56 / 243
第六章:続、Vtunerデビューの準備
男性に聞く100の質問、撮影終了
「それでは最後、百問目です!
これを観ている視聴者さんへ一言!!」
「チャンネル登録、高評価、更新通知設定、YoungNatterと他のSNSでの拡散、友達や家族へのオススメをお願いします!」
「以上、お疲れ様でした! ありがとうございました!!」
「それではキャラ絵作りから始めましょうか。まずは四兄弟っていう設定を前提として……、と。
はい、ここで止めて下さい」
「止めました」
ふぅ、と伊吹が息を吐く。ほぼ休憩なしで100の質問に答えるのは結構な体力を消耗した。
途中途中で事前に用意していた視聴者へ聞かせたい内容を差し込んだ分、余計に撮影時間が長くなってしまった。
「どこまでホントでどこから冗談か分からないけど、お兄さんの発想力がとてつもないって事は確かだわ。
動画内容もそうだし、VividColorsの株にしても3DCGのクリエイターが欲しいから会社ごと買うだの……。
もう私は並行世界から来たって言葉を信じる事にするわ」
燈子も動画後半部分の質問者を務めており、撮影が終わって緊張感が抜けると、ずしっと身体にかかる疲れを感じていた。
「とこ軍曹、今から四人分のイラスト選ぶ?」
「……ちょっと休憩させてもらえない? 河本さん達も引っ越してすぐに制作に入れないでしょう」
確かに、と伊吹は納得する。
「それに、今撮影した動画も編集しないとだし」
「え? とこちゃんが編集してくれんの?」
「私以外誰がすんのよ。あーちゃんは弁護士と税理士とやり取りしないとだし。
お兄さんが自分でする?」
いつの間にか伊吹と燈子の距離感が狭くなっているのに気付く藍子。羨ましい気持ちと、自分にはまだ無理だなと思う気持ちの両方がある。
敬語じゃなくて良いよと言いつつ、伊吹は自分に敬語を使って話す。燈子のように砕けた雰囲気で話し掛ければ、同じように接してくれるだろうか。
勇気を出して口を開きかけるが、今の関係が崩れてしまうのではないかという恐れがあり、藍子は伊吹へ呼びかける事が出来なかった。
「そっか、一ヶ月後にって動画内では言ってたけど、もっと早く投稿出来るよう準備をするって言ってたもんね」
「そそ。
まず『男性に聞く100の質問』を投稿する。チャンネル登録者が十万人突破したら、それから『とても多くの反響を頂いているので、一週間後に生配信開始します』という字幕だけの動画を投稿する。
こちらは最初からそのつもりだから、チャンネル開設より前に男性キャラのアバターを用意しておく」
「何だかやらせをするみたいですね」
藍子がそう呟く。
(やらせってこの世界でもあるのか)
伊吹はどの世界も業が深いなぁと思いつつ、藍子へと確認する。
「まぁそうなるかな。やらせだって分からなければ問題ないですよね?」
「はい、大丈夫だと思いますよ」
伊吹の予想では、喉仏動画を投稿したその日のうちに登録者百万人を突破すると考えている。根拠がないので口には出さないが。
「午後に河本さん達四人がこのビルに引っ越して来て、今日は無理だとしても明日から作業開始して五日。今から数えて六日後に生配信可能になる。
って事はチャンネル開設と喉仏動画の公開は今日でもいいな」
「良くない。さっきも言ったけどそもそも投稿する動画も編集出来てない。キャラ名考えられてない。イラスト決められてない。ホントに五日でアバターが出来るかも分からない。
ちょっと焦り過ぎなんじゃない? どしたの?」
伊吹は元一期生である伊地藤玲夢の生配信を見た事を藍子と燈子に伝える。
藍子の事を貶し、自分を正当化し、視聴者から見て自分がどう思っているか考えなしの発言をし、投げ銭をくれた相手をバカにする。
何でこんな奴がのさばっているのか。許せない。自分が男だからというだけでなく、純粋に配信者として玲夢との違いを見せつけ、ボコボコにしてやりたい。
「だから、一日でも早くVtunerデビューをしたいな、と」
「そんな配信してたんですね、声を掛けた自分の見る目のなさに崩れ落ちそうです……」
伊吹の熱い想いに胸を打たれる、よりも玲夢の酷さとその玲夢に金を掛けてVtuner化させた自分に対し、藍子は強いショックを受けている。
「玲夢に声を掛けたのも藍子さん。僕に声を掛けたのも藍子さん。
藍子さんが悪いんじゃなくて、玲夢が悪い。
大丈夫、僕があいつをやっつけてやるから」
そう言って、伊吹は藍子の頭を撫でてやる。
そんな二人を、美哉と橘香は澄ました顔で見つめていた。
これを観ている視聴者さんへ一言!!」
