ドラゴン使いと元神官の奇妙な暮らし〜傷モノ神官はコワモテ軍人に溺愛される〜

江島梓

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第七話 契約

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治療道具が入った箱を漁り、傷口を早く塞ぐ薬を探しながらクルトはまたドラゴンに話しかけていた。


「本当可愛いし賢いね。噛み付いてきたりもしないし。君のご主人様とは性格が全然違うみたいだね」


とろりとした透明な薬を指先で掬い、傷口に丁寧に塗り付け、少し乾かす。
乾かしている間は手持ち無沙汰になったクルトはドラゴンに一方的に話しかけていた。


そうして時間を潰しているとバルハルトが館の中から出てきた。

「一時間たったぞ」

それだけ言うとついてくるように手で示し、クルトは居間に連れて行かれた。

「一体何ですか?やっぱり私をクビにするんです?」


やや食い気味に言うクルトにバルハルトは黙って一枚の紙を突きつけてきた。


「………契約書?」


「そうだ。条件に納得できないのならやめてもらって構わない」


ぶっきらぼうにそう言うバルハルトの手から紙を受け取り、素早く目を走らせた。


「給与は月に金貨五十枚、三食昼寝つき?!おまけに週末にはご丁寧に休日があって、屋敷内は自由に行動していい?!」


あまりにも条件が良すぎる。そもそも金貨五十枚はクルトが神官として働いていた時の給与の三倍ほどである。
それに三食、休日までがついてるなんて破格の待遇であった。

「えっ?嘘でしょ?さすがに食費は給料から引かれるよね?」

驚いてクルトがそう聞くと、バルハルトは眉を上げ、さらりと答えた。

「それもこちらが負担するが?」

あんぐりと口を開け、彼の顔を呆然と眺める。

「衣食住すべてこちらが負担する。お前は仕事だけしていれば良い」

次から次へと疑問が湧いてきて、クルトはバルハルトを質問攻めした。

「ドラゴンの治療が治るまでの契約ということ?」

「いや、その後もここで働いてもらうつもりだ」

当然だ、というような彼の様子に余計混乱した。

「ドラゴンの治療の後の仕事は何をするの?」

「主に私のデスクワークを手伝ってもらう。神官は読み書きができるだろう?もちろん機密情報はさすがに任せられないけどな」


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