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最終話 あなたと出会えて……
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純白のドラゴンは夕方頃にはアーバンライト家に運び込まれ、治療が開始された。
クルトはマティアスを抱っこしながら、ハンスとカイに指示を出して治療の方針を立てていた。
「そこまで酷い怪我じゃなくて良かったですね」
傷口の手当てをしながら言うカイにクルトもハンスも頷いた。軽い火傷と打撲だけで、バルハルトに地上に叩きつけられた割には軽いものだった。
「今頃バルハルトは神殿に乗り込んでいるのかぁ」
驚くべきスピード感で王太子は人身売買を取り締まろうとしていた。商人は拷問にかけられるとあっさりマクシミリアンの名を吐いたらしい。
「まさか国の中枢にいたマクシミリアンが、人身売買に関わっているなんて思いもしなかったからね。国、ひいては王族への信頼にも関わるから急いでいるんでしょう」
この人身売買もクルトがバルハルトに拾われなければ、永遠に露呈することはなかったのだろうそう考えれば、つくづく縁というものは不思議なものである。
それから一ヶ月後、マクシミリアンと人身売買に関わっていた商人、貴族は裁判にかけられマクシミリアンは処刑されることになり、それ以外の者は牢屋に入れられた。
マクシミリアンの犯した罪はあまりにも重すぎたのだ。本来保護すべき対象であった神官を売り飛ばしていたということは、神殿の在り方を根本から揺らがしまた義務を果たしていない、という点が問題になった。
売られた神官の中には既に亡くなってしまっていた者もおり、一連の出来事は解決したものの後味の悪い結果であった。
カイと神官長も証人として裁判に呼ばれ、これまでのマクシミリアンの所業について証言した。
「神官長様はどうなったんだっけ?」
「あぁ、確かマクシミリアンになぜ反対しなかったのか、という点は問題視されていたけど、自身の力の及ぶ範囲で売られそうになった者たちを逃していた、という点から罪には問われないそうだ」
それなら良かったとクルトは息を吐いた。彼には非常に情けをかけてもらっており、彼がいなければクルトも売られていた可能性が高かった。
今後神官長を中心に神殿の立て直しが図られるのだろう。
「なんか疲れちゃったねぇ」
バルハルトに笑いかけながら呟くと、彼も静かに頷いた。バルハルトと出会って一年半ほどしか経っていないのに、二人の間にマティアスが生まれ、マクシミリアンは処刑された。
時の流れはあっという間で、気がついたら物事は移り変わっていく。
「でも本当にあなたに会えて良かったよ」
「私もクルトに会えて良かったと思ってる」
そう言って二人が微笑みあっていると、クルトが抱いていたマティアスもきゃっきゃと笑った。
アーバンライト家には温かな空気が満ち溢れ、クルトは幸福を噛み締めた。
完
クルトはマティアスを抱っこしながら、ハンスとカイに指示を出して治療の方針を立てていた。
「そこまで酷い怪我じゃなくて良かったですね」
傷口の手当てをしながら言うカイにクルトもハンスも頷いた。軽い火傷と打撲だけで、バルハルトに地上に叩きつけられた割には軽いものだった。
「今頃バルハルトは神殿に乗り込んでいるのかぁ」
驚くべきスピード感で王太子は人身売買を取り締まろうとしていた。商人は拷問にかけられるとあっさりマクシミリアンの名を吐いたらしい。
「まさか国の中枢にいたマクシミリアンが、人身売買に関わっているなんて思いもしなかったからね。国、ひいては王族への信頼にも関わるから急いでいるんでしょう」
この人身売買もクルトがバルハルトに拾われなければ、永遠に露呈することはなかったのだろうそう考えれば、つくづく縁というものは不思議なものである。
それから一ヶ月後、マクシミリアンと人身売買に関わっていた商人、貴族は裁判にかけられマクシミリアンは処刑されることになり、それ以外の者は牢屋に入れられた。
マクシミリアンの犯した罪はあまりにも重すぎたのだ。本来保護すべき対象であった神官を売り飛ばしていたということは、神殿の在り方を根本から揺らがしまた義務を果たしていない、という点が問題になった。
売られた神官の中には既に亡くなってしまっていた者もおり、一連の出来事は解決したものの後味の悪い結果であった。
カイと神官長も証人として裁判に呼ばれ、これまでのマクシミリアンの所業について証言した。
「神官長様はどうなったんだっけ?」
「あぁ、確かマクシミリアンになぜ反対しなかったのか、という点は問題視されていたけど、自身の力の及ぶ範囲で売られそうになった者たちを逃していた、という点から罪には問われないそうだ」
それなら良かったとクルトは息を吐いた。彼には非常に情けをかけてもらっており、彼がいなければクルトも売られていた可能性が高かった。
今後神官長を中心に神殿の立て直しが図られるのだろう。
「なんか疲れちゃったねぇ」
バルハルトに笑いかけながら呟くと、彼も静かに頷いた。バルハルトと出会って一年半ほどしか経っていないのに、二人の間にマティアスが生まれ、マクシミリアンは処刑された。
時の流れはあっという間で、気がついたら物事は移り変わっていく。
「でも本当にあなたに会えて良かったよ」
「私もクルトに会えて良かったと思ってる」
そう言って二人が微笑みあっていると、クルトが抱いていたマティアスもきゃっきゃと笑った。
アーバンライト家には温かな空気が満ち溢れ、クルトは幸福を噛み締めた。
完
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