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第四章:Vtunerデビューの準備
今後について
『藍子さんにこっちのビルの空いてるフロアを使ってもらう事は可能か確認して』
(それはどうかな……)
燈子は伊吹がVividColorsの事務所にいる以上、それは難しいのではないかと思った。
案の定、インカム越しに小杉が伊吹へと難色を示すような声が聞こえてくるが、確認だけはしておくべきかと思い、燈子が藍子へと判断を仰ぐ。
「社長、株の件が解決するまでうちのビルの空きフロアを使ってもらうのはどうでしょうか?
こちらとしても諸々の調整は必要だとは思いますが」
少し含みを持たせた燈子の言い方を察し、藍子が答える。
「そうね、ちょっと準備と他部署への連絡が必要だけど、私としてはフロアをお貸しするのに依存はないわ」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
立ち上がって頭を下げる多恵子と幸。聞き耳を立てていたルミと鈴も藍子と燈子とのやり取りを受けて、頭を下げている。
そんな四人に向けて、燈子が慌てて手を振る。
「まだ決まった訳ではないので! フロアをお貸しする件については持ち帰って話し合う必要がありますので!!」
「いえ、今の私達にそこまで言って頂けるだけで十分ありがたい事です。
もしダメでも、それはそれで踏ん切りが付きますし」
四人は顔を見合わせ、頷き合っている。
もう会社を解散する方向で話が付いていたのだろう。
藍子と燈子が四人とそんなやり取りをしている間に、伊吹が小杉と交渉し、伊吹のいる六階から離れた二階か三階であれば良いだろう、という回答を得ていた。
しかし、燈子がこの話は持ち帰る、と言ったのを聞いていたので、伊吹はこの件は後回しとした。
『ごめん、大事な話を聞き忘れてた。銀行からの借り入れがないか確認して』
(確かにそうね、気が付かなかった)
燈子は改めて多恵子と幸へ向き直り、借り入れについて確認する。
「すみません。念の為に確認させて頂きたいのですが、銀行からの借り入れはありますか?」
多恵子が苦笑を浮かべて答える。
「いえ、起業する時に何行か回ったんですが、どこも相手にしてくれなくて借りられませんでした。
ちなみに、親や親戚や友人からの借り入れもありません」
新たに会社を作る際、銀行に融資を依頼してもほぼほぼ断られる。基本的に自分達でお金を出し合うしかない。
多恵子達の場合は、最初に作った何作品かの収益があったお陰で、今の今まで会社を存続させる事が出来ていたのだ。
『今のところ、確認が必要なのはそんなもんかな』
「分かりました。弊社のビルへ移ってもらえるかどうかのお返事については、明日改めて連絡させて頂きます。
もし可能であれば、残り四名の株主へ株を手放すよう連絡しておいて下さい」
燈子の後に続き、藍子が口を開く。
「必要な手続きについては私の馴染みの弁護士に頼みます。同じく、明日にはご連絡を入れるよう依頼しておきますので」
「よろしくお願いします」
多恵子と幸が二人へと頭を下げる。
伊吹は念の為、多恵子達に金銭問題へと発展しないように助言する。
『会社を離れた四人には買収の話をしないように。株の売却額を吊り上げられる可能性がある。
金の匂いをさせないよう釘を刺しといて』
「くれぐれも買収の話は内密に。知られれば、株を高く売ろうとするかも知れません。
ただ株を手放してほしいと伝えるに留めて下さい」
会社を離れた四人と残った四人の関係性について、伊吹も藍子も燈子も知る由もないが、そういう可能性もあるとして頭に入れておく必要がある。
「なるほど……」
「確かに」
「あり得るわ」
「足を引っ張られてなるもんですか!」
燈子の念を押す言葉を受け、四人は大きく頷いてみせた。
(それはどうかな……)
燈子は伊吹がVividColorsの事務所にいる以上、それは難しいのではないかと思った。
案の定、インカム越しに小杉が伊吹へと難色を示すような声が聞こえてくるが、確認だけはしておくべきかと思い、燈子が藍子へと判断を仰ぐ。
「社長、株の件が解決するまでうちのビルの空きフロアを使ってもらうのはどうでしょうか?
こちらとしても諸々の調整は必要だとは思いますが」
少し含みを持たせた燈子の言い方を察し、藍子が答える。
「そうね、ちょっと準備と他部署への連絡が必要だけど、私としてはフロアをお貸しするのに依存はないわ」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
立ち上がって頭を下げる多恵子と幸。聞き耳を立てていたルミと鈴も藍子と燈子とのやり取りを受けて、頭を下げている。
そんな四人に向けて、燈子が慌てて手を振る。
「まだ決まった訳ではないので! フロアをお貸しする件については持ち帰って話し合う必要がありますので!!」
「いえ、今の私達にそこまで言って頂けるだけで十分ありがたい事です。
もしダメでも、それはそれで踏ん切りが付きますし」
四人は顔を見合わせ、頷き合っている。
もう会社を解散する方向で話が付いていたのだろう。
藍子と燈子が四人とそんなやり取りをしている間に、伊吹が小杉と交渉し、伊吹のいる六階から離れた二階か三階であれば良いだろう、という回答を得ていた。
しかし、燈子がこの話は持ち帰る、と言ったのを聞いていたので、伊吹はこの件は後回しとした。
『ごめん、大事な話を聞き忘れてた。銀行からの借り入れがないか確認して』
(確かにそうね、気が付かなかった)
燈子は改めて多恵子と幸へ向き直り、借り入れについて確認する。
「すみません。念の為に確認させて頂きたいのですが、銀行からの借り入れはありますか?」
多恵子が苦笑を浮かべて答える。
「いえ、起業する時に何行か回ったんですが、どこも相手にしてくれなくて借りられませんでした。
ちなみに、親や親戚や友人からの借り入れもありません」
新たに会社を作る際、銀行に融資を依頼してもほぼほぼ断られる。基本的に自分達でお金を出し合うしかない。
多恵子達の場合は、最初に作った何作品かの収益があったお陰で、今の今まで会社を存続させる事が出来ていたのだ。
『今のところ、確認が必要なのはそんなもんかな』
「分かりました。弊社のビルへ移ってもらえるかどうかのお返事については、明日改めて連絡させて頂きます。
もし可能であれば、残り四名の株主へ株を手放すよう連絡しておいて下さい」
燈子の後に続き、藍子が口を開く。
「必要な手続きについては私の馴染みの弁護士に頼みます。同じく、明日にはご連絡を入れるよう依頼しておきますので」
「よろしくお願いします」
多恵子と幸が二人へと頭を下げる。
伊吹は念の為、多恵子達に金銭問題へと発展しないように助言する。
『会社を離れた四人には買収の話をしないように。株の売却額を吊り上げられる可能性がある。
金の匂いをさせないよう釘を刺しといて』
「くれぐれも買収の話は内密に。知られれば、株を高く売ろうとするかも知れません。
ただ株を手放してほしいと伝えるに留めて下さい」
会社を離れた四人と残った四人の関係性について、伊吹も藍子も燈子も知る由もないが、そういう可能性もあるとして頭に入れておく必要がある。
「なるほど……」
「確かに」
「あり得るわ」
「足を引っ張られてなるもんですか!」
燈子の念を押す言葉を受け、四人は大きく頷いてみせた。
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