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第二章:転生先は並行世界
伊吹の思春期
夢精した日以降も一緒に寝てくれるならイケるんじゃないの。
一緒に風呂に入ってるならイケるんじゃないの。
そう思う伊吹だが、それで行動に移せるのなら前世で童貞のまま死ぬ事はなかっただろう。
自分が性に目覚めている事は気付かれている。その上で美哉も橘香も見せてくる。
さぁ見ろと、さぁ触れろと近付いて来るのだ。
そこまでされたら童貞は委縮してしまう。童貞とはとても繊細な生き物なのだ。
伊吹の日常に再び変化が訪れた。今回はとても大きな変化であり、伊吹に途轍もない影響を与えた。
美哉と橘香が中学を卒業し、屋敷を出て行ったのである。
「立派な侍女になって帰って来るから」
「いっちゃんの為に頑張ってくるね」
もちろん家出した訳ではない。東京にある国立侍女育成専門学校へ進学したのだ。通常であれば六年で卒業予定と伊吹は聞いている。
それ以来、二人とは年末年始の帰省時期でしか顔を合わせる事が出来なくなってしまった。
いつまでもそばにいると思っていた二人。
いつでも卒業出来ると思っていた童貞。
しかし、内心ほっとしているのも事実だ。
自分が手を出してしまうと、今までの関係にヒビが入るかも知れない。
万が一にもあり得ない、三人の絆はそんなに脆くない。
そう思うものの、じゃあキスをするのはどちらが先か。ベッドインはどちらが先か。童貞はどっちで捨てる?
普通であれば考える必要のない様々な事情に縛られて身動きが出来なかった、と伊吹は自分を納得させる。
美哉と橘香が家を出た後、さも当然であるかのように心乃春と美子と京香が入浴の世話をしようとして来たので、伊吹は全力で断った。
「男の子を一人で入浴なんてさせられないんだよ?」
(男の子だからこそ一人で入らせてくれ!)
何とか説得しようと試みる三人だったが、伊吹が拒否して一週間風呂に入らなかった為に泣く泣く折れた。
それと引き換えであるかのように、伊吹の寝室へ心乃春のベッドが運び込まれた。
美哉と橘香がいなくても、変わらず武術の稽古と続けた。空手であれ柔道であれ、極めようとするとどうしても体格が筋肉質になっていく。
伊吹個人としては男らし身体つきになると達成感やある種の憧れを満たす事が出来て嬉しいのだが、男らしい身体になればなるほど厄介事が増えてしまう。
遠目でも男だと分かってしまうと、何があるか分からない。危険は出来るだけ避けたいと言われたので、ある程度の稽古に留める事となった。
伊吹としては、前世の知識がある為に、この世界の娯楽では満足が出来ない。その分稽古に打ち込んでいたところもある為、少し鬱憤が溜まってしまう。
「少し稽古内容を変えようか」
そこで、心乃春は外見に影響する筋肉ではなく、体幹やインナーマッスルを中心に鍛えるよう指導内容を変更した。いわゆる細マッチョを目指す形である。
しかし、やり過ぎれば服の上からでも身体つきが分かってしまう。その対策として、伊吹は全身マッサージを受ける事が日課となった。
筋肉がつき過ぎないように、との理由で行われる毎晩のマッサージだが、伊吹には結構な精神的負担が伴う。
理由は、マッサージの施術をしてくれるのが美子と京香だからだ。
屋敷内のマッサージ用の薄暗い部屋で、癒し効果があるお香を焚いて、肌に良く馴染む美容液(ローション)で全身隈なく揉みほぐされる。
美哉と橘香の母親とはいえ、二人ともまだ三十代半ば。前世享年二十九歳である伊吹からすれば全然アリなのだ。
全然アリの美女が、二人掛かりでオイルマッサージをしてくれる。もうこれはヤバいのである。
最初は素数を数えたり宇宙の神秘について考えたり、何とか気を逸らそうと頑張った伊吹であるが、若い身体は敏感なのでものすごい反応を示してしまう。
そして何故か二人はそれに一切触れない。(触らないと言及しない、のダブルミーニング)
伊吹は我慢する事を諦め、マッサージを受ける前には必ずお風呂にゆっくり入り、二回から三回の事前マッサージを行うようになった。
