決意が、仲間たちにも力を与える。ジョバンニと義兄弟たちが連携して攻撃をしかけ、マーガレットの強力な魔法が魔王に襲いかかる。
「小癪な……!」
 しかし、魔王はそれでもなお倒れなかった。彼は怒りの表情を浮かべ、その体から邪悪なエネルギーを解き放つ。その衝撃によって、仲間たちが吹き飛ばされた。
「終わりだ!」
 魔王は再び魔法を放とうとする。アレサは息切れしながらも立ち上がり、必死で剣を振るう。仲間たちも彼女に力を与え続け、最後の力を振り絞って再び立ち上がる。
「負けられない!私たちなら、この闇を終わらせられる!」
 アレサの激しい叫びが戦場に響き渡る。仲間たちもその想いに呼応するかのように力を振るう。
魔王は嗤い、「ちっぽけな貴様らの力が何になるというのだ」と問いかける。しかし、彼らは諦めない。力を振り絞り、果敢に立ち向かう。
そしてついに、アレサの剣が魔王の体を貫く!魔王は苦悶の表情を浮かべ、その体から邪悪なエネルギーを解き放とうとする。しかし、マーガレットの魔法によってそれは阻止され、神殿の崩壊が始まる。
「これで終わったのか?」
 アレサは呟く。しかしそれでも魔王はしぶとかった。
 「な、んで・・・・・・」
 アレサ達は皆、蒼ざめた。
 そこへすかさず魔王は爆発の魔法を使い、六人を吹っ飛ばした。
 強烈なその攻撃を食らった六人は、なす術もなく転がっていた。
 それでもあきらめることなくマーガレットは、皆に回復の魔法をかける。
「回復させるのは勝手。だからといって私に勝てると思うたら大間違い。不死身の私を倒せる者などあろうはずがない!」
 魔王は全身から怒りを解き放ち、衝撃波を地面に叩きつける。とたんに大地は引き裂かれ、六つの足場が荒野の中に現れた。アレサたちは急いで武器を握り締め、巨大な奴を倒すため足場を転々とした。そしてアレサは駆け上がり、マーガレットは再び彼女へ回復魔法をかける。ジョバンニと義兄弟たちもそれぞれの武器を手にして、魔王への接近を試みた。
 しかし、魔王の強力な攻撃に阻まれてなかなか近づけない。そこでマーガレットは決意の表情を浮かべ、最後の力を振り絞り魔法を発動した。巨大な魔王の足の下から空まで届く魔法陣が現れ、神聖な結界を作り出す。
「皆、このまま進むのです!」
 マーガレットの声に応えて、ジョバンニとテレジアが隙間を縫って先へ進む。しかし、魔王は怒り狂い、その爪を振り下ろそうとする。
 その時、アレサの剣が魔王の体を貫く。
「今だ!」
 アレサがそう叫ぶと、その声に合わせて仲間たちが一斉に攻撃を始める。マーガレットの魔法が魔王に直撃し、テレジアの鋼鉄をも切り裂く一撃が魔王を追い詰める。
 ジョバンニは仲間と連携して魔王を押し出し、弱ったところに飛びかかってキルエリッヒが剣を一閃させる。
 緊迫したこの戦いの中で、ついにアレサの剣は魔王の心臓を貫く。
「これで終わったか……?」
 しかし、その瞬間、魔王は巨大な爪を振り下ろし、アレサたちを踏み潰そうとする。その時、マーガレットの護りの魔法が間に合い、それは防がれた。
 激しい戦いの中、ジョバンニとテレジアの攻撃は次々と魔王に致命傷を与えていた。
 キルエリッヒの剣が魔王の動きを封じると同時に、マーガレットは大掛かりな回復魔法を繰り出す。仲間たちの連続攻撃にたまりかねた魔王は怒りを爆発させ、再び強力な魔法を放つ。
 マーガレットは瞬間的な攻撃を受けて倒されてしまい、魔王が立ち塞がる。しかし、それでもなお、テレジアは槍を構えて突進し、ビルヘルムが必殺の矢を放つ。さらにキルエリッヒとジョバンニも続けざまに攻撃を与え、ついに最後の力を振り絞ったアレサの剣による一撃で魔王にとどめを刺した。
「この私が…敗れるとは…」
 魔王は絶叫と共に地面に崩れ落ち、そのまま息絶えた。
「これで終わったんだ……」
 アレサは安堵のため息をつき、仲間たちも顔を見合わせる。そして彼らは勝利を祝い合い、魔王を倒したことで世界に平和が訪れた。人々は闇の存在から解放されたことに喜び、王国民の7割が犠牲になった戦争もようやく終わりを告げた。
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