転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを

なつのさんち

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第九章:事業拡大

婚約成立

 福乃ふくのが説明したい事があるという事で、関係者を事務所へ集めた。
 この場にいるのはVividColorsヴィヴィッドカラーズ経営者として伊吹いぶき藍子あいこ燈子とうこ
 伊吹の侍女である美子よしこ京香きょうか美哉みや橘香きっか。伊吹の執事である智枝ともえ
 VividColorsを支える秘書として紫乃しのみどり琥珀こはく
 それら十一名に対して、福乃から今後についての説明が始められた。

「さすがにこの人数が集まると多いな。
 本当に新しい事務所について検討しないとならないかもね」

「それについても説明するよ」

 まず、福乃が一番最初に告げた事は、正式に三ノ宮家さんのみやけの伊吹と宮坂家と藍子と燈子、この三名の婚約が正式に成立した事。
 今までは婚約の内定、という少し曖昧な状態だった。

 さらに、式の日取りは十二月二十四日。今が九月なので三ヶ月後になる。その日は大安吉日なので選ばれただけで、特に意味はない。
 日本国内で伊吹の前世世界ほどキリスト教が浸透していないので、結婚式と言えば神前式を指す。

「神社で結婚式を挙げるという事ですか。
 また警備の人達にご苦労を掛けてしまいそうですね」

 伊吹は三ノ宮家ゆかりの神社というと実家まで戻らないとならないし、宮坂家ゆかりの神社については詳しくない。
 どちらにしてもこのビルに神社を持って来る事は出来ないので、自分がこのビルから移動する事になると考えた。

「場所は皇宮内だよ。
 で、うちの当主との顔合わせについても当日の式直前という事になる」

 さらっと言う福乃に対して伊吹が待ったを掛ける。

「ちょっと待って下さい。皇宮内と言うと、皇王陛下がおわす、あの?」

「そうだよ。皇宮なら一般人はまず入れないし、伊吹様が素顔を晒しても何の問題もないさ。
 これ以上相応しい場所はないと思うけどね」

 そういうものか、と納得する伊吹。よほど宮坂家の力が強いのだろうと思うに留めた。

「それで、結納っていう古い風習じゃあないんだけどね。
 宮坂家から三ノ宮家にこの辺りの土地一帯を譲るよ。いずれは関連企業でギチギチになるだろうし、そうなったらまた相談に乗るから言っておくれ」

「この辺りの土地全部……?」

 仮に半径百メートルの円として簡単に説明すると、約三万一千四百平米。約九千五百坪弱。
 仮に一坪あたり三百万円の土地だったとして、二百八十五億円以上の価値となる。
 さらに付属している建物の価値を換算すると、いくらになるか伊吹には全く想像が出来なかった。

「……お貸しした分にしてはかなりの利息が付きましたね」

「それだけ当家が伊吹様に期待してるって事さ。
 YourTunesユアチューンズからもうすぐ振り込まれるひと月分の収益だけで、三十億円を越えるんだ。
 それ以外にもVCスタジオやうたかたラボなど、どんどん世界最先端の技術をもたらしてくれるんだから、先行投資としても安いもんさ」

 それに加え、宮坂家とは別に国からもいくらかお金が出ているという福乃の説明に対し、男性保護省関連の補助金を使ったのだろうと伊吹は受け止めた。

「何にしても、藍子、燈子、おめでとう。
 大変だろうけどしっかりと伊吹様をお支えするんだよ」

「はい、おば様」

「これからもご指導をよろしくお願いします」

 福乃は長らく宮坂家当主である二人の父親のそばで彼を支えたという実績がある。
 福乃は二人が目指すべき女性なのだ。

「もちろんだよ。
 そして伊吹様、私の娘達と琥珀も可愛がっておくれよ?」

(婚約者の前で何て事言うんだよ……。
 まぁ、何故か皆と子作りするのは既定路線なんだけど)

 こうして三ノ宮家と宮坂家との正式な婚約が成立した。
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