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再会
しおりを挟むハルトは複雑な思いで議員の家を後にした。来た時と同じように、恐る恐る吊り橋の下を覗き込み、数歩後ろへ下がってジェットブーツを加速して一気に渡り切ると、後は力を使い果たしてノロノロとエレベータに乗り込み、なんとか自分の部屋まで帰り着いた。
ハルトはどっと疲れてリビングのソファに倒れ込んだ。頭の中を上手く咀嚼できないままの議員の言葉がぐるぐると回る。
不意にドアのロックを解除する音がして、部屋に短髪の統制局員が入ってきた。後ろに続いて入って来る長身の人影を見て、ハルトは声を上げた。
「シュイ!」
「議員からS75316を隔離室から出すよう通知があった。丸一日はこの部屋で謹慎だ。その後の処遇は追って連絡する」
局員はソファから立ち上がったハルトをじっと見つめると、身を翻して部屋を出て行った。ドアを外側からロックする音がする。力尽きたようにその場にしゃがみ込むシュイに、ハルトは駆け寄った。よく見ると顔色が青白い。
「局員に何かされたの?」
「いや、ゼリィ切れだ...」
ハルトは床に座り込んで両手でシュイの頬を包み込むと、躊躇わずに唇を合わせた。舌を差し込んで唾液を送り込む。何度かゴクリと喉を鳴らしてハルトの唾液を嚥下すると、シュイは口を離した。
「...ハルト、足りない」
シュイの顔色が幾分ましになっている。腕を掴まれ熱のこもった目でそう言われて、ハルトは自分の顔が赤くなるのを感じた。
隔離室でゼリィ切れで寝込みながら夢に見たハルトが目の前に居る。シュイはハルトの腕を取り、もう片方の手をハルトの背中に回すと、ゆっくりと床に押し倒した。
「シュイ待って、ベッドに...」
ハルトの声が耳をくすぐるが止められない。ハルトの薄らと赤い首筋に顔をうずめて舌を這わせると、ハルトが泣きそうな声を上げた。
「ここじゃ、いやだ...」
シュイは首筋から唇を離して低く唸るとハルトを横抱きに抱え上げた。大股でリビングを横切ると自室のドアを開けてベッドに下ろす。
ベッドの端に腰かけたハルトのマントを性急に脱がせて床に放り投げると、ラバースーツのファスナーの引き手を摘んで一気に下腹まで下ろした。ファスナーの間からハルトの白い肌が覗く。隙間に両手を這わせて肩から腕の中程までスーツを引き抜いた。じっと見つめる視線に居心地が悪くなったのか、ハルトが頬を赤らめ斜め下を向いて長いまつ毛を瞬かせる。その表情に酷く欲情して、シュイはハルトをベッドに押し倒すと覆い被さって胸元にかぶりついた。
「ああっ」
ほの赤く色づいた胸の飾りを舌で嬲り、もう片方は親指で撫でる。ぴくりと反応して体を震わせるのが可愛くて何度も繰り返した。
ハルトの手がシュイの銀髪を掴む。構わずに胸への刺激を与え続けていると、ハルトがしゃくりあげ始めた。驚いて口を離してハルトの顔を見ると、頬が涙に濡れている。
「ハルト」
「...シュイが、無事で良かった...ご、ごめん急に」
シュイはハルトの頬に口付け、艶やかな黒髪をそっと撫でた。腕の中に抱きしめていると次第に落ち着いてきたようで、ハルトは恥ずかしそうにシュイの胸に顔を押し付けた。
「心配させてすまない。俺もハルトがどうしているか気になって仕方が無かった。統制局員に何もされなかったか?」
「...う、ん、まあ...」
統制局員からキスをされて、胸元を舐められて、裸を見られたとはとても言えず、ハルトは言葉を濁した。ハルトの曖昧な返事を聞いてシュイの表情が険しくなる。
「...続きをしても?」
シュイはハルトの返事を待たずに、ハルトの体にまとわりついたラバースーツを引っ張って脱がせると床に放り投げた。自分のスーツも手早く脱ぎ捨てる。
体を下にずらしハルトの細い腰に腕を回して抱き寄せると、いきなりハルトの中心を口に含んだ。
「あああっ」
ハルトが体を捩るのも構わずに音を立てて吸い上げる。途端に芯をもって勃ち上がり、口の中で存在を主張するのが愛おしい。まさか統制局員もこれを味わったのかと思うと、嫉妬で気が狂いそうだった。口で軽く吸い上げたまま上下に扱いて根本も指で刺激を与えると、ハルトはあっという間に上り詰めて口内に精を放った。
「ひ、あ、ああああ」
ごくりと嚥下して口を離す。顔を赤くして肩で息をしているハルトの額に掛かった髪をそっと指で退けながらシュイは言った。
「...局員に、どこまで許した」
「シュイ...」
答えようとしないハルトに焦れて、シュイは自分の指を舐めるとハルトの後孔に突き入れた。
「あ、あ、」
「きついな。ここは、俺以外に触れさせていない?」
「そんな、の、あるわけ、ない...」
シュイが指を二本に増やす。キツさにベッドをずり上がるハルトの体を、シュイの逞しい腕が引き戻した。
「う、あああ」
「本当に?」
「ほん、とう...」
「では、この裸を見せたことは?」
「それは...」
シュイが奥歯をぎりりと噛んだ。指を引き抜くと自身の怒張を押し当てて、ずぷりと中程まで挿入する。
「あ、ああああああ」
悲鳴じみたハルトの声に嗜虐心を煽られて、細い腰を掴んで根元まで押し込んだ。
「ひ、い、あ、ああああ」
「許せないな」
「ああ、あああああ」
「俺のものだ、俺だけの」
欲望のままハルトを揺さぶり、攻め立てて、ハルトの声が掠れ始める頃、シュイは熱くうねるハルトの中に精を吐き出した。
「シュイ、ごめん...」
シュイの腕の中で息が落ち着くと、ハルトは掠れ声でポツリと言った。
「大方、局員に無理に取引でも持ちかけられたんだろう」
「う...」
シュイはハルトを抱き寄せると首筋に顔を埋めて匂いをかいだ。堪らなく甘い香りが鼻腔をくすぐり胸に満ちる。
「ああ、楽園に居るようだ」
シュイの言葉に、ハルトはぼんやりとした頭で楽園の光景を思い浮かべた。蓮の花が真っ先に思い浮かんで、これでは極楽浄土だと頭を微かに横に振った。
「...シュイ、この星では人が死んだらどうなるの?」
「溶鉱炉に焚べる燃料になる」
「うそ...」
「嘘だ」
「嘘かあ」
「地球では死んだらどうなる」
「僕は、輪廻転生を信じてる。死んだら別の新しい命に生まれ変わるんだ」
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