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September
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「おー、久しぶり!」
「久しぶり、今日はありがとう!」
相変わらずおしゃれな広瀬。
白シャツが太陽に反射して、輝いて見える。
ちょっと大きいサングラスも広瀬の小顔具合を強調していて…ちゃらそうだけど似合ってる。
「まじでありがと、カフェ巡り一人でするのは気がひけてたからほんと助かった。」
「いやいや、俺も楽しみだから誘ってくれてありがとう。急だったからびっくりはしたけど…。」
広瀬からLINEが来たのは昨日の夜だった。
「ごめん永瀬、明日って暇だったりする?」
要件がわからない「暇?」ほど怖いものはない。
とはいえ広瀬だから、そんな無茶なことは言ってこないと思うけど…。
恐る恐る「明日は暇だよ。」と返信すると、すぐに既読がついた。
「まじですか!!」
「一緒にカフェ巡りしてくれたりってしますか…?」
大歓迎。だけどなんでだろう。
「なんで?」
「カフェでバイトしようと思ってて…でも知らないところに応募するのも不安だからいったん下見行きたくて。」
そういうことか。
広瀬がカフェで働いてるの、なんというか、すごく想像がつく。
「なるほどね。いいよ~。」
甘党の俺にとっても嬉しいし、広瀬は広瀬で下見できるし、これぞwin win。
「この音は一生忘れません!!!!!!ありがとう!!!!!!!!!」
よっぽど嬉しかったのかビックリマークの数が多い。あと普通に誤字ってる。
というわけで、それから12時間後の午前10時。
俺たちはこの間偶然判明した広瀬の最寄り駅で待ち合わせして、カフェ巡りに行くことになった。
「今日の永瀬の服、新鮮かも。」
「あぁ、実家にあった服着てきたからね。大学には着て行ったことない。」
「え?もしかしてもう帰省してた…?」
「うん。でもここまでもそんな遠くないから大丈夫だよ。」
「まじかごめんよ…。」
「全然大丈夫。ってか、よく覚えてるね。俺の服とか誰も見てないと思ってた。」
「結構ファッションとか気になるんよな。」
「まじか。あんま気にしてなかったわ…。恥ずかしっ。」
「そんなことないよ。なんか、おしゃれかおしゃれじゃないかってより、その人らしいかどうかみたいなとこが気になる。」
「へぇぇ…。ガチのプロみたい。」
「そんなことないよ。ただ服が好きなだけ。」
「広瀬的には俺の服装どうなの?正直に。」
「えぇ…?最近永瀬の性格がわかってきたから、服装見ても永瀬らしいなぁって思うようになった。最初はもっと似合いそうな服あるのになって、正直思ってた。」
「あぁ、それで最初あった時とかこっち見てたのか。」
「え?そんなことしてたっけ?」
「最初グループワークの班決めたとき、俺の方ずっと見てきてて居心地悪かったんよ。」
「まじかよ、それはごめんじゃん。」
「いや、今納得できたからよかったわ。」
「今度もしよかったらさ、俺にコーディネートさせてよ。」
「え、いいの?嬉しい。」
他愛のない会話をしているうちに、カフェにはすぐついてしまった。
思ったより落ち着いてる感じ。
「永瀬何食べたい?」
向かいの席に座った広瀬に聞かれる。
相変わらずジェントルマン。
俺の答えは一択。
「もちろんジャンボパフェで。」
「え?大丈夫?この後も三軒くらい回る予定だけど…。」
「ん、甘いものは別腹だからだいじょぶ。」
「そ、そっか…。」
「すみません、このハンバーガーとポテトと、あとジャンボパフェください。」
広瀬が注文してくれた。
「ありがとう。」
「いやいや、俺も店員さんの雰囲気とかつかみたいと思ってたから気にしないで。ここ、結構いい感じじゃない?」
「うん。ここで働いてる広瀬、結構想像できる。」
「ふっ、どういうこと?」
「店員さんみたいな雰囲気あるよ。」
「ははっ。もしここで働くことになったら、永瀬食べに来てくれる?」
「うん。もちろん。」
「嬉しいな。ありがとう。」
あっという間にメニューが運ばれてくる。
「いただきます!」
ジャンボパフェにテンションが上がる俺と、そのでかさに若干引く広瀬。
「ほんとにそれ一人で食える…?」
「うん。あ、でも、広瀬もちょっと食べる?取っておくけど。」
「じゃ、じゃあ…ちょっといただこうかな。」
「りょーかい。ん、うまっ!」