「チャンネル登録、高評価、更新通知設定、YoungNatterと他のSNSでの拡散、友達や家族へのオススメをお願いします!」
「以上、お疲れ様でした! ありがとうございました!!」
「それではキャラ絵作りから始めましょうか。まずは四兄弟っていう設定を前提として……、と。
はい、ここで止めて下さい」
「止めました」
ふぅ、と伊吹が息を吐く。ほぼ休憩なしで100の質問に答えるのは結構な体力を消耗した。
途中途中で事前に用意していた視聴者へ聞かせたい内容を差し込んだ分、余計に撮影時間が長くなってしまった。
「どこまでホントでどこから冗談か分からないけど、お兄さんの発想力がとてつもないって事は確かだわ。
動画内容もそうだし、VividColorsの株にしても3DCGのクリエイターが欲しいから会社ごと買うだの……。
もう私は並行世界から来たって言葉を信じる事にするわ」
燈子も動画後半部分の質問者を務めており、撮影が終わって緊張感が抜けると、ずしっと身体にかかる疲れを感じていた。
「とこ軍曹、今から四人分のイラスト選ぶ?」
「……ちょっと休憩させてもらえない? 河本さん達も引っ越してすぐに制作に入れないでしょう」
確かに、と伊吹は納得する。
「それに、今撮影した動画も編集しないとだし」
「え? とこちゃんが編集してくれんの?」
「私以外誰がすんのよ。あーちゃんは弁護士と税理士とやり取りしないとだし。
お兄さんが自分でする?」
いつの間にか伊吹と燈子の距離感が狭くなっているのに気付く藍子。羨ましい気持ちと、自分にはまだ無理だなと思う気持ちの両方がある。
敬語じゃなくて良いよと言いつつ、伊吹は自分に敬語を使って話す。燈子のように砕けた雰囲気で話し掛ければ、同じように接してくれるだろうか。
勇気を出して口を開きかけるが、今の関係が崩れてしまうのではないかという恐れがあり、藍子は伊吹へ呼びかける事が出来なかった。
「そっか、一ヶ月後にって動画内では言ってたけど、もっと早く投稿出来るよう準備をするって言ってたもんね」
「そそ。
まず『男性に聞く100の質問』を投稿する。チャンネル登録者が十万人突破したら、それから『とても多くの反響を頂いているので、一週間後に生配信開始します』という字幕だけの動画を投稿する。
こちらは最初からそのつもりだから、チャンネル開設より前に男性キャラのアバターを用意しておく」
「何だかやらせをするみたいですね」
藍子がそう呟く。
(やらせってこの世界でもあるのか)
伊吹はどの世界も業が深いなぁと思いつつ、藍子へと確認する。
「まぁそうなるかな。やらせだって分からなければ問題ないですよね?」
「はい、大丈夫だと思いますよ」
伊吹の予想では、喉仏動画を投稿したその日のうちに登録者百万人を突破すると考えている。根拠がないので口には出さないが。
「午後に河本さん達四人がこのビルに引っ越して来て、今日は無理だとしても明日から作業開始して五日。今から数えて六日後に生配信可能になる。
って事はチャンネル開設と喉仏動画の公開は今日でもいいな」
「良くない。さっきも言ったけどそもそも投稿する動画も編集出来てない。キャラ名考えられてない。イラスト決められてない。ホントに五日でアバターが出来るかも分からない。
ちょっと焦り過ぎなんじゃない? どしたの?」
伊吹は元一期生である伊地藤玲夢の生配信を見た事を藍子と燈子に伝える。
藍子の事を貶し、自分を正当化し、視聴者から見て自分がどう思っているか考えなしの発言をし、投げ銭をくれた相手をバカにする。
何でこんな奴がのさばっているのか。許せない。自分が男だからというだけでなく、純粋に配信者として玲夢との違いを見せつけ、ボコボコにしてやりたい。
「だから、一日でも早くVtunerデビューをしたいな、と」
「そんな配信してたんですね、声を掛けた自分の見る目のなさに崩れ落ちそうです……」
伊吹の熱い想いに胸を打たれる、よりも玲夢の酷さとその玲夢に金を掛けてVtuner化させた自分に対し、藍子は強いショックを受けている。
「玲夢に声を掛けたのも藍子さん。僕に声を掛けたのも藍子さん。
藍子さんが悪いんじゃなくて、玲夢が悪い。
大丈夫、僕があいつをやっつけてやるから」
そう言って、伊吹は藍子の頭を撫でてやる。
そんな二人を、美哉と橘香は澄ました顔で見つめていた。
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
ファンタジー
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!