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October
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昨日の昼に食べる予定だったハンバーグは、我ながらいい出来だったと思う。
先生用に野菜を多めに入れて作ってるっていうのもあって、かなりずっしりしているし、なにより満腹感がある。
眠さと闘いながらのんびり食べていると、洗濯機が止まった。
早く乾かさないと、今日寝る用の布団がなくなってしまう。
先生が帰ってくるまでには取り込んで、ベッドをセッティングしておかないと。
ご飯をかき込んで、俺と先生の布団を乾燥機の方に突っ込む。
絶対しわくちゃになるから…乾かし終わったらアイロンかけないと。
「夢精は恥ずかしいことではありません。」保健体育の教科書も、当時の先生もそう言っていた。
よくわかっているつもりだった。
だけど、どうしてか、先生に知られたくない。
溜まってるんだって思われるのが嫌なのか、布団を汚してしまったと知られることが嫌なのか。
ぐるぐる考えるけど、うまく言語化できない。
先生の妹さんの使っていた方の布団のカバーも洗濯する。
まさかの二回戦に若干驚いているような洗濯機は、けだるそうに回り始めた。
洗えない布団本体の方は、バルコニーでお日様にあてちゃおう。
洋館みたいな螺旋階段を上って三階にある、バルコニー。
ほとんど使われてないのがもったいないくらい、めちゃくちゃかっこいいスペース。
布団を持って上がるにはちょっと、大変すぎるけど…。
大丈夫。俺、男だし。若いし。
気合いでなんとか持ち上げる。
本当は俺たちの布団と妹さんの布団、一気に持っていきたかったんだけど、さすがにそこまでの筋力はなかった。
仕方なく、まずは緊急性の高い俺たちの布団の方だけを持ってバルコニーへと向かった。
「うぉぉ…。」
息切れするし、ちょっと汗かくし、大変な思いをして運んだのは間違いないんだけど、それが一瞬で吹っ飛んでいくような景色。ほれぼれする。
目下に広がるのはおしゃれな住宅街。
ヨーロッパみたいだ、と思う。ヨーロッパ行ったことないけど。
そしてその裾野に遠く広がっているのは、都会のマンションやビル群。小さく、だけどはっきりと見える。
バルコニーの中には、使われてないプランターとかジョウロが置いてあって、それもまた趣がある。
先生のお母さまとかがガーデニング、やってたのかな。それか妹さんか。俺が実家に帰省してる間に庭に花が植わってたのも、もしかしたら妹さんの影響とかがあるのかもしれない。
忙しい先生がいきなりガーデニングしよう、って思うとは考えにくいから、きっと誰かに言われたんだろうと思う。
ここに花が咲いてたら、もっと素敵な空間になるんだろうなぁ。
大きく伸びをして、深呼吸もして、目いっぱい秋晴れを享受した。
「そうだ、妹さんの布団も持ってこないと…。」
もう一回あの重労働をするのはちょっとしんどいけど、この景色があれば頑張れる気がする。
乾燥機も、そろそろ止まるころだ。
先生用に野菜を多めに入れて作ってるっていうのもあって、かなりずっしりしているし、なにより満腹感がある。
眠さと闘いながらのんびり食べていると、洗濯機が止まった。
早く乾かさないと、今日寝る用の布団がなくなってしまう。
先生が帰ってくるまでには取り込んで、ベッドをセッティングしておかないと。
ご飯をかき込んで、俺と先生の布団を乾燥機の方に突っ込む。
絶対しわくちゃになるから…乾かし終わったらアイロンかけないと。
「夢精は恥ずかしいことではありません。」保健体育の教科書も、当時の先生もそう言っていた。
よくわかっているつもりだった。
だけど、どうしてか、先生に知られたくない。
溜まってるんだって思われるのが嫌なのか、布団を汚してしまったと知られることが嫌なのか。
ぐるぐる考えるけど、うまく言語化できない。
先生の妹さんの使っていた方の布団のカバーも洗濯する。
まさかの二回戦に若干驚いているような洗濯機は、けだるそうに回り始めた。
洗えない布団本体の方は、バルコニーでお日様にあてちゃおう。
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ほとんど使われてないのがもったいないくらい、めちゃくちゃかっこいいスペース。
布団を持って上がるにはちょっと、大変すぎるけど…。
大丈夫。俺、男だし。若いし。
気合いでなんとか持ち上げる。
本当は俺たちの布団と妹さんの布団、一気に持っていきたかったんだけど、さすがにそこまでの筋力はなかった。
仕方なく、まずは緊急性の高い俺たちの布団の方だけを持ってバルコニーへと向かった。
「うぉぉ…。」
息切れするし、ちょっと汗かくし、大変な思いをして運んだのは間違いないんだけど、それが一瞬で吹っ飛んでいくような景色。ほれぼれする。
目下に広がるのはおしゃれな住宅街。
ヨーロッパみたいだ、と思う。ヨーロッパ行ったことないけど。
そしてその裾野に遠く広がっているのは、都会のマンションやビル群。小さく、だけどはっきりと見える。
バルコニーの中には、使われてないプランターとかジョウロが置いてあって、それもまた趣がある。
先生のお母さまとかがガーデニング、やってたのかな。それか妹さんか。俺が実家に帰省してる間に庭に花が植わってたのも、もしかしたら妹さんの影響とかがあるのかもしれない。
忙しい先生がいきなりガーデニングしよう、って思うとは考えにくいから、きっと誰かに言われたんだろうと思う。
ここに花が咲いてたら、もっと素敵な空間になるんだろうなぁ。
大きく伸びをして、深呼吸もして、目いっぱい秋晴れを享受した。
「そうだ、妹さんの布団も持ってこないと…。」
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乾燥機も、そろそろ止まるころだ。
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