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第四章:Vtunerデビューの準備
訳アリ企業
藍子と燈子はオフィスビルに入り、エレベーターでゲーム制作会社があるフロアへ到着。エレベーターのドアが開くと、先方が待ち構えていた。
「わざわざご足労頂きましてありがとうございます!
ささっ、こちらでございます」
「え、えぇ、お邪魔します」
待ち構えていた女性がフロア内を先導し、オフィスの扉を開けて二人を招き入れる。
「おーい、お茶! 二名様!!」
「ただいまー!!」
『間違えて飲食店入っちゃった?』
「ん゛ん゛っ、笑わせないで……」
小声で伊吹に注意し、勧められた椅子へ座る燈子と藍子。
燈子は以前、Vtuner二期生のアバターの作成相談に来た時とは雰囲気が違う事に気付く。
前回来た際は社内にもっと活気があり、人もおり、それぞれのデスクには書類や何やと溢れかえっていたが、今は静かだ。
デスクも片付けられており、人も少ない。少し離れたデスクで荷物の整理をしているのが見える。
「初めまして。社長の河本多恵子と申します」
「山路幸と申します」
「お世話になっております。宮坂藍子と申します」
燈子がオフィス内を窺っていると、藍子が先方二人と名刺交換をしていた。
伊吹もインカム越しではあるが、やけに静かだと思い、燈子へと指示を出した。
『人少なそうだね、もしそうなら咳払いして』
「ゴホンッ! 失礼」
燈子が指示された通り咳払いをする。
「いえいえ。
それで、ご連絡頂いた件なのですが……」
『世間話なし。本当に余裕なさそうだな』
(本当に箱入り息子なの? お兄さん、どこでそんな洞察力を磨いたのよ)
燈子が伊吹の持つ能力に驚いている間に、藍子と先方二人との話が進んでいた。
「とある投資家、と仰っておられましたが、その、会社ごと買いたいとか、そんなお話だったりします?」
「え? えっと……」
藍子は思っていた以上に二人の会社の状況が切羽詰まっているのを感じ取り、どう説明するべきか困ってしまう。
すかさず伊吹が燈子へと指示を出した。
『とこ軍曹、とある投資家設定は破棄。
VividColorsが購入希望者だと正直に伝えよ。送れ』
燈子が藍子を手で制して、二人へと説明を始める。
「とある投資家と申しておりましたが、実を申しますと弊社でして……」
「VividColorsさんが、ですか?」
ゲーム制作会社へ発注したアバターはすでに納品されている。支払いも完了しているが、その後に所属YourTunerとの問題が発生した事は、先方二人も知っている事だ。
「所属Vtunerとのいざこざがあり、一時倒産の危機かと思ったところに良い出会いがありまして。
弊社の事業や目標などに共感頂き、株主になって下さった方がおられたのです」
『まだ僕が男性って事は伏せとこっか。
アバターをより高度で高品質なものにしたいから、がっつりと開発に付き合ってくれる企業と提携したい、何なら会社ごと買う事も検討してるって伝えて』
伊吹の指示通り、先方へ説明を続ける燈子。
「Vtunerの活動は将来的に世間に好評を得るだろうと確信し、より高度で高品質なアバターを今から開発したいという事になりました。
事業の重要性を鑑みて、蜜に連携を取れる企業との提携。もしくは部署か会社ごと買収する事も検討しているのです」
二人は真剣な表情で燈子の説明に聞き入っており、感触としては決して悪くない印象を受ける。
「……つまり、私達が望めばVividColorsさんがうちの会社を買ってくれるって事で良いのでしょうか?」
先方が売る姿勢を示したが、ここで焦ってはならない事を伊吹は前世の知識で知っている。
売りたいからに何らかの問題を抱えている可能性が非常に高い。
伊吹は落ち着いた声で燈子へと指示を出す。
『その前に先方の状況を確認して』
燈子は河本と山路へと微笑む。
「その前に、御社のご状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「分かりました。大変お恥ずかしいお話なのですが……」
「わざわざご足労頂きましてありがとうございます!
