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第六章:続、Vtunerデビューの準備
動画編集について
伊吹と藍子と燈子の距離感が縮まった後、藍子は智枝が作成した秘密保持契約書を持って多恵子達の元へ向かう事となった。
「あたしも完成したイラストを見せに行って、簡単に打ち合わせして来るね」
「よろしくー」
藍子と燈子が事務所を出て行った後、智枝が伊吹に声を掛ける。
「ご主人様。先ほどの呼び方や敬語の件なのですが」
智枝は伊吹との勝負の結果、三ノ宮家の関係者内では伊吹が楽しい生活を送れるよう、気安い間柄でいたいという伊吹の意向を受け入れる事になった。
が、外部の人間である藍子と燈子が伊吹に対して敬語を使わず、伊吹の名を軽々しく呼ぶのはいかがなものかと考えていた。
(あー、ここでも噛み付いてくるのか。お姉ちゃん呼びすれば何とか曖昧に流せないかな)
伊吹がどのように言えば智枝が折れてくれるかなと考えていると、美哉と橘香が智枝の腕を引っ張り、部屋の端へと連れて行ってしまった。
そして、二人掛かりで智枝に対し、何やら吹き込んでいく。
「……なるほど。分かりました」
(何を話してるんだろう。新人いじめ、な訳ないしな)
美哉と橘香が吹き込んだ内容に納得した様子の智枝。そして、先ほどの敬語と呼び方の件を蒸し返す事はなくなった。
二階のフロアに顔を出していた藍子と燈子が事務所へと戻って来た。
「秘密保持契約書に署名してもらい、ったよ?」
「あーちゃん、無理してタメ口にする必要ないよ」
伊吹が藍子へ笑い掛ける。
「アバターは最低限配信出来るくらいの見栄えであれば、三日で完成させるって言ってたよ」
「おー、思ったより早いね」
燈子は伊吹に対して詳しく話さなかったが、多恵子達は自分達が世界発の男性Vtunerの運営に携わると知らされて、やる気をみなぎらせているのだ。
二日程度なら寝なくても作業が出来ると豪語し、さっそく取り掛かっている。
「さて、あたしもさっさと撮影した動画の編集をしていまわないと」
「そっか、動画の編集が残ってるんだった。
ねぇ、とこちゃん。外部に委託出来るような個人の編集者っていないの?」
動画編集を外部委託する事を提案する伊吹に対し、智枝が待ったを掛けた。
「ご主人様、動画の外部委託についてはお考え直し下さい。
私は撮影には立ち会えませんでしたが、ご主人様のお声が入っているのですよね?
お姿が映っていないとはいえ、音声データにいらぬ加工をされたり、外部へ流出させたりという危惧がございます」
「あー、そんなところまで気にしないといけないのか。全く考えてもみなかったよ。
智枝、ありがとう。
ってあると、やっぱり河本さん達みたいに社内に抱え込んで、秘密保持契約書で縛ってしまう必要があるのかな?」
伊吹に褒められた智枝はとても嬉しそうに見え、それを見て藍子と燈子が苦笑いを浮かべている。
「何にしても、今はあたしが編集するしかないって事ね」
「うん、そうだね。頼むよ。
あ、そうだ。編集の仕方なんだけど、字幕を入れてくれる?
質問者の発言は画面右に縦で表示して、僕の回答は画面下に大きめの文字で」
伊吹の要望を聞いた燈子が、手元のスケッチブックに字幕を入れた想像図を描いた。
「そうそう、そんな感じ」
「で、ど真ん中にはお兄さんの喉仏が映っている、っと」
「……こうして想像図を見てみると、奇妙な動画だね」
「自分で提案しておいて何言ってんのよ」
伊吹と燈子のやり取りを見ながら、藍子は自分も会話に入ろうとして口をパクパクさせるが、なかなか上手く入れないでいる。
そんな藍子を、美哉と橘香がひっそりと見守っていた。
「あたしも完成したイラストを見せに行って、簡単に打ち合わせして来るね」
「よろしくー」
藍子と燈子が事務所を出て行った後、智枝が伊吹に声を掛ける。
「ご主人様。先ほどの呼び方や敬語の件なのですが」
智枝は伊吹との勝負の結果、三ノ宮家の関係者内では伊吹が楽しい生活を送れるよう、気安い間柄でいたいという伊吹の意向を受け入れる事になった。
が、外部の人間である藍子と燈子が伊吹に対して敬語を使わず、伊吹の名を軽々しく呼ぶのはいかがなものかと考えていた。
(あー、ここでも噛み付いてくるのか。お姉ちゃん呼びすれば何とか曖昧に流せないかな)
伊吹がどのように言えば智枝が折れてくれるかなと考えていると、美哉と橘香が智枝の腕を引っ張り、部屋の端へと連れて行ってしまった。
そして、二人掛かりで智枝に対し、何やら吹き込んでいく。
「……なるほど。分かりました」
(何を話してるんだろう。新人いじめ、な訳ないしな)
美哉と橘香が吹き込んだ内容に納得した様子の智枝。そして、先ほどの敬語と呼び方の件を蒸し返す事はなくなった。
二階のフロアに顔を出していた藍子と燈子が事務所へと戻って来た。
「秘密保持契約書に署名してもらい、ったよ?」
「あーちゃん、無理してタメ口にする必要ないよ」
伊吹が藍子へ笑い掛ける。
「アバターは最低限配信出来るくらいの見栄えであれば、三日で完成させるって言ってたよ」
「おー、思ったより早いね」
燈子は伊吹に対して詳しく話さなかったが、多恵子達は自分達が世界発の男性Vtunerの運営に携わると知らされて、やる気をみなぎらせているのだ。
二日程度なら寝なくても作業が出来ると豪語し、さっそく取り掛かっている。
「さて、あたしもさっさと撮影した動画の編集をしていまわないと」
「そっか、動画の編集が残ってるんだった。
ねぇ、とこちゃん。外部に委託出来るような個人の編集者っていないの?」
動画編集を外部委託する事を提案する伊吹に対し、智枝が待ったを掛けた。
「ご主人様、動画の外部委託についてはお考え直し下さい。
私は撮影には立ち会えませんでしたが、ご主人様のお声が入っているのですよね?
お姿が映っていないとはいえ、音声データにいらぬ加工をされたり、外部へ流出させたりという危惧がございます」
「あー、そんなところまで気にしないといけないのか。全く考えてもみなかったよ。
智枝、ありがとう。
ってあると、やっぱり河本さん達みたいに社内に抱え込んで、秘密保持契約書で縛ってしまう必要があるのかな?」
伊吹に褒められた智枝はとても嬉しそうに見え、それを見て藍子と燈子が苦笑いを浮かべている。
「何にしても、今はあたしが編集するしかないって事ね」
「うん、そうだね。頼むよ。
あ、そうだ。編集の仕方なんだけど、字幕を入れてくれる?
質問者の発言は画面右に縦で表示して、僕の回答は画面下に大きめの文字で」
伊吹の要望を聞いた燈子が、手元のスケッチブックに字幕を入れた想像図を描いた。
「そうそう、そんな感じ」
「で、ど真ん中にはお兄さんの喉仏が映っている、っと」
「……こうして想像図を見てみると、奇妙な動画だね」
「自分で提案しておいて何言ってんのよ」
伊吹と燈子のやり取りを見ながら、藍子は自分も会話に入ろうとして口をパクパクさせるが、なかなか上手く入れないでいる。
そんな藍子を、美哉と橘香がひっそりと見守っていた。
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