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第七章:安藤さん家の四兄弟チャンネル始動
神、襲来
「エレベーター到着しました、間もなくお見えになります」
ドアの前に立ちインカムで話していた女性が声を上げ、VCスタジオ内に緊張が走る。直後にノックがあり、その女性がドアを開けてぞろぞろと警備員らしき女性が複数室内へ入って来る。
「すみません、遅くなりました」
「おぉ………………」
声無き声が響く。初めて見る男性、伊吹の姿と声に謎の力を感じる十二人。
「あれ? みんな何でそんなにカッチリした格好なんですか?
ゲーム制作会社ってもっと緩い印象だったけど、違うんですかね?
ほら、好きなキャラクターのコスプレ、格好をしながら仕事したり」
伊吹の問い掛けに誰も答えられない。そんな会社聞いた事がないからだ。
そもそもコスプレという単語に聞き馴染みがない。恐らく男装的な仮装を意味するのだろうと思うが、わざわざそれを確認すべく声を上げる者はいなかった。
誰からも返事がないので、気にせず伊吹は本題に入る。念の為自己紹介はしないように、と警備担当から事前に注意を受けている。
「えっと、河本さんはどちらにおられますか?」
多恵子は自分の名が呼ばれ、心臓が止まるかのような衝撃を受ける。返事をする声を出す事が出来なかったが、辛うじて伊吹の前に歩み出て、頭を下げる事だけは出来た。
「そんな堅苦しくしてほしくないんですけど……、まぁ座って打ち合わせしましょう」
伊吹は打ち合わせ用のテーブルに移動し、美哉が引いた椅子へ座る。
多恵子は橘香に促されて、その向かい側の椅子へと座った。
「さっきチャットで言ってた、目をチョキで挟むっていう動きはこれです」
伊吹が手の甲を顔側に向けて右目の前でチョキを作り、人差し指と中指で目を挟んでみせる。
映画『パルプフィクション』の中でジョン・トラボルタが披露したダンスのポーズに似ている。
多恵子は伊吹に対して、コクコクと頷く事しか出来ない。
「ご主人様。河本様が過度に緊張されているので、やはり打ち合わせは後日改めた方がよろしいのではないでしょうか?」
智枝がそう伊吹に進言すると、多恵子を含む十二人の表情が絶望に染まった。
(誰か代わりに喋って……)
(このままでは無能な集団だと思われてしまう)
(見捨てないで!)
(あっ……あっ……)
(緊張するなって方が無理だろう!!)
(開け私の口ぃーーー!)
(カッコ良いなぁー)
(確かに後日の方が良い気がする)
(こんなの慣れる日が来る訳なかろうも)
(見てるだけで濡れてくる……)
(臭くないかな? 大丈夫かな!?)
(これ私達クビになるんじゃ?)
「いや、後日じゃなくて今夜の生配信に間に合わせたんだよね。
じゃあちょっと緊張をほぐす為に叫ぼっか」
伊吹が十二人に立ち上がるように言って、それに向き合うように立った。
「はい、行きますよー。
安藤家は好きかー!?」
伊吹が大声を出した事で、十二人が目を丸くして驚いている。
「んー? お前達の安藤家への愛はそんなものか!?
もう一度聞くぞ、安藤家は好きかー!?」
「「おーーー!」」
伊吹の後ろに控えていた美哉と橘香が伊吹の問い掛けに対して、叫んで答えた。
十二人はそれを見て、伊吹が自分達に求めている事をようやく理解した。
「安藤家は好きかー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「安藤家は好きかー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「右手を突き上げて叫べ!
安藤家は好きかーーー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「安藤家の為なら何でもやるかー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「安藤家を良くする為の打ち合わせで緊張してる場合じゃないぞ!
分かったら返事しろ!!」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
それからしばらく、伊吹と十二人の女性による呼び掛けと応答が繰り返された。
ドアの前に立ちインカムで話していた女性が声を上げ、VCスタジオ内に緊張が走る。直後にノックがあり、その女性がドアを開けてぞろぞろと警備員らしき女性が複数室内へ入って来る。
「すみません、遅くなりました」
「おぉ………………」
声無き声が響く。初めて見る男性、伊吹の姿と声に謎の力を感じる十二人。
「あれ? みんな何でそんなにカッチリした格好なんですか?
ゲーム制作会社ってもっと緩い印象だったけど、違うんですかね?
ほら、好きなキャラクターのコスプレ、格好をしながら仕事したり」
伊吹の問い掛けに誰も答えられない。そんな会社聞いた事がないからだ。
そもそもコスプレという単語に聞き馴染みがない。恐らく男装的な仮装を意味するのだろうと思うが、わざわざそれを確認すべく声を上げる者はいなかった。
誰からも返事がないので、気にせず伊吹は本題に入る。念の為自己紹介はしないように、と警備担当から事前に注意を受けている。
「えっと、河本さんはどちらにおられますか?」
多恵子は自分の名が呼ばれ、心臓が止まるかのような衝撃を受ける。返事をする声を出す事が出来なかったが、辛うじて伊吹の前に歩み出て、頭を下げる事だけは出来た。
「そんな堅苦しくしてほしくないんですけど……、まぁ座って打ち合わせしましょう」
伊吹は打ち合わせ用のテーブルに移動し、美哉が引いた椅子へ座る。
多恵子は橘香に促されて、その向かい側の椅子へと座った。
「さっきチャットで言ってた、目をチョキで挟むっていう動きはこれです」
伊吹が手の甲を顔側に向けて右目の前でチョキを作り、人差し指と中指で目を挟んでみせる。
映画『パルプフィクション』の中でジョン・トラボルタが披露したダンスのポーズに似ている。
多恵子は伊吹に対して、コクコクと頷く事しか出来ない。
「ご主人様。河本様が過度に緊張されているので、やはり打ち合わせは後日改めた方がよろしいのではないでしょうか?」
智枝がそう伊吹に進言すると、多恵子を含む十二人の表情が絶望に染まった。
(誰か代わりに喋って……)
(このままでは無能な集団だと思われてしまう)
(見捨てないで!)
(あっ……あっ……)
(緊張するなって方が無理だろう!!)
(開け私の口ぃーーー!)
(カッコ良いなぁー)
(確かに後日の方が良い気がする)
(こんなの慣れる日が来る訳なかろうも)
(見てるだけで濡れてくる……)
(臭くないかな? 大丈夫かな!?)
(これ私達クビになるんじゃ?)
「いや、後日じゃなくて今夜の生配信に間に合わせたんだよね。
じゃあちょっと緊張をほぐす為に叫ぼっか」
伊吹が十二人に立ち上がるように言って、それに向き合うように立った。
「はい、行きますよー。
安藤家は好きかー!?」
伊吹が大声を出した事で、十二人が目を丸くして驚いている。
「んー? お前達の安藤家への愛はそんなものか!?
もう一度聞くぞ、安藤家は好きかー!?」
「「おーーー!」」
伊吹の後ろに控えていた美哉と橘香が伊吹の問い掛けに対して、叫んで答えた。
十二人はそれを見て、伊吹が自分達に求めている事をようやく理解した。
「安藤家は好きかー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「安藤家は好きかー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「右手を突き上げて叫べ!
安藤家は好きかーーー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「安藤家の為なら何でもやるかー!?」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
「安藤家を良くする為の打ち合わせで緊張してる場合じゃないぞ!
分かったら返事しろ!!」
「「「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」」」
それからしばらく、伊吹と十二人の女性による呼び掛けと応答が繰り返された。
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