「やっぱり永瀬連れてきてよかったわ…。」
「ん?」
「いや、なんでもない。」
「久しぶり、今日はありがとう!」
相変わらずおしゃれな広瀬。
白シャツが太陽に反射して、輝いて見える。
ちょっと大きいサングラスも広瀬の小顔具合を強調していて…ちゃらそうだけど似合ってる。
「まじでありがと、カフェ巡り一人でするのは気がひけてたからほんと助かった。」
「いやいや、俺も楽しみだから誘ってくれてありがとう。急だったからびっくりはしたけど…。」
広瀬からLINEが来たのは昨日の夜だった。
「ごめん永瀬、明日って暇だったりする?」
要件がわからない「暇?」ほど怖いものはない。
とはいえ広瀬だから、そんな無茶なことは言ってこないと思うけど…。
恐る恐る「明日は暇だよ。」と返信すると、すぐに既読がついた。
「まじですか!!」
「一緒にカフェ巡りしてくれたりってしますか…?」
大歓迎。だけどなんでだろう。
「なんで?」
「カフェでバイトしようと思ってて…でも知らないところに応募するのも不安だからいったん下見行きたくて。」
そういうことか。
広瀬がカフェで働いてるの、なんというか、すごく想像がつく。
「なるほどね。いいよ~。」
甘党の俺にとっても嬉しいし、広瀬は広瀬で下見できるし、これぞwin win。
「この音は一生忘れません!!!!!!ありがとう!!!!!!!!!」
よっぽど嬉しかったのかビックリマークの数が多い。あと普通に誤字ってる。
というわけで、それから12時間後の午前10時。
俺たちはこの間偶然判明した広瀬の最寄り駅で待ち合わせして、カフェ巡りに行くことになった。
「今日の永瀬の服、新鮮かも。」
「あぁ、実家にあった服着てきたからね。大学には着て行ったことない。」
「え?もしかしてもう帰省してた…?」
「うん。でもここまでもそんな遠くないから大丈夫だよ。」
「まじかごめんよ…。」
「全然大丈夫。ってか、よく覚えてるね。俺の服とか誰も見てないと思ってた。」
「結構ファッションとか気になるんよな。」
「まじか。あんま気にしてなかったわ…。恥ずかしっ。」
「そんなことないよ。なんか、おしゃれかおしゃれじゃないかってより、その人らしいかどうかみたいなとこが気になる。」
「へぇぇ…。ガチのプロみたい。」
「そんなことないよ。ただ服が好きなだけ。」
「広瀬的には俺の服装どうなの?正直に。」
「えぇ…?最近永瀬の性格がわかってきたから、服装見ても永瀬らしいなぁって思うようになった。最初はもっと似合いそうな服あるのになって、正直思ってた。」
「あぁ、それで最初あった時とかこっち見てたのか。」
「え?そんなことしてたっけ?」
「最初グループワークの班決めたとき、俺の方ずっと見てきてて居心地悪かったんよ。」
「まじかよ、それはごめんじゃん。」
「いや、今納得できたからよかったわ。」
「今度もしよかったらさ、俺にコーディネートさせてよ。」
「え、いいの?嬉しい。」
他愛のない会話をしているうちに、カフェにはすぐついてしまった。
思ったより落ち着いてる感じ。
「永瀬何食べたい?」
向かいの席に座った広瀬に聞かれる。
相変わらずジェントルマン。
俺の答えは一択。
「もちろんジャンボパフェで。」
「え?大丈夫?この後も三軒くらい回る予定だけど…。」
「ん、甘いものは別腹だからだいじょぶ。」
「そ、そっか…。」
「すみません、このハンバーガーとポテトと、あとジャンボパフェください。」
広瀬が注文してくれた。
「ありがとう。」
「いやいや、俺も店員さんの雰囲気とかつかみたいと思ってたから気にしないで。ここ、結構いい感じじゃない?」
「うん。ここで働いてる広瀬、結構想像できる。」
「ふっ、どういうこと?」
「店員さんみたいな雰囲気あるよ。」
「ははっ。もしここで働くことになったら、永瀬食べに来てくれる?」
「うん。もちろん。」
「嬉しいな。ありがとう。」
あっという間にメニューが運ばれてくる。
「いただきます!」
ジャンボパフェにテンションが上がる俺と、そのでかさに若干引く広瀬。
「ほんとにそれ一人で食える…?」
「うん。あ、でも、広瀬もちょっと食べる?取っておくけど。」
「じゃ、じゃあ…ちょっといただこうかな。」
「りょーかい。ん、うまっ!」
「やっぱり永瀬連れてきてよかったわ…。」
「ん?」
「いや、なんでもない。」
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