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第二章:転生先は並行世界
美哉と橘香の第二次性徴
六歳になり、女性であれば義務教育を受ける年齢となったが、伊吹は学校に通う事はなく、日中ほとんどの時間を屋敷内で過ごした。
家庭学習を続けており、内容は同年代よりも高レベルで、美哉と橘香が習っているよりも先を進んでいる。
伊吹の前世知識があるのはもちろんだが、侍女である美子と京香の教え方がとても上手で丁寧。そして付きっきりで指導している事も理由の一つだ。
また、心乃春は伊吹が自ら望んで学習と向き合っている以上、それを止める必要はないと判断し、どんどん内容を先へ進めるよう美子と京香に指示を出していた。
ある時、そんな伊吹の日常に大きな変化が起きた。美哉と橘香に第二次性徴が訪れたのだ。
身体が女の子から女性へと変化していく。もちろん月経も始まった。
どことなく避けられているな、と伊吹が感じる日が増えていった。
美哉だけが伊吹の後に一人で入浴をする。橘香だけが別の寝室で寝る。食事も別室で済ます。
元の世界の常識とは違うとはいえ、さすがに避けられ過ぎて寂しいなと感じる伊吹。
そんな時に、たまたま心乃春が二人に対し、“けがれ”がどうのこうの言っているのを耳にした。
一緒に生活している家族なのに、汚いも何もないだろうと伊吹は憤る。
思春期で、異性である自分に対して嫌悪感を覚えての自らの行動であれば、伊吹も受け入れた。
しかし、実際は心乃春が生理中の美哉と橘香に対して「汚いからうちの孫に近付くな」と言い付けていたのだ。
そのやり取りを聞いてしまった日の夕食時、伊吹はまた一人別のテーブルへ座ろうとする美哉に声を掛け、いつもの席へ座るよう誘った。
「みぃねぇ、いつも通りこっちで食べよ」
「え? でも……」
「無理にとは言わないけど、離れて食べるの変だよ」
美哉が心乃春の顔色を伺いながらオロオロしていると、心乃春が伊吹を諭すかのように話し始める。
「伊吹、美哉は今穢れを纏っているの。だから一緒にご飯を食べたら、伊吹に穢れが移ってしまうのよ」
そう話す心乃春に対し、伊吹は心乃春こそが汚いものであるかのような表情を浮かべてしまう。
(何を言っているんだこのばあさんは。田舎の古いしきたりじゃあるまいし)
伊吹が住んでいるのは山奥の田舎で、穢れとは古いしきたりの中にある考えであり、心乃春は伊吹の血縁上の祖母(四十八歳)である。
(何て目で見るのよ……)
何も間違ってはないが、今まで伊吹からそんな表情で睨まれた事がなかった心乃春は、大きな精神的衝撃を受けた。
「伊吹、聞いて? 貴方は穢れに触れちゃダメなのよ」
伊吹に何とか言い聞かせようとする心乃春だが、伊吹は全く相手にせず、美哉に歩み寄る。
「みぃねぇはお腹痛いだけでしょ? ほら、おいで?」
伊吹は美哉を抱き寄せてお腹をさすってやる。心乃春も侍女二人も、もはや伊吹のする事を止められず見守るしかない。
(((あんな顔で睨まれたら立ち直れない)))
「みぃねぇ、嫌じゃない?」
「嫌じゃない、温かくてほっとする」
「みぃねぇさえ良かったら、夜もこうして温めてあげるからね」
「うん、ありがとう……」
美哉はただでさえ辛い生理中に伊吹から遠ざけられ、とても寂しく心細い想いをしていたので、伊吹の心遣いに感じ入り、涙を流して喜んだ。
「きぃねぇが辛い時は同じように温めてあげるからね?」
「うん! いっちゃん大好き!!」
もちろん橘香も美哉と同じように喜んだ。
その日から、生理中であっても食事するテーブルを分けたり、別室で離れて寝たり、触れ合わないようにする事はなくなった。
入浴については本人の希望に従い、生理中は別で入る事に決まった。
家庭学習を続けており、内容は同年代よりも高レベルで、美哉と橘香が習っているよりも先を進んでいる。
伊吹の前世知識があるのはもちろんだが、侍女である美子と京香の教え方がとても上手で丁寧。そして付きっきりで指導している事も理由の一つだ。
また、心乃春は伊吹が自ら望んで学習と向き合っている以上、それを止める必要はないと判断し、どんどん内容を先へ進めるよう美子と京香に指示を出していた。
ある時、そんな伊吹の日常に大きな変化が起きた。美哉と橘香に第二次性徴が訪れたのだ。
身体が女の子から女性へと変化していく。もちろん月経も始まった。
どことなく避けられているな、と伊吹が感じる日が増えていった。
美哉だけが伊吹の後に一人で入浴をする。橘香だけが別の寝室で寝る。食事も別室で済ます。
元の世界の常識とは違うとはいえ、さすがに避けられ過ぎて寂しいなと感じる伊吹。
そんな時に、たまたま心乃春が二人に対し、“けがれ”がどうのこうの言っているのを耳にした。
一緒に生活している家族なのに、汚いも何もないだろうと伊吹は憤る。
思春期で、異性である自分に対して嫌悪感を覚えての自らの行動であれば、伊吹も受け入れた。
しかし、実際は心乃春が生理中の美哉と橘香に対して「汚いからうちの孫に近付くな」と言い付けていたのだ。
そのやり取りを聞いてしまった日の夕食時、伊吹はまた一人別のテーブルへ座ろうとする美哉に声を掛け、いつもの席へ座るよう誘った。
「みぃねぇ、いつも通りこっちで食べよ」
「え? でも……」
「無理にとは言わないけど、離れて食べるの変だよ」
美哉が心乃春の顔色を伺いながらオロオロしていると、心乃春が伊吹を諭すかのように話し始める。
「伊吹、美哉は今穢れを纏っているの。だから一緒にご飯を食べたら、伊吹に穢れが移ってしまうのよ」
そう話す心乃春に対し、伊吹は心乃春こそが汚いものであるかのような表情を浮かべてしまう。
(何を言っているんだこのばあさんは。田舎の古いしきたりじゃあるまいし)
伊吹が住んでいるのは山奥の田舎で、穢れとは古いしきたりの中にある考えであり、心乃春は伊吹の血縁上の祖母(四十八歳)である。
(何て目で見るのよ……)
何も間違ってはないが、今まで伊吹からそんな表情で睨まれた事がなかった心乃春は、大きな精神的衝撃を受けた。
「伊吹、聞いて? 貴方は穢れに触れちゃダメなのよ」
伊吹に何とか言い聞かせようとする心乃春だが、伊吹は全く相手にせず、美哉に歩み寄る。
「みぃねぇはお腹痛いだけでしょ? ほら、おいで?」
伊吹は美哉を抱き寄せてお腹をさすってやる。心乃春も侍女二人も、もはや伊吹のする事を止められず見守るしかない。
(((あんな顔で睨まれたら立ち直れない)))
「みぃねぇ、嫌じゃない?」
「嫌じゃない、温かくてほっとする」
「みぃねぇさえ良かったら、夜もこうして温めてあげるからね」
「うん、ありがとう……」
美哉はただでさえ辛い生理中に伊吹から遠ざけられ、とても寂しく心細い想いをしていたので、伊吹の心遣いに感じ入り、涙を流して喜んだ。
「きぃねぇが辛い時は同じように温めてあげるからね?」
「うん! いっちゃん大好き!!」
もちろん橘香も美哉と同じように喜んだ。
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