一緒に風呂に入ってるならイケるんじゃないの。
そう思う伊吹だが、それで行動に移せるのなら前世で童貞のまま死ぬ事はなかっただろう。
自分が性に目覚めている事は気付かれている。その上で美哉も橘香も見せてくる。
さぁ見ろと、さぁ触れろと近付いて来るのだ。
そこまでされたら童貞は委縮してしまう。童貞とはとても繊細な生き物なのだ。
伊吹の日常に再び変化が訪れた。今回はとても大きな変化であり、伊吹に途轍もない影響を与えた。
美哉と橘香が中学を卒業し、屋敷を出て行ったのである。
「立派な侍女になって帰って来るから」
「いっちゃんの為に頑張ってくるね」
もちろん家出した訳ではない。東京にある国立侍女育成専門学校へ進学したのだ。通常であれば六年で卒業予定と伊吹は聞いている。
それ以来、二人とは年末年始の帰省時期でしか顔を合わせる事が出来なくなってしまった。
いつまでもそばにいると思っていた二人。
いつでも卒業出来ると思っていた童貞。
しかし、内心ほっとしているのも事実だ。
自分が手を出してしまうと、今までの関係にヒビが入るかも知れない。
万が一にもあり得ない、三人の絆はそんなに脆くない。
そう思うものの、じゃあキスをするのはどちらが先か。ベッドインはどちらが先か。童貞はどっちで捨てる?
普通であれば考える必要のない様々な事情に縛られて身動きが出来なかった、と伊吹は自分を納得させる。
美哉と橘香が家を出た後、さも当然であるかのように心乃春と美子と京香が入浴の世話をしようとして来たので、伊吹は全力で断った。
「男の子を一人で入浴なんてさせられないんだよ?」
(男の子だからこそ一人で入らせてくれ!)
何とか説得しようと試みる三人だったが、伊吹が拒否して一週間風呂に入らなかった為に泣く泣く折れた。
それと引き換えであるかのように、伊吹の寝室へ心乃春のベッドが運び込まれた。
美哉と橘香がいなくても、変わらず武術の稽古と続けた。空手であれ柔道であれ、極めようとするとどうしても体格が筋肉質になっていく。
伊吹個人としては男らし身体つきになると達成感やある種の憧れを満たす事が出来て嬉しいのだが、男らしい身体になればなるほど厄介事が増えてしまう。
遠目でも男だと分かってしまうと、何があるか分からない。危険は出来るだけ避けたいと言われたので、ある程度の稽古に留める事となった。
伊吹としては、前世の知識がある為に、この世界の娯楽では満足が出来ない。その分稽古に打ち込んでいたところもある為、少し鬱憤が溜まってしまう。
「少し稽古内容を変えようか」
そこで、心乃春は外見に影響する筋肉ではなく、体幹やインナーマッスルを中心に鍛えるよう指導内容を変更した。いわゆる細マッチョを目指す形である。
しかし、やり過ぎれば服の上からでも身体つきが分かってしまう。その対策として、伊吹は全身マッサージを受ける事が日課となった。
筋肉がつき過ぎないように、との理由で行われる毎晩のマッサージだが、伊吹には結構な精神的負担が伴う。
理由は、マッサージの施術をしてくれるのが美子と京香だからだ。
屋敷内のマッサージ用の薄暗い部屋で、癒し効果があるお香を焚いて、肌に良く馴染む美容液(ローション)で全身隈なく揉みほぐされる。
美哉と橘香の母親とはいえ、二人ともまだ三十代半ば。前世享年二十九歳である伊吹からすれば全然アリなのだ。
全然アリの美女が、二人掛かりでオイルマッサージをしてくれる。もうこれはヤバいのである。
最初は素数を数えたり宇宙の神秘について考えたり、何とか気を逸らそうと頑張った伊吹であるが、若い身体は敏感なのでものすごい反応を示してしまう。
そして何故か二人はそれに一切触れない。(触らないと言及しない、のダブルミーニング)
伊吹は我慢する事を諦め、マッサージを受ける前には必ずお風呂にゆっくり入り、二回から三回の事前マッサージを行うようになった。
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