ささっ、こちらでございます」
「え、えぇ、お邪魔します」
待ち構えていた女性がフロア内を先導し、オフィスの扉を開けて二人を招き入れる。
「おーい、お茶! 二名様!!」
「ただいまー!!」
『間違えて飲食店入っちゃった?』
「ん゛ん゛っ、笑わせないで……」
小声で伊吹に注意し、勧められた椅子へ座る燈子と藍子。
燈子は以前、Vtuner二期生のアバターの作成相談に来た時とは雰囲気が違う事に気付く。
前回来た際は社内にもっと活気があり、人もおり、それぞれのデスクには書類や何やと溢れかえっていたが、今は静かだ。
デスクも片付けられており、人も少ない。少し離れたデスクで荷物の整理をしているのが見える。
「初めまして。社長の河本多恵子と申します」
「山路幸と申します」
「お世話になっております。宮坂藍子と申します」
燈子がオフィス内を窺っていると、藍子が先方二人と名刺交換をしていた。
伊吹もインカム越しではあるが、やけに静かだと思い、燈子へと指示を出した。
『人少なそうだね、もしそうなら咳払いして』
「ゴホンッ! 失礼」
燈子が指示された通り咳払いをする。
「いえいえ。
それで、ご連絡頂いた件なのですが……」
『世間話なし。本当に余裕なさそうだな』
(本当に箱入り息子なの? お兄さん、どこでそんな洞察力を磨いたのよ)
燈子が伊吹の持つ能力に驚いている間に、藍子と先方二人との話が進んでいた。
「とある投資家、と仰っておられましたが、その、会社ごと買いたいとか、そんなお話だったりします?」
「え? えっと……」
藍子は思っていた以上に二人の会社の状況が切羽詰まっているのを感じ取り、どう説明するべきか困ってしまう。
すかさず伊吹が燈子へと指示を出した。
『とこ軍曹、とある投資家設定は破棄。
VividColorsが購入希望者だと正直に伝えよ。送れ』
燈子が藍子を手で制して、二人へと説明を始める。
「とある投資家と申しておりましたが、実を申しますと弊社でして……」
「VividColorsさんが、ですか?」
ゲーム制作会社へ発注したアバターはすでに納品されている。支払いも完了しているが、その後に所属YourTunerとの問題が発生した事は、先方二人も知っている事だ。
「所属Vtunerとのいざこざがあり、一時倒産の危機かと思ったところに良い出会いがありまして。
弊社の事業や目標などに共感頂き、株主になって下さった方がおられたのです」
『まだ僕が男性って事は伏せとこっか。
アバターをより高度で高品質なものにしたいから、がっつりと開発に付き合ってくれる企業と提携したい、何なら会社ごと買う事も検討してるって伝えて』
伊吹の指示通り、先方へ説明を続ける燈子。
「Vtunerの活動は将来的に世間に好評を得るだろうと確信し、より高度で高品質なアバターを今から開発したいという事になりました。
事業の重要性を鑑みて、蜜に連携を取れる企業との提携。もしくは部署か会社ごと買収する事も検討しているのです」
二人は真剣な表情で燈子の説明に聞き入っており、感触としては決して悪くない印象を受ける。
「……つまり、私達が望めばVividColorsさんがうちの会社を買ってくれるって事で良いのでしょうか?」
先方が売る姿勢を示したが、ここで焦ってはならない事を伊吹は前世の知識で知っている。
売りたいからに何らかの問題を抱えている可能性が非常に高い。
伊吹は落ち着いた声で燈子へと指示を出す。
『その前に先方の状況を確認して』
燈子は河本と山路へと微笑む。
「その前に、御社のご状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「分かりました。大変お恥ずかしいお話なのですが……」
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